2026.6.26

センテッドゼラニウムの効果・効能

当協会理事

木村 正典

センテッドゼラニウムはハーブティーで摂るより、精油(エッセンシャルオイル)を利用するのが一般的です。芳香浴やアロママッサージ、アロマバスなどで使用すれば、心身の緊張をときほぐし、女性の様々な不調を和らげてくれます。

01 バランスの調整

女性ホルモンのバランスを整え、月経不順、PMS、更年期の諸症状を緩和します。皮脂分泌のバランスを整えるので、化粧水などでフェイスケアに、消化液の分泌バランスを整えるので便秘や下痢症状にも期待されています。

02 鎮静

副交感神経を優位にして心を穏やかに鎮める働きをもち、PMSや更年期の不安定な時期にも気持ちを軽く、前向きにしてくれます。

03 むくみの解消

水分代謝を整えて余分な水分の排出を促し、リンパ液の流れをよくすることで、月経前に起こりやすい顔や手足のむくみを改善します。また、むくみからくる全身の重だるさや疲労感の軽減も期待できます。

04 抗炎症

近年の研究でゼラニウム精油に抗炎症作用が認められ、関節炎や女性に多い慢性リウマチなどへの効果が期待されています。皮膚の炎症も鎮めてくれるので、肌荒れやニキビの悩みにも期待できます。

05 虫除け

シトロネロールやゲラニオールは、昆虫が嫌がる忌避作用をもちます。特に蚊が嫌がるにおいといわれ、ローションやスプレーなどで使えば、天然の虫除けになります。センテッドゼラニウム精油は、市販の虫除けにも含まれています。

ATTENTION! > センテッドゼラニウムは妊娠中や授乳中の人は禁忌です。乳幼児の利用も避けてください。

TOPICS:ゼラニウムの名前あれこれ

精油として使われるセンテッドゼラニウムのうち、バラを思わせる芳香をもつものは「ローズゼラニウム」と呼ばれています。ゼラニウムは日本には江戸時代に伝わり、センテッドゼラニウムの和名は「匂天竺葵(ニオイテンジクアオイ)」といいます。

ゼラニウムという名前の由来には諸説ありますが、有力なのはギリシャ語で「鶴」を意味する「geranos」から来たというもの。ゼラニウムの果実の形が鶴のくちばしに似ていたことからつけられたそうです。また、センテッドゼラニウムの属名である Pelargonium は、ギリシャ語で「コウノトリ」を意味する「pelargos」に由来し、これも果実の形がコウノトリのくちばしに似ていることに起因するといわれています。ちなみに学種小名の graveolens は、“香りの強い”という意味です。

なお、ローズゼラニウム精油には「ゼラニウムブルボン」と呼ばれるものがあります。ゼラニウムブルボンは南西インド洋上に浮かぶレユニオン島(旧ブルボン島)またはマダガスカルで栽培されている“ブルボン”と呼ばれる伝統品種から抽出される精油のことを指します。ほかのローズゼラニウムよりもローズに近い香りと評され、古くから高い評価を得てきました。

※ ▶︎「ゼラニウム精油の抗感染および抗炎症作用について」(帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授 丸山泰保、帝京大学医真菌研究センター客員准教授 石島早苗)をp.50に掲載しています。

当協会理事
木村 正典 きむらまさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第75号 2026年3月