近年、日本でもアロマ蒸留器を用いて植物から芳香蒸留水、いわゆる「ハイドロゾル」を自家製で作る人が増えている。ハーブウォーターやフローラルウォーターとして知られるこれらは、精油より刺激が少なく、スキンケアやルームスプレーなど幅広い用途で利用されている。特にナチュラル志向やセルフケア需要の高まりを背景に、家庭レベルでも蒸留を楽しむ文化が広がっている。しかし一方で、ハイドロゾルの有効性や安全性については、科学的データが十分とはいえない。そこで今回紹介する研究は、月桂樹ハイドロゾルの化学組成や抗菌作用、安全性を詳細に解析し、皮膚科学分野への応用可能性を検討したものである。
動脈スティフネス(動脈の硬さ)の亢進や血管内皮機能障害などの血管機能障害は、将来の心血管疾患発症を予測する重要な因子である。ハーブや香辛料を含む食品や栄養補助食品などの天然由来製品は、生理機能に有益な作用を有し、心血管疾患リスクの低減に寄与する可能性が示されている。 なかでもエゾウコギ( Eleutherococcus senticosus(シノニム;Acanthopanax senticosus))は、従来は根や根茎の利用が中心であったが、近年では果実についても新たな機能性が注目されている。
帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科 教授 丸山 奈保 まるやま・なほ 東京大学大学院薬学系研究科修士課程修了、博士(薬学)。帝京平成大学講師、准教授を経て、2022年より現職。帝京大学医真菌研究センター非常勤講師。抗菌アロマセラピー・・・
片頭痛は、悪心や光・音過敏を伴う神経疾患であり、世界的に有病率が上昇している。治療にはトリプタンやβ遮断薬などが用いられるが、薬物乱用や副作用の問題から、これらのリスクを軽減できる補完的な予防法への関心が高まっている。伝統医療に由来するキク科植物フィーバーフュー(ナツシロギク)は・・・
近年、日本でもハーブや家庭菜園を健康づくりに活用する取り組みが広がっている。高齢者施設での園芸活動、市民農園を通じた介護予防、ベランダ菜園による食育など、植物を育てる行為を身体・心理・社会的健康につなげる実践が増えている。一方で、ハーブ栽培を「減塩行動」に直接結びつけた研究はまだ少なく、新しい生活習慣介入として注目される可能性がある。
近年、医療分野では人工知能(AI)の活用が急速に進展している。日本においても、CTやMRI画像の読影支援、内視鏡診断補助、電子カルテ解析など、臨床現場の効率化や診断精度向上を目的とした導入が進んでいる。一方、メディカルハーブや精油(エッセンシャルオイル)研究では、AI応用はまだ発・・・
疲労は、一般人口の5~20%に影響を及ぼす公衆衛生上の重要な課題である。特に慢性疾患患者やがんサバイバーでは有病率が高く、生活の質(QOL)の低下、医療費の増加、生産性の損失などを引き起こすことが知られている。現在、運動療法や認知行動療法などが推奨されているが、専門家不足、コスト・・・
ローズマリー(Rosmarinus officinalis L.)は地中海原産の常緑性ハーブであり、料理の香りづけや伝統医療に広く利用されてきた。葉には抗酸化作用や抗炎症作用、血糖調整作用などの生理活性があり、精油や抽出物は食品や化粧品、機能性食品にも応用されている。成分の量や種・・・
糖尿病は最も一般的な疾患の一つであり、その高血糖状態は酸化ストレスを引き起こす要因の一つである。酸化ストレスは心血管疾患および糖尿病性微小・大血管合併症における重要な代謝異常であることが知られている。 イラクサ科の多年生草本であるネトル(Urtica dioica L・・・
世界中の生殖年齢にある女性の多く(約45~99%)が無月経、不正子宮出血、月経困難症、月経前症候群(PMS)等の月経障害に苦しんでいる。ペパーミント(Mentha x piperita)は古代より月経促進や月経痛緩和に用いられてきたハーブであり、現代の研究においても抗酸化作用、抗・・・
ナツメ(学名Ziziphus jujuba)は、古くからアジア地域で食用および薬用に利用されてきた果実である。甘味を有し、乾燥させて茶や薬膳に用いられることが多い。ビタミン類やポリフェノールなどの抗酸化成分を豊富に含み、伝統医学においては滋養強壮、消化機能の調整、血行促進などの作・・・
1.はじめに ヒハツモドキ(Piper retrofractum Vahl)は、東南アジアを原産とするコショウ属の植物(図1)で、インドネシアやマレーシアなどで古くから香辛料として利用されてきました1)。国内では亜熱帯地域に属する沖縄県で・・・
日本国内における「薬剤耐性(AMR)」は、2016年には政府が「薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン」を策定し、抗菌薬の適正使用推進や研究開発に取り組んでいる。しかし、2019年推定、2種類の薬剤耐性菌による菌血症患者の推定死亡者数は年間8,000人にのぼるとされており(政府広・・・
現在、うつ病は世界において全年齢層で最も一般的な精神疾患の一つである。うつ病に関連する臨床症状としては、頻繁な気分の変動、持続的な悲しみ、不安、食欲減退、イライラ、不眠、あらゆる活動への興味や喜びの喪失などが挙げられる。大うつ病性障害は、前頭葉の機能不全、神経ネットワークの変化、・・・
アサイーベリー(Euterpe oleracea)は、ブラジル原産のヤシ科植物の実で、濃い紫色の色素成分であるポリフェノール(特にアントシアニン)をブルーベリーよりも豊富に含み、さらに、食物繊維、ビタミン、ミネラルなども豊富で、美容や健康維持に役立つ栄養価の高さから「スーパーフー・・・