研究トピックス

薄毛を自覚する成人における、発毛を促進する新規ノコギリヤシ(Serenoa repens)エキスの安全性と有効性:180日間の結果

ノコギリヤシ(ソウパルメット:Serenoa repens)の果実油には、80〜85%の脂肪酸に加えて、ステロールや長鎖アルコールなどの微量成分が含まれている。ノコギリヤシの脂質ステロール抽出物は、主に遊離脂肪酸の作用によってⅠ型およびⅡ型の5α-リダクターゼを非競合的(アロステリック)に阻害することが報告されている。

2026.09.14
大学生におけるタイム葉の経口投与が記憶、不安、抑うつおよび睡眠の質に及ぼす影響:ランダム化比較試験

海外の一部地域で、大学生の不安、抑うつ、睡眠障害が多く、記憶機能や学業成績への影響が問題となっている。一部では認知機能向上を目的とした刺激薬の使用もみられると報告されている。

2026.08.19
小児白血病患者における化学療法誘発性好中球減少症に対するカモミールの効果:無作為化三重盲検プラセボ対照臨床試験

近年、日本では健康維持や症状緩和を目的として、ハーブや健康食品、漢方薬などの補完・代替療法(Complementary and Alternative Medicine:CAM)への関心が高まっている。成人領域では、がん治療に伴う副作用の軽減やQOL(生活の質)の改善を目的とした研究が進められている一方、小児におけるハーブ療法の有効性や安全性に関するエビデンスは十分とはいえない。

2026.08.18
クロアチアのアドリア海沿岸地域産ゲッケイジュ(Laurus nobilis L.)ハイドロゾル(芳香蒸留水)の化学組成、品質、および生物活性:皮膚科用途への示唆

近年、日本でもアロマ蒸留器を用いて植物から芳香蒸留水、いわゆる「ハイドロゾル」を自家製で作る人が増えている。ハーブウォーターやフローラルウォーターとして知られるこれらは、精油より刺激が少なく、スキンケアやルームスプレーなど幅広い用途で利用されている。特にナチュラル志向やセルフケア需要の高まりを背景に、家庭レベルでも蒸留を楽しむ文化が広がっている。しかし一方で、ハイドロゾルの有効性や安全性については、科学的データが十分とはいえない。そこで今回紹介する研究は、月桂樹ハイドロゾルの化学組成や抗菌作用、安全性を詳細に解析し、皮膚科学分野への応用可能性を検討したものである。

2026.07.15
エゾウコギ果実抽出物が動脈スティフネスおよび血圧に及ぼす影響: ランダム化プラセボ対照試験

動脈スティフネス(動脈の硬さ)の亢進や血管内皮機能障害などの血管機能障害は、将来の心血管疾患発症を予測する重要な因子である。ハーブや香辛料を含む食品や栄養補助食品などの天然由来製品は、生理機能に有益な作用を有し、心血管疾患リスクの低減に寄与する可能性が示されている。 なかでもエゾウコギ( Eleutherococcus senticosus(シノニム;Acanthopanax senticosus))は、従来は根や根茎の利用が中心であったが、近年では果実についても新たな機能性が注目されている。

2026.07.14
フィーバーフュー(Tanacetum parthenium)の片頭痛緩和効果に関するシステマティックレビューおよびメタアナリシス

片頭痛は、悪心や光・音過敏を伴う神経疾患であり、世界的に有病率が上昇している。治療にはトリプタンやβ遮断薬などが用いられるが、薬物乱用や副作用の問題から、これらのリスクを軽減できる補完的な予防法への関心が高まっている。伝統医療に由来するキク科植物フィーバーフュー(ナツシロギク)は・・・

2026.06.18
家庭菜園で芳香性ハーブを栽培する地域ベースの介入研究が、食事および尿中のナトリウムの変化に及ぼす影響

近年、日本でもハーブや家庭菜園を健康づくりに活用する取り組みが広がっている。高齢者施設での園芸活動、市民農園を通じた介護予防、ベランダ菜園による食育など、植物を育てる行為を身体・心理・社会的健康につなげる実践が増えている。一方で、ハーブ栽培を「減塩行動」に直接結びつけた研究はまだ少なく、新しい生活習慣介入として注目される可能性がある。

2026.06.18
グラフ埋め込みアプローチによる精油間の抗菌相互作用のin vitroおよびin silico予測

近年、医療分野では人工知能(AI)の活用が急速に進展している。日本においても、CTやMRI画像の読影支援、内視鏡診断補助、電子カルテ解析など、臨床現場の効率化や診断精度向上を目的とした導入が進んでいる。一方、メディカルハーブや精油(エッセンシャルオイル)研究では、AI応用はまだ発・・・

2026.05.26
疲労の症状管理における人参および人参含有漢方製剤:システマティックレビューおよびメタ解析 

疲労は、一般人口の5~20%に影響を及ぼす公衆衛生上の重要な課題である。特に慢性疾患患者やがんサバイバーでは有病率が高く、生活の質(QOL)の低下、医療費の増加、生産性の損失などを引き起こすことが知られている。現在、運動療法や認知行動療法などが推奨されているが、専門家不足、コスト・・・

2026.05.26
野生ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)の季節変動:代謝関連障害に対する多機能性成分の可能性

ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)は地中海原産の常緑性ハーブであり、料理の香りづけや伝統医療に広く利用されてきた。葉には抗酸化作用や抗炎症作用、血糖調整作用などの生理活性があり、精油や抽出物は食品や化粧品、機能性食品にも応用されている。成分の量や種・・・

2026.04.24