2026.6.18

まずはホルモンリズムを知ることから PMSと上手につき合う

PMS(月経前症候群)をはじめ、月経不順や月経痛など月経にかかわるトラブルには、エストロゲン、プロゲステロンという2つの女性ホルモンの増減がかかわっています。
その働きを正しく理解し、ホルモンリズムに合わせた適切なセルフケアを取り入れましょう。

Check List

月経前に次のような症状が現れる場合はPMS(月経前症候群)の可能性があります。

  • イライラする
  • 気分が落ち込む
  • 顔や体がむくむ
  • 乳房が張る・痛む
  • 下腹部が張る・痛む
  • 体がだるくなる
  • ニキビや肌荒れが起こる
  • 便秘ぎみになる
  • 食べ過ぎてしまう

女性の健康に大きくかかわる2つの女性ホルモンとは

女性の健康には、エストロゲン(卵胞ホルモン)、プロゲステロン(黄体ホルモン)という2つの女性ホルモンが大きくかかわっています。これらは脳からの指令を受けて卵巣から分泌されます。

エストロゲンは妊娠しやすい体にするホルモンで、女性らしいふくよかな体つきをつくり、妊娠に備えて子宮内膜を整えます。同時に、肌や髪の潤いを保ち、骨を丈夫にし、血管をしなやかに保つなど女性の体を守る様々な働きをしています。さらに、気分を明るくしたり、精神を安定させたりするなどメンタル面の健康にも寄与しています。

一方、プロゲステロンは妊娠を維持させるように働くホルモンです。主に排卵後に大量に分泌され、栄養や水分を体に蓄えたり、体温を上げたりすることで赤ちゃんが育ちやすい子宮環境を守ります。

女性の体は、これら2つの女性ホルモンの影響を受けながら、約1カ月の周期で変化します。月経のようにはっきりと分かる変化以外にも日々体は変化し、体調だけでなく心理状態の変化も経験するのが一般的です。

プロゲステロンの増加で起こるPMS 症状の現れ方や程度は人により様々

「PMS(月経前症候群)」は、月経の2週間〜10日ほど前から心身に様々な不調が起こるものをいいます。この時期は排卵を機にプロゲステロンの分泌が増加。プロゲステロンは妊娠を維持するために働くホルモンなので基礎体温が上がり、代謝が滞って体にいろいろなものをため込みやすくなります。

PMSの主な症状に、むくみ、乳房の張り、下腹部の張り、便秘、肌荒れ、過食、イライラ、落ち込みなどがあります。PMSというほどでなくても、月経前はプロゲステロン増加の影響でだるさや眠気、体重増加などが現れやすくなります。これらの症状は、月経が始まれば消失するのがPMSの特徴です。

症状の現れ方や程度は個人差が大きく、これといった不調を感じない人もいれば、毎月のように生活に支障を来すほど重い人もいます。PMSの訴えの中でも特に深刻なのは、精神症状です。気持ちが不安定になり、些細なことでイライラして仕事でトラブルを招いてしまったり、パートナーから理解されずに“単なるわがまま”と思われてしまったりして悩むケースは少なくありません。 

ストレスや生活習慣の乱れでPMSの症状が強く出ることも

PMSは、精神的ストレスが加わると症状がよりつらく感じられます。PMSで悩んでいる人は月経が近づくこと自体がストレスになるので、ダブルパンチでいっそう症状が悪化しがちです。また、冷え、睡眠不足、過労、不規則な生活、栄養バランスの悪い食事、多量の飲酒、喫煙などもPMSを強くする原因になり得ます。PMS対策としては、日ごろの生活の中で、これらの要因をできるだけ改善していくことが大切です。

ただし、毎月のように生活に支障を来すほど症状が重い場合はがまんせず、婦人科に相談しましょう。PMSをはじめ月経のトラブルに対しては、漢方や低用量ピルを用いた治療がかなり有効です。こうした治療に詳しい医師を探し、受診するとよいでしょう。

女性ホルモン周期

月経終了後から排卵までの「卵胞期」はエストロゲンの分泌が高まり、心身共に好調な時期。排卵を機にプロゲステロンが増えてくる「黄体期」に入ると、心身の不調を感じやすくなります。特に2つのホルモンが急激に低下する月経前(黄体期後期)には様々な不快症状が現れやすく、こうした症状は「PMS(月経前症候群)」と呼ばれます。

PMSの主な症状

  • イライラ・怒りっぽい
  • 情緒不安定
  • 肌荒れ・ニキビ
  • 腹痛・お腹の張り
  • 無気力感・落ち込み
  • 食べ過ぎ

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第75号 2026年3月