2026.2.24

薬味・スパイスの効能を活かすために

薬味やスパイスは、色・香り・辛みが豊かなほどフィトケミカルも豊富です。
効能を最大限に引き出し、よりおいしく、効果的に摂るコツを紹介します。

POINT1 
スパイスは香りが命 鮮度のよいものを選ぶ

 スパイスの最大の魅力は、香り。香りを感じる嗅覚は五感の中で最も感情を揺さぶる力が強く、よい香りを嗅ぐと心が落ち着いたり、免疫機能や自律神経が活性化したりする効果があるといわれています。この香りは、スパイスの精油(エッセンシャルオイル)に含まれます。上質のスパイスとは、鮮度がよく、香りが高い物。それを選ぶことが、おいしさや健康効果を得るための第一条件です。

POINT2
スパイスの大敵は熱、湿気、光適切な保存方法で香りを守る

 精油は揮発性のため、鮮度を保つためには保存に注意が必要です。ホールスパイスやパウダースパイスは「熱」「湿気」「光」に弱く、時間がたつと劣化していきます。そうなると香りが飛んでしまい、同時にフィトケミカルなどの機能性成分も減ってしまいます。
 スパイスの保存は密封容器に入れ、火気や熱にさらされることのない冷暗所に置くのが基本です。ただし冷蔵庫に入れると取り出すたびに温度差によって結露しやすいので、使用頻度の高い物は棚の中など常温保存のほうが適しています。
 パウダースパイスは特に香りが飛びやすいので、いったん開封したら半年くらいを目安になるべく早く使い切るようにします。自分の使用頻度を考えて少量ずつ購入し、いつも新鮮なものを使うようにしましょう。

POINT3
スパイスの香りを引き出す “テンパリング ” という手法

 香り成分であるフィトケミカルの多くは脂溶性(=油に溶ける性質)です。この特性を生かし、スパイスを油で加熱して香りを引き出す調理法を「テンパリング」といいます。加熱することで香り成分の揮発が促されて香りが立ち、スパイスが油に溶け込んで料理全体に風味を広げます。また、テンパリングを行うことでスパイスの苦味や辛さが軽減され、料理の味がまとまりやすくなります。
 ほとんどのスパイスは油との相性がよいので、ホールスパイスやフレッシュスパイスをオイルに漬け込んだ「スパイスオイル」でも有効成分を摂ることができます。

POINT4
挽く、砕く、たたくなどの手法でスパイスの香りをより豊かに

 スパイスを挽いたり砕いたりするのは、精油成分が閉じ込められている組織・細胞を破壊し、精油を空気と接触させて香りを立たせるためです。この作業は、調理の直前に行うほど効果的です。
 例えば、スパイスミルで挽いたコショウには、パウダースパイスでは得られない鮮烈な芳香があります。料理にサンショウの葉(木の芽)を添える前に手のひらで「パチン」とたたけば、香り成分が含まれている油胞と呼ばれる部分が潰れて香り成分が引き出されます。スパイスの形態に合わせて、次のような方法で香りをより豊かに立たせましょう。

● 種、実などを使うスパイスの場合
スパイスミルで挽く、乳鉢やビンの底でつぶす、砕く、スリットを入れる
● 葉を使うスパイスの場合
ちぎる、刻む、切り込みを入れる、もむ、たたく

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第74号 2025年12月