JAMHA認定資格を活かして活躍する方を紹介する有資格者インタビュー。
第2回は、さいたま市で母乳相談室を開業し、産後ケアにメディカルハーブを取り入れている市川ひろみさんにお話を伺いました。

市川 ひろみ 　ICHIKAWA HIROMI

助産師として長年病院に勤務。限られた入院生活の中では、母乳ケアにも限界があり、もっとお母様と赤ちゃんが母乳を楽しめるようにお手伝いしたいという思いから、さいたま市で「エンジェル母乳相談室」を開設。JAMHA認定ハーバルセラピストの資格を活かし、母乳ケアや産後のトータルサポートを提供。アロマやハーブボール、海外の植物療法なども積極的に学び、ケアの幅を広げている。

Q. メディカルハーブに興味をもち、資格を取得しようと思ったきっかけを教えてください。

病院勤務時代に、偶然アロマの研修のお知らせが届いたのが始まりでした。香りのもつ作用を学び、入院中の妊婦さんにユーカリの精油を使ったところ、長く続いていた咳が治まり安眠できたと喜んでいただいた経験があり、アロマの力に感動して本格的に学ぶように。そのアロマの先生がメディカルハーブの講座も行っていたご縁で、JAMHAの資格取得を目指しました。

Q. 現在、どのように資格を活かされていますか？

母乳相談室を開業し、母乳ケアを中心にボディトリートメントやハーブティーの提供も行っています。ご希望があれば、トリートメント前にハーブや精油を使ったフットバスを実施し、心身共にリラックスしていただけるようにしています。卒乳後には「ごほうび」の意味を込めて、ローズやカモミール、セージを使った華やかなブレンドティーをお出しすることも。また、当院では産後ケアとして「授乳・育児相談」「アロマトリートメント」「親子パン教室」などを行っており、どの場面でもお母様の状態に合わせたオリジナルブレンドのハーブティーを提供しています。ハーブティーをきっかけに会話が深まり、安心して帰られる方が多いですね。

Q. 特に印象に残っているエピソードはありますか？

病気を抱えたお子さんを育てているお母様が来院された時のことが忘れられません。ご自身のケアは後回しにされていたようですが、ケアの後にお出ししたハーブティーの香りや色、味わいに心を動かされ、「自分もハーブを学んでみたい」と話してくださいました。ハーブティーが、閉じこもりがちだった気持ちを少しでも解きほぐすきっかけになったのならうれしいです。

Q. 資格を取得してよかったと感じることは何ですか？

自信をもって提案できるようになったことですね。授乳中でも安心して飲めるハーブであることをきちんと説明できると、お母様たちも安心されます。また、日常の体調管理にも役立っています。かぜのひき始めにはチンキを使ったり、うがいや入浴にも活用したり。勉強を通して得た知識をまず自分で体験し、そこで得た実感をもとに、お母様たちへのケアにつなげています。

Q. 現在、大切にされていることや、今後挑戦してみたいことがあれば教えてください。

産後は、赤ちゃん中心の生活になりがちで、自分のことはつい後回しにしてしまう方が多いと思います。外に出る機会が減り、人との交流も少なくなる中で、お母様たちが少しでも「自分に戻れる時間」をもてるように、ハーブティーやマッサージ、パン教室など、様々なケアを提供しています。「ここに来て話せてよかった」「ちょっとほっとしました」と言ってもらえる時間が、私にとっても大切で。そう感じてもらえる場所を、これからも変わらず続けていきたいと思っています。

また、最近は海外の植物療法にも触れる機会があり、現地で学んだマッサージやハーブの使い方を、自分のケアや助産院のケアに少しずつ取り入れ始めています。今後は、そうした知識を活かして、ハーブやトリートメントのワークショップなども開催していけたらと考えています。

Q. これから資格取得を考えている人に対してのアドバイスをお聞かせください。

資格取得は、ただゴールに向かって進むだけでなく、学びの中で自分自身への理解も深まっていく時間です。最初は不安もあるかもしれませんが、「学んでよかった」と思える日がきっと来ます。少しでも興味があれば、その気持ち、大切にして進んでみてくださいね。応援しています。