2026.8.22

ハーブティーで夏を乗り切る

東南アジアのハーブの健康効果を手軽にとり入れるなら、現地で愛飲されている ハーブティーを。夏の暑さに負けない体づくりに役立てましょう。

夏の疲れた体をやさしく癒す東南アジアのハーブティー

東南アジアの中でもハーブティーを日常的によく飲む国、タイ。ポピュラーなものに、レモングラスティー、ハイビスカスティー、バタフライピーティーなどがあります。また、東南アジアは緑茶の生産地でもあり、ベトナムでは緑茶にハスの香りをつけたハス茶が定番。いずれも健康効果を得るなら、品質のよい物を選ぶのがポイントです。

  • レモングラスティー……柑橘系のすっきりさわやかな香りで気分のリフレッシュに最適。リラックス効果も兼ね備えているため、お休み前のティーにも向きます。香り成分のシトラールには強い抗菌作用がある他、血行促進作用や胃腸の働きをととのえる作用があるとされ、夏バテ、胃もたれ、食欲不振などの改善効果が期待できます。
  • ハイビスカスティー……食用のハイビスカスであるローゼルのことをタイではグラチアップデーンと呼び、その萼(がく)の部分を乾燥させて煮出したティーがポピュラーです。美しい赤色の見た目に加え、ビタミンCやクエン酸が豊富で抗酸化作用に優れ、疲労回復や免疫力アップ、美肌などに役立つことから、とりわけ女性向きのティーといわれます。
  • バタフライピーティー……タイ原産のマメ科植物の花のティー。ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれ、目の健康維持に役立ち、抗酸化作用による老化予防効果や美肌効果、利尿作用によるむくみの改善効果なども期待できます。鮮やかなコバルトブルーのティーにレモンやライムなどのビタミンCを加えると、紫色に変化してきれいです。
  • ハス茶(ロータスティー)……「蓮花茶」とも呼ばれ、緑茶にハスの香りづけをしたもの。すっきりした味わいと上品な香りで食事と一緒に摂るティーとしても人気ですが、安価なものは多くの場合、香りづけに人工香料が使われています。高品質のものはハスの花のおしべが使用されており、本物のハスの香りを楽しむことができます。ハスの葉を利用した「蓮葉茶」や、ハスの実の芯(胚芽)を利用した「蓮芯茶」は少し苦みがあり、漢方のような風味が特徴です。利尿効果、老廃物や脂肪の除去効果、新陳代謝の促進効果、リラックス効果などがあるとされています。

インドネシアの伝統医薬品「ジャムウ」

膨大な植物資源を背景にして古くから伝統医学が発展したインドネシアのジャワ島には「ジャムウ(JAMU)」と呼ばれる伝統医薬品があります。ジャワ語で、“植物の根や葉などから作られた薬”を意味し、同時にインドネシア伝統医学の代名詞にもなっています。ジャムウに用いられる生薬(ハーブ)の多くがインドのアーユルヴェーダで用いられるものと共通することから、8世紀中頃にインドから伝えられたアーユルヴェーダ医学がジャムウの起源ではないかと考えられています。

現在はジャムウといえば、複数のフレッシュハーブを混ぜて作る健康飲料のことを指すこともあります。ハーブの力によって自然治癒力を高めて身体を整えることができるとされ、老若男女に飲まれています。ジャムウの調合は伝統的に女性が担ってきたことから、生理不順や貧血など女性の不調に役立つジャムウも多いそうです。街ではジャムウ・ゲンドンと呼ばれる女性がジャムウを路上で販売している姿も見られ、ホテルなどでウエルカムドリンクとしてジャムウがふるまわれることもあります。

また最近では、ジャムウを売りにしたお洒落なカフェもできています。インドネシアに行く機会があれば、ぜひ現地でお試しを。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第76号 2026年6月