ハーブ療法の母・聖ヒルデガルトの自然学:2025年の帰天祭と日本における聖ヒルデガルトの知恵の広がり
9月17日、聖ヒルデガルト帰天祭おめでとうございます。今年はオンライン配信はありませんでしたが、以前インタビューしてくださったマイケル氏の動画がアップされました(https://www.youtube.com/shorts/S-n51OCeqCI)。また、Hildegard Speaks Film(https://www. youtube.com/watch?v=r7YLamJCX8w)も見ることができます。帰天祭の様子や聖ヒルデガルトの聖地を拝見できることを嬉しく思います。
また「ビンゲンのヒルデガルトの祈りの書BSB Clm 935」ミュンヘン旧選挙裁判所図書館蔵がデジタル化(https://www.digitale-sammlungen.de/en/details/bsb00162595)。 美しい中世の彩色です。(https://www.hildegard-akademie.de/de/)も充実の内容で、聖ヒルデガルトの知恵をシェアされています。
デュマン先生の所属する国際ヒルデガルト協会の総会も9月19日から21日、スイスのエンゲルベルクで開催され、テーマは「ヒルデガルト・フォン・ビンゲン健康的な生活のための支援」でした(https://www.hildegard-gesellschaft.org/)。 先生は「健康的な生活の基礎としての腸の健康と、ヒルデガルト療法で腸を癒す方法について」講演されたそうです。自然学にはクミン、ミント、フェンネルなどは腸を浄化するといわれています。
『未来の人材は「音楽」で育てる 世界をひらく5つのリベラルアーツ・マインド』菅野恵理子(著)アルテスパブリッシング(2018/6)では、「大いなる存在とつながるには、人間の精神、肉体、自然の調和がとれていることが大事であるー約1000年前にそう主張していた人がいる。ドイツの修道院長・教会博士ヒルデガルト・フォン・ビンゲン(1098~1179)だ。」と紹介されました。「魂は体を生かし、思考を養い、体は魂を引きつけ、思考を明らかにするのである。感覚は魂を感動させ、体を満足させる。魂は、火が闇を照らすように体に命を与えるが、それには具えている二つの主な力を用いる。知性と意志であって、これらは魂の二つの腕のようなものである。」「それゆえ、精神とともに、健康な肉体を維持することにも気を配った。薬草にも詳しく、ハーブの効能やその処方、病気や怪我の治療など、さまざまな活用の方法を知っていた。現代科学によって薬草の成分や効能が明らかにされるほど、いかにその薬草の見立てが正確だったかがわかってきている。彼女は医学書『自然の妙薬』を著し、植物や動物、草木、薬草などが潜在的にもつ力を解き明かし、その効能や処方を提案した。またいわゆるファスティング(断食)についても言及し、身体のデトックス(毒素の排出)に効くとしている。また完全断食ではなく、野菜スープ、果物ジュースおよびハーブティーを摂ることを許可している。このオーガニックでホリスティックな健康法は、まさに現代のトレンドとも合致している。」とも記されています。
音楽を聴きながら、音程を聴き取っていくエクササイズに聖ヒルデガルトの<おお、青々とした小枝よ>が採用されている(他にはスメタナの<わが祖国・モルダウ>やヨハン・シュトラウス<皇帝円舞曲>など)と。
『情操を育成する音楽』松村潔(著)説話社 (2025/3)は、西洋占星術研究の泰斗であり、またクラシック音楽愛好家でもある著者による「占星術ならびに神秘学的視点を踏まえつつ、クラシック音楽が私たち人間の感情にどのような影響と作用を与えるか、そして私たちはそれをどうとらえればいいか」について論じています。こちらにも「個人の身体と結びつき、個人的な感情を大切にするロマン派と、ずっと前の音楽がどう違うかを考えるなら、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンを聴いてみるといい。」と紹介されていました。日本でもこのように注目されていることを実感します。
今年は、9/15宇都宮ろまんちっく村での花井尚美先生主催「ヒルデガルトの聖歌を歌う」と、 16日「ヒルデガルトレシピを味わう」を担当させていただきました。会場ローズハットの音響の響きは素晴らしく、40名近い方々に「緑の力」についてご紹介し、まるで当時のように楽器プサルタリー(Psaltery)を演奏され聖歌を歌いました。
ヒルデガルトレシピは、二回目であることと現代の修道院レシピも再現ということで当時はなかったトマトや豆腐なども。デュマン先生からのアドバイスは「秋におススメの食材は、フダンソウ・にんじん・フェンネル・ブロッコリー・セロリ・ほうれん草・かぼちゃ・ビーツ・りんご・洋梨・マルメロ」と。フェンネルとりんごのタルト・鶏のガランガル煮込み・かぼちゃといんげんの蒸し煮(ヒルデガルトドレッシング添え)・喜びのクッキー・フェンネルとローズとカモミールのお茶でした。とても美味しかったです。
タルト生地は、材料(薄力粉100g、スペルト小麦50g、ひまわり油80cc、キビ糖30g、塩少々、水40~50cc)。作り方は、❶タルト生地の材料の水以外をボウルに入れ、混ぜ合わせる。その後に水を入れて混ぜ合わせ、ラップに包み、冷蔵庫で1時間ほど冷やす。❷冷蔵庫から生地を出し、1センチほどの厚さにのばし、タルト型に敷きつめる。中身はりんごや玉ねぎとフェンネルです。
本連載8回目にドレッシングレシピを紹介していますので、あわせてご覧いただけると嬉しいです。喜びのクッキーも日本の修道院製品を集めたお店で大人気のためすぐに完売するので、一日1枚と大切に頂いてます。(https://shop.sanpaolino. jp/items/117838886) 聖ヒルデガルトが大切にした緑の力で安寧とご健勝を祈ります。




初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第74号 2025年12月





