2026.2.26

コショウ:料理に欠かせないハーブを学ぶ

当協会理事

木村 正典

【学名】 Piper nigrum L.

【科名】コショウ科

【使用部位】 果実

【主要成分】 精油(α-ピネン、リモネン、β-カリオフィレン)、ピぺリン

【作用】血行促進、筋肉の緊張緩和、消化機能活性化

【適応】冷え症、筋肉痛、気力の低下

代謝促進、防腐などの作用をもち世界中で多用される“スパイスの王様”

 インド原産のコショウは、東南アジアや南米などの熱帯地域が主な生産地。つる性の植物で、その果実がスパイスとして利用されます。中世ヨーロッパでは肉料理の臭み消しや防腐剤として重用され、金銀に匹敵するほどの高級品でした。シナモン・ナツメグ・クローブと共に世界4大スパイスに数えられ、世界中で様々な料理に広く用いられていることから「スパイスの王様」とも呼ばれます。
 黒コショウ(ブラックペッパー;未熟な果実を皮ごと乾燥したもの)、白コショウ(ホワイトペッパー;熟した果実の果皮をむいて乾燥したもの)、緑コショウ(グリーンペッパー;未熟な果実を急速乾燥もしくは塩漬けにしたもの)がありますが、収穫期と加工法が異なるだけで、どれも同じ植物から作られるものです。
 コショウのピリッとした辛みのもとは、ピペリンという物質で、体の代謝を高めて栄養の吸収を促したり、胃腸の調子を整えたりする働きをもちます。また血管を拡張させて血流をよくする働きもあることから、冷え症の改善や血行不良からくる肩こりや筋肉痛などにも有効です。その他にも、ダイエットやエイジングケア、生活習慣病予防など様々なシーンで健康をサポートしてくれます。

当協会理事
木村 正典 きむら まさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第74号 2025年12月