暑い国の食事に学ぶ おいしい夏の過ごし方

食欲が落ちやすい夏こそ、香りの効果を味方に
今年も暑い夏がやってきます。気温35℃超えの日が続くと、食欲も減退しがち。そんな季節には、暑い国の料理で体を整えて暑さを乗り切りましょう。
年間を通して高温多湿のタイでは、香り高いハーブや刺激的なスパイスを使った料理が毎日の食卓に上ります。トウガラシの辛味は発汗を促して体温を下げる助けになり、ハーブの香りや辛味には食欲増進や消化促進、リフレッシュといった効果もあります。体力を消耗しやすい気候の中で、しっかり食べて健康を維持するために育まれてきた食文化の結果です。
タイ料理の定番、ガパオライスは、手軽に作ることができて野菜もしっかり摂れるバランスのよい一皿。タイではガパオと呼ばれるホーリーバジルを使いますが、手に入りやすいスイートバジルでもOKです。タイのジャスミンライスで食べると、さらにおいしさがアップします。
パクチー(コリアンダーの葉)は料理の仕上げにトッピングする使い方が主ですが、パクチー好きの方なら、パクチーをメインにしたサラダをぜひ。パクチーのリラックス効果とコリアンダーシードの健胃効果をダブルで摂ることができます。
トムヤムクンは、世界3大スープにも数えられるタイの代表的なスープ。使用するナムプリックパオは、カピと呼ばれる小エビの発酵調味料に赤タマネギ、ナンプラー、パームシュガーなどをブレンドしたタイの万能調味料です。お近くのスーパーで手に入りづらい場合は、輸入食材店やネット通販などでお求めください。
01. ガパオライス
みんな大好き!タイのソウルフード
[材料]2人分
- 鶏ひき肉……220g
- 赤パプリカ……1/2個(1cm角に切る)
- ピーマン……1個(1cm角に切る)
- タマネギ……1/4個(粗みじん切り)
- ニンニク……1片(みじん切り)
- トウガラシ……1本(小口切り)
- バジルの葉……10枚程度(手でちぎる)
- 卵……2個
- ご飯……2膳分
- 油……適量
[合わせ調味料]
- オイスターソース……大さじ1
- ナンプラー……大さじ1/2
- しょうゆ……小さじ1
- 砂糖……小さじ1
- 鶏ガラスープの素……少々
[作り方]
- 野菜をそれぞれカットし、合わせ調味料の材料を混ぜ合わせておく。
- フライパンに多めの油を熱し、卵を割り入れてカリカリになるまで目玉焼きを揚げ焼きにし、取り出しておく。
- 同じフライパンの余分な油を拭き取り、ニンニクとトウガラシを加えて弱火で熱する。香りが立ってきたら、鶏ひき肉を加えて中火で炒める。肉の色が変わったら、タマネギ、パプリカ、ピーマンを加えてさらに炒め合わせる。
- 全体に火が通ったら、合わせ調味料を回し入れて強火でサッと炒め合わせ、火を止める直前にバジルを加え、余熱でしんなりする程度に混ぜる。
- 器にご飯を盛り、4を乗せ、目玉焼きをトッピングする。
POINT バジルの香りは熱に弱いので、火を止める直前に加えましょう。目玉焼きは「揚げる」イメージで作ると、本場の雰囲気に近づきます。辛いのが苦手な方は、トウガラシの種を除くか、量を減らしてください。
02. パクチーサラダ
新鮮なコリアンダーをたっぷり使った贅沢サラダ
[材料]2人分
- パクチー(コリアンダーの葉)……1〜2束(お好みで)
- 紫タマネギ……適量
- お好きな野菜……適量
- ナッツ(くるみ、アーモンドなど)……好きなだけ
[ドレッシング]
- コリアンダーシード(ホール)……小さじ1
- オリーブオイル……大さじ2
- レモン汁……大さじ1
- ナンプラー(または薄口しょうゆ)……小さじ1
- 砂糖……小さじ1/2
- すりおろしニンニク……少々
- 塩、コショウ……少々
[作り方]
- フライパンにコリアンダーシードを入れ、弱火でゆすりながら1〜2分乾煎りする。よい香りがしてきたら火を止め、まな板に移して包丁の腹で軽く潰すか、すり鉢や乳鉢で粗く砕く。
- ボウルに1のコリアンダーシードと残りのドレッシングの材料を全て入れ、よく混ぜ合わせる。
- パクチーは根を切り落とし、4〜5cm長さに切る。紫タマネギはスライスして水にさらし、水けをよく切る。
- 大きなボウルにパクチー、紫タマネギ、その他の野菜を入れ、2のドレッシングを加えてふんわりと和える。
- 器に盛り、砕いたナッツを散らす。
POINT コリアンダーシードは少し粒が残る程度に砕くと、噛んだ瞬間に柑橘系のさわやかな香りが弾けます。辛味がほしい時は、ドレッシングに一味トウガラシやチリパウダーをひとつまみ加えてみてください。
03. トムヤムクン
エビの旨味とハーブの風味が効いた酸っぱ辛いスープ
[材料]2〜3人分
- 有頭エビ……4〜6尾
- フクロタケ(またはマッシュルーム、シメジ、エリンギなど)……100g
