2026.6.28

変化する女性の体をハーブでサポート

女性特有の諸症状を緩和し気分を明るくポジティブに

誰でも元気な時は健康のことをあまり考えないもの。その点、女性は定期的な月経があり、自分の体や心の変化に向き合うチャンスが多いといえます。特に月経前や排卵期、更年期などには不調が起こりやすくなりますが、その時々に合った暮らし方をし、ハーブの力を借りてより健康的に、快適に過ごしていきましょう。

ローズゼラニウムは、PMSや更年期障害など女性ホルモンのバランスの変化から来る諸症状の緩和に用いられる代表的なハーブです。葉から抽出された精油を利用するのが一般的ですが、フレッシュな葉があれば、芳香蒸留水を作ってみたり、ハーブティーとして摂ったりと、また違った楽しみ方ができます。この春、自宅のベランダや庭で育ててみてはいかがでしょう。

芳香蒸留水は、精油を抽出する際に副産物としてできる香りのよい水で、ハーブウォーター、またはアロマウォーターとも呼ばれます。精油に比べ刺激が少なく香りも穏やかで、希釈せずにそのまま化粧水やルームスプレーとして使えるのが利点です。練り香水は固形タイプの香水で、直接肌に塗って使います。主張し過ぎない優しい香りが楽しめ、アルコールフリーなので敏感肌の方にも安心です。

女性の不調には、アロマトリートメント(アロママッサージ)もおすすめです。香りの作用でリラックスを促し、血行やリンパの流れをよくするので、月経痛や肩こり、腰痛、むくみ、疲労などの改善に役立ち、イライラや憂うつを和らげて気分を明るくポジティブにしてくれます。

01 ローズゼラニウムの芳香蒸留水

自律神経やホルモンバランスを整える

[用具] ふたつきの鍋(高さのあるもの)、耐熱容器(150mLくらいの容量)、保冷剤(または氷)、スプレー容器など

[材料]

  • フレッシュハーブ:ローズゼラニウムの葉……鍋底に敷き詰められる分量
  • 精製水……500mL

[作り方]

  1. 鍋の中央に耐熱容器を置き、その周りにハーブを詰める。
  2. ハーブに精製水を注ぎ、鍋のふたを逆さにかぶせる。
  3. ふたの上に保冷剤を乗せ、30〜45分弱火で加熱する。
  4. 耐熱容器の中にたまったものが、芳香蒸留水。使いやすい容器に移し替え、冷蔵庫で保存する。

POINT このレシピで100mLくらいの芳香蒸留水ができます。長期保存はできないので少しずつ作り、1週間をめどに使い切りましょう。このまま化粧水やルームスプレーとして使用できますが、グリセリンを小さじ2ほど加えると、香りがよく保湿効果の高いローションになります。

02 ローズゼラニウムの練り香水

ほのかな香りでリラックス

[用具] 耐熱ビーカー、湯煎用の鍋、ガラス棒、保存容器

[材料]

  • 精油:ローズゼラニウム……10〜20滴
  • ミツロウ(ビーズワックス)……4g
  • キャリアオイル(ホホバオイルなど)……20mL

[作り方]

  1. ビーカーにミツロウとキャリアオイルを入れて湯煎にかけ、かき混ぜながら溶かす。
  2. 保存容器に移し、底や周りが少し白くなってきたら精油を垂らし、ガラス棒でよく混ぜる。
  3. そのまま粗熱がとれるまで置き、固まったらでき上がり。

POINT 香りをできるだけ飛ばさないように、少し冷ましてから精油を加えます。普通の香水と同じように手首や首筋などに少量つけたり、マスクの外側に塗ったりして使いますが、精油の濃度が高いので顔や唇への使用は避けるようにしましょう。

ATTENTION! 手作りコスメの使用はすべて自己責任となります。必ずパッチテストを行ってからご使用ください。妊娠中・授乳中の方は、ローズゼラニウム精油の使用は避けてください。

03 アロマトリートメント

月経痛やPMSで起こるメンタルの不調にも

[材料]

  • 精油:ローズゼラニウム、ローズ、クラリセージ、ベルガモットなど……1〜2滴
  • キャリアオイル(ホホバオイル、スイートアーモンドオイルなど)……10mL

[作り方と使い方]

