2025.5.28

野草研究家 山下智道先生と行く多摩川台公園観察会

日程:2025年4月6日(日)
会場:多摩川台周辺
ハーバルセラピスト 森安めぐみ

私にとっては懐かしい場所でのイベント、好きな桜と草木が見られるかもという軽い気持ちで参加しました。この日は午後から雨予報の花冷えのする曇り空でした。講師はハーブ王子こと山下智道さん。そして、池兄こと池村国弘さんもこのツアーに参加してくださいました。アテンドしてくださった濱田さんがこれはすごいことですと。ツアーが始まる前から参加者全員が興奮気味でスタートしました。

当初、多摩川台公園での観察会でしたが事前調べで整備されすぎているとのことで、隣接する田園調布せせらぎ公園での観察会となりました。

田園調布せせらぎ公園の入り口で自己紹介が始まり、静岡県や栃木県など遠方からの参加者もいらして、この観察会と野草と講師に向ける熱い思いを感じました。

いよいよ、野草の観察が始まると山下先生は、ぺんぺん草のナヅナは不眠症に良いです、抗炎症があります、タネツケバナの葉っぱは美味しい、サラダにおすすめ、カラスノエンドウはスーブが美味しい、豆科の植物は加熱してくださいと、野草の名前と科名、扱い方がすらすらと出てきて驚きました。私も他の参加者も、写真を撮る、メモをとるのが追い付かないほどでした。まだ、公園にも入っていないのに、馬酔木の毒はグラヤノトキシン、ミツマタはクマリン配糖体の毒、あの沈香に似た上品な香りの沈丁花にも毒があることを知りました。そういえば、ついこの前、花屋さんでミツマタの独特な香りに気分が和らぎ、切り花として自宅に飾ったばかりでした。まさか、毒があったとは。山下先生は毒にも興味をお持ちのようでした。毒を知らないと野草を見つけても食べて良いものなのか、区別がつかないので非常に大事なことだと思いました。この時、私たちはまだ園の入口にいて先に進む気配もありませんでした。

それでもアテンドの濱田さんがハーブ王子の扱いに慣れていて上手に促してくださり、少しずつ園内を巡ることができました。この誌面には書ききれないほどの情報量です。山下先生が見せたい桜がありますと最後に案内してくれたのは、多摩川台公園の桜の木2本。日本の桜の原種であるオオシマザクラとエドヒガンです。この二つが交配してできたのがソメイヨシノです。白っぽい花と葉と共に咲き出すオオシマザクラとピンク色のエドヒガンが見事に競演していました。年に一度しか見ることができない桜。精一杯咲きほこったかと思えば、見事に一斉に散りゆく姿が、とても美しくも儚く、多くの人を魅了する理由が理解できます。山下先生は、桜の真ん中が濃いピンク色になっていると受粉が終わっていますと教えてくれました。そうそう、次の日の天気予報で桜の真ん中がピンクになっている桜とそうでない桜はどちらが散り際でしょうかと視聴者に質問をされていました。おそらく、このツアーに参加された方は全員正解でしょう。

 野草研究家 山下智道先生と行くツアーは、知らないことを知る楽しみが増えるツアーです。野草への熱い思いが私たちの心までも熱くしくれました。私は、山下先生の書籍を数冊、購入して次回のツアーに向けて知識を深めていきたいと思います。