ショウガの効果・効能

ショウガは1年中出回っていて、フレッシュなものを手に入れやすいハーブ。
お腹の不調や冷えの改善をはじめ、代謝アップやダイエットにも役立ちます。
01.|体を温める
辛味成分は、血行を促進して体を温める作用をもちます。特に生のショウガを加熱すると、ジンゲロールの一部がショウガオールに変化して体の深部から温める作用が高まるため、冷え症の人や胃腸の冷えからくる腹痛や下痢などに効果的です。生のショウガは一時的に体を温めますが、発汗を促して深部体温を下げるので、摂り過ぎると逆に体を冷やしてしまう可能性もあります。

02.|食欲を増進し、消化吸収力を高める
生のショウガにはジンゲロールが多く、加熱したものより胃腸を整える作用が高いとされます。胃腸がスッキリしない時や少し吐き気を感じる時などは、生のショウガがおすすめです。ただし、刺激が強いので胃腸の弱い人は1度に多量に摂らないようにしましょう。
03.|殺菌作用で菌の増殖を防ぐ
ジンゲロールや、ジンゲロールの一部が加熱によって変性したジンゲロンには強い殺菌作用があり、食中毒の予防に有効です。お寿司に添えられるガリ(ショウガの甘酢漬け)には、生魚による食中毒を予防する意味もあります。
04.|脂肪を燃焼させる
ショウガオールには、血行を促進して体を温め、基礎代謝を高める効果があります。これにより、体内で脂肪が効率よく燃焼されやすくなります。最近の研究では、生のショウガに多く含まれるジンゲロールにも、脂肪の蓄積を抑える作用があることが報告されています。
05.|炎症を抑える
ジンゲロールやショウガオールには抗炎症作用や鎮痛作用があり、のどの痛みや肩こり、腰痛、関節痛、神経痛などを和らげてくれます。慢性リウマチなどの自己免疫疾患に関連する炎症のコントロールにも効果が期待されています。
TOPICS |妊婦さんの“つわり”ケアにもショウガを
ショウガの効能の1つに吐き気を抑える「制吐作用」があります。そのためショウガは、乗り物酔いや抗がん剤の副作用として起こる吐き気の緩和にも用いられています。また、妊婦さんの“つわり”に対しても使用されてきた歴史をもち、漢方薬では、つわりによる吐き気や悪心(気持ち悪さ)を止める処方にショウガが配合されています。この場合、用いられるのは非加熱の「生姜」のほうで、加熱した「乾姜」よりも吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状を抑える作用が優れています。
ショウガをティーで摂るなら、消化管の働きを整えてくれるペパーミントとのブレンドがおすすめです。ミントはスーッとした香りで気持ちもクリアにしてくれます。さらにレモンを加えると飲みやすくなります。他にもショウガ湯や、紅茶にすりおろしたショウガを加えたものを飲んでもよいでしょう。ただし生のショウガは刺激も強いので、飲み過ぎには注意を。1日にすりおろしたショウガを小さじ1杯分ほど摂ると、つわりの症状が軽くなったという報告があります。つわりがつらい時、ぜひお試しください。
初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第71号 2025年3月