- ミニトマト……4個(半分に切る)
- 水……500mL
- 鶏ガラスープの素……小さじ1
- パクチー(根つきのもの)……好きなだけ
- レモングラス……3〜4本(フレッシュでもドライでも可)
- ショウガ……1片
- バイマックルー(コブミカンの葉・あれば)……3〜4枚
- トウガラシ……1〜2本
- ナンプラー……大さじ1・1/2
- トウガラシペースト(ナムプリックパオ / チリインオイル・あれば)……大さじ1〜2
- レモン汁(またはライム汁)……大さじ2
- 砂糖……小さじ1
- ココナッツミルク(または牛乳)……50mL
[作り方]
- エビは背ワタを取り、殻つきのまま洗う。
- レモングラスは斜め切り、ショウガは薄切りにし、バイマックルーはちぎって香りを出しやすくする。パクチーの根は叩いて潰しておく。
- 鍋に水、鶏ガラスープの素、2を入れて中火にかけ、香りが立つまで5分ほど煮る。
- エビ、フクロタケ、ミニトマト、トウガラシを加え、エビに火が通るまで加熱する。
- トウガラシペースト、ナンプラー、砂糖、ココナッツミルクを加えてひと煮立ちさせ、火を止めてレモン汁を加える。
- 器に盛り、パクチーの葉をたっぷり添える。
POINT 有頭エビを使い、煮出す時に頭を少し潰すと、濃厚なオレンジ色の味噌が溶け出してコクが増します。辛いのが苦手な場合は、トウガラシを刻まずに丸ごと加え、トウガラシペーストの量を少なめに調整してください。
夏のスイーツやドリンクは健康効果もプラスして

ベトナムで古くから親しまれているロータスティー(ハス茶)。その上品でやさしい香りは、心を穏やかにしてくれます。
夏のお楽しみといえば、南国のフルーツをたっぷり使ったスムージーですね。ここにピリッとしたショウガを加えるのがポイント。フルーツの甘さが引き立つだけでなく、胃腸の働きを高める効果も期待できます。
また、見た目にも涼やかなミルクアイスは、夏のおもてなしに最適。ただし、冷たいものの摂り過ぎにはご注意ください。日常的には、常温や温かい飲み物を意識してとり入れるのがおすすめです。
04. ロータスとジャスミンのティー
リラックスタイムに最適な温かいお茶
[ドライハーブ]
- ロータス……1g
- ジャスミン……1g
- 熱湯……200mL
[作り方]
- ポットにハーブを入れ、85〜90℃の少しだけ冷ました湯を注ぎ、ふたをして約2分蒸らす。
POINT すっきりした味わいのロータスに、エキゾチックな香りのジャスミンを合わせました。ジャスミンの香りは、心の緊張をときほぐす効果があります。
05. トロピカルスムージー
ショウガの辛味がフルーツの甘みを引き立てる
[材料]2人分
- バナナ……1本
- マンゴー……100g
- フレッシュミントの葉……ひとつかみ(10枚程度)
- ショウガすりおろし……小さじ1/2(お好みで加減)
- 牛乳または豆乳……150mL
- レモン汁……小さじ1
[作り方]
- バナナとマンゴーはひと口大に切る。ミントはサッと洗って水けを切っておく。
- ミキサーに、牛乳、ショウガ、レモン汁、バナナ、マンゴー、ミントの順に入れ、全体に滑らかになるまで攪拌する。
- グラスに注ぎ、ミント(分量外)を添える。
POINT 冷凍したバナナを使うと、よりクリーミーに仕上がります。ミントの鮮やかな色を保ちたい場合は、最後に数枚加えて短時間だけ回すとよいでしょう。
06. バタフライピーのミルクアイス
鮮やかな青色が涼しさを演出
[材料]作りやすい分量
- [ドライハーブ]バタフライピー……5〜8g
- 湯……50mL
- 牛乳……200mL
- 生クリーム……200mL
- 砂糖……60〜70g
- 練乳……大さじ1
[作り方]
- 耐熱容器にバタフライピーを入れ、熱湯を注いで5分ほど蒸らす。濃い紺色になったら、茶葉を濾して冷ましておく。
- ボウルに牛乳、砂糖、練乳、1の抽出液を入れ、砂糖が溶けるまでよく混ぜる。
- 別のボウルで生クリームを七分立て(とろりとする程度)に泡立て、2を少しずつ加えながら、ムラがないように混ぜ合わせる。
- 密封できる容器に移し、冷蔵庫で冷やし固める。
- 2〜3時間おきに取り出し、スプーンやフォークで空気を含ませるように混ぜる。3回ほど繰り返すと、口当たりがなめらかになる。
- 器に盛り、お好みでマンゴーやココナッツチップ(分量外)をトッピングする。
POINT 食べる直前にレモン汁を少し垂らすと、青から紫に色が変わるマジックのような演出が楽しめます。練乳は省いてもOKですが、加えるとコクが出ます。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第76号 2026年6月