フィーバーフュー(Tanacetum parthenium)の片頭痛緩和効果に関するシステマティックレビューおよびメタアナリシス

片頭痛は、悪心や光・音過敏を伴う神経疾患であり、世界的に有病率が上昇している。治療にはトリプタンやβ遮断薬などが用いられるが、薬物乱用や副作用の問題から、これらのリスクを軽減できる補完的な予防法への関心が高まっている。伝統医療に由来するキク科植物フィーバーフュー(ナツシロギク)は、主成分パルテノライドを含有し、プロスタグランジン合成阻害、血管平滑筋の痙攣軽減、セロトニンやヒスタミンの放出抑制といった薬理作用を通じて片頭痛予防効果を発揮する可能性が示唆されている。
本システマティックレビューは、フィーバーフューの有効性および安全性に関する現在のエビデンスを統合し評価することを目的として、ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(RCT)の結果を統合・解析した。選定された9件の試験デザインは、二重盲検、クロスオーバー、並行群間、休薬試験など多岐にわたる。対象規模は17〜215人、介入期間は1〜8ヶ月、投与量は6.25〜100mgであり、マグネシウムやリボフラビンとの併用例も含まれる。評価項目には、片頭痛の発作頻度、重症度、持続時間のほか、悪心、嘔吐、光・音過敏などの随伴症状が設定された。
メタ解析の結果、主要アウトカムおよび安全性は以下の通りであった。
片頭痛発作頻度の減少:プラセボ群と比較して有意に減少[平均差(IV): -1.11, 95% CI: [-1.23, -0.99], p < 0.00001, I² = 28%]。
持続時間の短縮:有意な短縮を認めた[IV: -4.43, 95% CI: [-7.63, -1.23], p = 0.007, I² = 98%]。
重症度の変化:減少傾向は見られたが、統計的有意差はなし[IV: -0.63, 95% CI: [-1.48, 0.21], p = 0.14, I² = 85%]。
安全性・有害事象: 系統的報告は2件のみ。全体の有害事象[M-H: 1.24, 95% CI: [0.71, 2.19], p = 0.45]や悪心・嘔吐に有意差はないが、光過敏のみフィーバーフュー群で有意に高かった[M-H: 1.92, 95% CI: [1.00, 3.67], p = 0.05, I² = 0]。
光過敏はフィーバーフュー群で有意に多かったが、報告試験数が少なく、この結果のみから安全性上の懸念を結論づけることはできない。
結論として、本システマティックレビューおよびメタ解析は、フィーバーフューが片頭痛発作頻度および発作持続時間の減少に有益な効果を示す可能性を示唆した。一方で、発作重症度については有意な改善は認められなかった。また、安全性に関するデータは限られており、フィーバーフューの忍容性について確定的な結論を導くには不十分であった。著者らは、今後、標準化された介入方法と十分な安全性評価を含む高品質なランダム化比較試験が必要であると結論付けている。
[文献]
Nelaturi V, et al. Systematic review and meta-analysis of Tanacetum parthenium: evaluating its efficacy in migraine relief. Nat Prod Res. 2025 Dec 21. doi:10.1080/14786419.2025.2602038.