  1. 容器にキャリアオイルを入れ、精油を加えてガラス棒などでよくかき混ぜればマッサージオイルのでき上がり。
  2. オイルを手に取り、手のひらで温めるようになじませてから目的の部位に塗り、マッサージを。

<マッサージのポイント>

  • デコルテ:手を鎖骨の上部に当て、上から下にさする。左右同様に行う。
  • 腰周り:腰に両手を当て、仙骨から尾骨にかけてさする。仙骨に手のひらを当て、腰骨まで後ろから前へさする。
  • 鼠径部(そけいぶ):横になり、両脚を肩幅に開く。左右の腰骨の上から鼠径部に向かって上下にさする。

POINT リンパ液の流れに沿ってやさしくさする事で緊張がゆるみ、血行も促されて高いリラックス効果が得られます。ここで紹介した方法にこだわらなくても、自分で心地よいと感じる方法で行えばOKです。

ストレスや緊張を避けてゆったりした時間を過ごす

心身の不調を感じやすい時期には、ストレスを避けてゆったりした時間を過ごすように心がけましょう。そんな時のお供には、温かなハーブティーを。ローズゼラニウムティーや女性にうれしいハーブを合わせたブレンドティーは、心身をリラックスに導き、自律神経の働きやホルモンバランスを整えてくれます。PMSや月経痛があるなら、月経の7〜10日前から食後のティーを習慣にするとよいでしょう。

ネトルは「天然のマルチビタミン」とも呼ばれるほど栄養価の高いハーブとして知られています。鉄分、カルシウムも豊富に含み、貧血や骨粗鬆症の予防に役立つ他、日常の栄養補給として妊娠・授乳期の女性にも最適。体を浄化するデトックス効果にも優れ、季節の変わり目のケアにもおすすめです。ハーブティーとして楽しむだけでなく料理やお菓子にも利用して、この春を軽やかにお過ごしください。

04 レディースティー

女性の健康をサポートするブレンド

[用具] ティーポット、カップ

[材料]

  • 熱湯……200mL
  • ドライハーブ:ベニバナ、フィーバーフュー、カモミール……各1g

[作り方]

  1. ポットにハーブを入れ、熱湯を注ぎ、ふたをして5分ほど抽出する。
  2. カップに注ぎ入れる。

POINT 血行促進や月経痛の緩和に効果があるベニバナ、片頭痛や月経痛、関節リウマチに効果のあるフィーバーフュー、抗炎症作用や鎮静作用に優れたカモミールのブレンドです。

ATTENTION! ベニバナは妊娠中の方やキク科植物にアレルギーのある方は飲用を控えてください。

05 ネトルのクッキー

季節の変わり目のケアや日常の栄養補給に

[用具] ボウル、泡立て器、ゴムべら、粉振るい、ラップ、クッキングシート、オーブンなど

[材料]

  • ドライハーブ:ネトル……2g
  • 大豆粉……120g
  • ベーキングパウダー……6g
  • 無塩バター……100g(室温に戻しておく)
  • きび砂糖……40g
  • 溶き卵……1個分

[作り方]

  1. ボウルに無塩バターときび砂糖を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜ合わせる。
  2. 溶き卵を少しずつ加えて混ぜ合わせ、ネトルを加えてさらによく混ぜる。
  3. 大豆粉とベーキングパウダーを合わせて振るい、2に加えてゴムべらでさっくりと混ぜる。
  4. ひとまとめにしてラップで棒状に包み、冷蔵庫で1時間ほど寝かせる。
  5. オーブンを170℃に予熱しておく。
  6. 4のラップを外し、包丁で1cm幅に切る。クッキングシートを敷いた天板に並べ、オーブンで15分ほど焼く。

POINT 焼き色がつき過ぎてしまう場合は、途中でアルミホイルをかぶせるか、様子を見ながら時間を調節してください。

06 ローズゼラニウムティー

バラのような甘い香りにうっとり

[用具] ティーポット、カップ

[材料]

  • フレッシュハーブ:ローズゼラニウムの葉……2〜3枚
  • 熱湯……200mL

[作り方]

  1. ローズゼラニウムの葉を軽く水洗いしてポットに入れ、熱湯を注いだらふたをして5分ほど抽出する。
  2. カップに注ぎ入れる。

POINT メディカルハーブとして使われるローズゼラニウムで、無農薬で栽培されたものを使用しましょう。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第75号 2026年3月