Job's tears; Adlay

ハトムギ

  • 植物名 ハトムギ
  • 学名 Coix lachrymal-jobivar. ma-yuen Stapf.
  • 英名 なし
  • 別名 なし
  • 科名 イネ科 ジュズダマ属
  • 近縁の西洋ハーブ なし
  • 植物 中国、インドシナ地方原産で、日本には古くに渡来し、現在は一部の地域で栽培されている。草丈約1~1.5m、花期は8~10月。9~10月に長さ8~10mm、楕円形で茶褐色の果実をつける。ジュズダマ(Coix lachrymal-jobi)の栽培品種。(文献1、2、3)
  • 使用部位 種皮を除いた種子(文献4)
  • 生薬名 ヨクイニン(薏苡仁)
  • 薬味・薬性 甘・微寒(文献5)
  • 概論

ハトが好んで食べることから名づけられ、中国では数千年前から食用にされていました。現在、煎じて飲む、炊いて食べる、肌に塗るなど、化粧品や健康食品、薬膳の分野で特に美肌効果が注目を集めているハーブです。豊富な栄養素が新陳代謝を活発にし、滋養強壮を促し、体内の老廃物排出を促すと考えられています。(文献6)

神農本草経では「上品」に記載があります。湿熱(体内にこもった余分な熱や湿気)を取り除く作用があるされ、消炎、利尿、鎮痛、排膿の目的で浮腫、リウマチ、神経痛などの漢方薬の中に今でも配合されています。民間では経験的にイボとりに利用されてきました。(文献2、3)

近年では、皮脂分泌抑制、抗炎症、抗腫瘍活性、免疫賦活、血糖降下、排卵誘発などの薬理作用研究が進み、有効成分として脂肪酸、多糖類などが推測されています(文献7、8、9)。脂肪酸エステルであるコイクセノライドの抗腫瘍効果に注目が集まりましたが、その存在を疑問視する報告も出ています。 (文献10) 。医療の分野では、イボやアトピー性皮膚炎などでの有用性が検討されています。 (文献9、11) 

果皮と種皮を除かずに焙じたハトムギ茶は、香ばしくまろやかで蒸し暑い夏場の飲み物とて親しまれています。

成分(文献4、12)

  • デンプン50~79%
  • タンパク質16~19%
  • 脂肪油7%(パルミチン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸などのグリセリド)
  • カンペステロール、スティグマステロール、
  • 多糖類
  • ビタミンB1
  • アミノ酸

適用 イボ、肌荒れ、むくみ、痛み

使用法(文献1、4)

  • 1日量10~30gを水500~600mlで煎じ、1日3回服用する。
  • 粉末の場合はは1回2gを1日3回服用する。

安全性

・同属植物のジュズダマは、米国ハーブ製品協会の安全性ハンドブックでは、クラス2bであり、妊娠中に使用しないとされている。(文献13)

【参考文献】

  1. 岡田稔監修 『牧野和漢薬図鑑』 北竜社 2002
  2. 難波恒雄監修 『和漢薬の事典』 朝倉書店 2002
  3. 鈴木洋『漢方のくすりの事典』 医歯薬出版 1994
  4. 日本公定書協会編 『第15改正日本薬局方解説書』 廣川書店 2006
  5. 荒木性次 『新古方薬嚢』 方術信和会 1972
  6. 載昭宇 中医臨床 24(3),337-338;2003
  7. 杉浦真理子ほか 臨床と研究 82(3)544-548;2006
  8. 太田康之ほか 綜合臨床 54(12)3199-3200;2005
  9. 伊田喜光、寺沢捷年監修 『モノグラフ生薬の薬効・薬理』 医歯薬出版 2003
  10. 田瑞華ほか Natural Medicine 51(3)177-185;1997
  11. 杉浦徹 小児科臨床 58(12)2195-2198
  12. ヒキノヒロシ 現代東洋医学 9 51-54;1988
  13. メディカルハーブ広報センター監修『メディカルハーブ安全性ハンドブック』東京堂出版 2001
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