2025.12.2

北海道の自然と伝統に触れる和紙作りワークショップ

日程:2025年9月9日(火)
会場:蝦夷和紙工房 紙びより
ハーバルプラクティショナー 佐藤幸江

北海道に住んでいると、日本の伝統に触れる機会や情報が少ないと感じるのは私だけでしょうか。和紙の素朴さや温もりを理解していながらも実際体験する機会は得られてはいませんでしたが今回、東野早奈絵先生による和紙作りワークショップに参加することが出来ました。

福井県越前市で修行された後、北海道で和紙文化を根付かせたいという想いで活動を始められたそうです。和紙作りの主要植物が、こうぞ、みつまた、がんぴ、が三大植物という事で、北海道には自生しておらず、それに代わる植物での取り組み、工夫をされていました。最初に、和紙が出来上がるまでの手順や歴史を勉強しました。中国から1500年前に和紙が伝わった事、冬の時期の植物の刈込み、枝を蒸す、皮を剥ぐ、内皮を煮る、洗う、叩いて繊維をほぐすという段階を経て、ようやく紙すきです。

こんなに手間と時間がかかる和紙作りの伝統を守られてきた職人さんに畏敬の念を抱きます。セラピストコースで「パピルスの文書」という医学書について、メディカルハーブの歴史で勉強しますが、パピルスと言う植物の茎の繊維で作った紙が紙の元祖(ペーパーの語源)というお話を東野先生から聞くことが出来、紀元前に用いられていた植物が今日に至っても大切な言葉として残されている事を嬉しく思いました。

ワークショップでは水の中で繊維をほぐすところから始めました。

トロロアオイという植物を少量入れ、粘りを出し、紙すきをしました。スタッフさんが用意をしてくれたハーブの押し花で飾り付けをするところが、皆さん工夫されていて、見ていて楽しめました。オヒョウニレの繊維を少量加える事で茶色い繊維が混ざり、味わい深さが出ます。その後。脱水、貼り付け、乾燥で仕上がりです。出来上がりを手に取ると、和紙のぬくもりとほんのりハーブの香りがします。今回の講座で日本の伝統に触れ、知らなかった植物を学び、オヒョウニレを知る事で、アイヌ文化にも少し触れる事が出来ました。

東野先生、JAMHAのスタッフの皆さん、蝦夷和紙工房 紙びよりのスタッフの皆様、そして植物の勉強で出会った皆さんありがとうございました。

飾り用モチーフ押し花
モチーフ飾り付け
脱水しました