2025.5.28

池兄と巡る、自生する日本のハーブ探索会

日程:2025年3月12日(水)
会場:国立科学博物館附属 自然教育園
メディカルハーブコーディネーター 中村淑子

はじめてイベントに参加させて頂きました。
この自然教育園は室町時代の豪族の館にルーツをもち、高松藩の下屋敷を経て長く人の出入りが制限されてきたからこそ残された、とても豊かな自然環境の貴重な場所と伺いました。珍しい花々を含むたくさんの植物に触れられ、本当に充実の、楽しい観察会でした。

池村国弘先生の、溢れ出る知識と楽しい説明トークに惹きつけられながら、花の内側だけ網目模様のついたアミガサユリ(バイモ)、早春植物のニリンソウとイチリンソウとの見分け方を教わりました。蕾をつけたカタクリ、キンミズヒキ、花茎がアイロンしたように平らなノシラン、四国の自生植物であるトラノオスズカケ(園内では2007年に75年ぶりに再発見されたとのこと)など、次々と観察が続きます。


コナラの木の下で、初めて見たどんぐりの可愛らしい発芽の姿には感動で、多くの方々から、かわいいー!と歓声があがっていました。また、キジョランの丸い葉には穴が開いていましたが、それは、アサギマダラなどの蝶の幼虫が食べた穴で、毒性のあるキジョランを食べて自らを有毒化し、鳥などの外敵に食べられないよう身を守るという生存戦略だという話も聞くことができ、興味深かったです。

当日は、木村先生も同行くださっており、両先生から様々な解説を聞けたことも幸運でした。木村先生が、お持ちになっていたルーペを通して、ミカン科のコクサギの葉を見せてくださいました。葉に、精油の集まる白い粒々の油室がたくさんあるのを初めて観察でき、感動しました。ミカン科の山椒の葉をお料理にのせる時、手のひらで叩いて香りが弾き出るのも同じ油室かな、など、想像が膨らみました。

これから咲く花々を含め観察した植物の季節ごとの姿を見たく、この自然教育園を再度訪れたくなりました。池村先生、木村先生、企画の皆様、貴重な観察体験をありがとうございました。