日本メディカルハーブ協会では、世界ではまだ知られていない日本のハーブについて多角的な研究と考察を行っています。
ハマビシTribulus terrestrisは、海岸性の植物と思われていたが、モンゴルのウランバートルの郊外の草原で、地べたに這いつくばって咲いているハマビシを見つけ驚いた。世界での分布は、海岸だけでなく、内陸の草原や砂地も含まれていた。 ハマビシの実はシツリシ(蒺藜子)と呼ば・・・
1. 半夏と水半夏 半夏ハンゲはカラスビシャクPinellia ternata Breitenbachの根茎で、性状は、やや扁圧された球形~不整形を呈し、径0.7~2.5cm、高さ0.7~1.5cmである。 外面は白色~灰白黄色で、上部には茎の跡がくぼみとなり、その周辺の根の跡は・・・
風邪で咳が出て、顔が赤くなったことがあった。薦められた漢方薬が麦門冬湯であった。早速自分で調剤して自分で飲んだところ、咳は止まり顔も赤味がなくなった。麦門冬湯の構成生薬は、麦門冬、半夏、人参、粳米、大棗、甘草の6種で、緩和な生薬が配合されているだけで、劇的に効くことが不思議であっ・・・
日本で副作用を起こした試料の分析結果 細辛(サイシン)は、ウスバサイシンの全草を乾燥したものであった。1992年、ベルギーでアリストロキア酸の腎臓障害が報告されたので、ウマノスズクサ科植物の成分が分析され、ウスバサイシンの地上部の葉と葉柄にアリストロキア酸が含有されていると判明し・・・
1)フジマメ フジマメ Dolichos lablab Linne (マメ科 Leguminosae)は一年草の蔓植物で、支柱を付けると4〜5mになる。葉は小葉が3枚、無毛である。 扁平な楕円形で、果実は豆果で、扁平な湾曲した楕円形、長さが3〜6cm、先端に花柱が残る。 扁平な楕・・・
アサガオのツルの巻いた鉢植えを孫が小学校から持ち帰った。15年前からこの鉢を使って、市販の種を植えて育てている。アサガオが教材として使われている理由は、ツルの巻き方を観察し、自然の複雑さを教えることだったのだろう。現在は人工衛星で旅した種が、遺伝的に変異するこの観察を課題とする学・・・
シダ植物のうち、ホウライシダ属は世界に200種類ほどあるが、多くは世界の各地で薬草にされている。ホウライシダはその例である。 日本には5種類あり、ハコネシダとクジャクシダが薬用にされていた。成分と薬効試験の研究報告は多い。これによると抗腸不全、抗潰瘍、抗菌、抗腫瘍および抗ウイルス・・・
「 ハトムギ 」 【学名】Coix lacryma-jobi var. ma-yuen【科名】イネ科【使用部位】種子、種子エキス、種子油【主要成分】でんぷん、たん白質、脂肪酸、多糖類、ステロール、コイクセノリド、ビタミン、アミノ酸【作用】利尿、消炎、鎮痛、イボ取り、美肌【適応】に・・・
地域と結びついたハーブ。南北に長い日本列島は、亜寒帯から亜熱帯にまで位置します。地域ごとにその土地ならではのハーブが存在し、それぞれの風土や文化と深く結びついた利用がなされてきました。沖縄のように現在も生活の中に独自のハーブが息づいているところや、伝統ある薬草園が残されているとこ・・・
ハーブは薬用や食用以外にも、服飾、工芸、建築、祭祀など様々な用途に用いられ、日本人の暮らしを支えてきました。その中には、もう見られなくなった風習や途絶えてしまった技術もありますが、脈々と受け継がれているものも決して少なくありません。 薬湯 ゆっくりとお湯に浸かる沐浴の習慣が伝えら・・・