2025.12.8

2026年2月1日 第12回学術フォーラム『発達障害に対する東と西の植物療法』

 発達障害に対しては本人の特性に応じて心理・社会的治療や環境調整、薬物療法などが試みられています。そうしたなかで生薬や漢方、それにアロマセラピーなど植物の機能性を活かしたケアのあり方に期待が高まっています。今回の講座にお招きする藤原博典先生はモデル動物を用いた発達障害の発症機序および和漢薬の治療効果の解析など
に取り組まれてきた研究者です。一方の久保浩子先生はアロマセラピーの臨床、教育、研究に携わりながら発達障害児の支援にアロマセラピーを取り入れた「療育アロマ」を実践されています。お二人の研究を振り返りながら発達障害に対する東と西の植物療法の可能性について学んでいきたいと思います。

実施概要

  • 行事名:第12回学術フォーラム
  • テーマ:『発達障害に対する東と西の植物療法』
  • 日時:2026年2月1日(日) 13:00~17:00
  • 開催方法:オンライン(1か月の録画配信あり)
  • 参加費:JAMHA会員:2,200円/一般:3,300円/学生:無料(要学生証提示)
  • 定員:300名
  • 申込締切:2026年1月28日(水)15:00
  • 注記
    • 上記期日までにお申込みをされた皆様に、当日のウェビナーURLをお送り致します(開催3日前~前日頃配信)
    • 申込締切後のお客様都合によるキャンセル・返金は致しかねます。
    • 本フォーラム終了後にアーカイブの準備が整い次第、ご視聴案内をお送り致します。
    • JAMHA会員の方はログイン後に本商品価格が割引で表示されます。

プログラム

  • 13:00〜13:10 JAMHAからの挨拶
  • 13:10〜14:20 Program1.藤原 博典(医療創生大学薬学部准教授)
    • 「発達障害に対する治療薬開発における生薬・漢方薬のリポジショニング」
  • 14:20〜14:30 質疑応答
  • 14:30〜14:40 休憩
  • 14:40〜15:50  Program2.久保 浩子(Hiro Nature 代表)
    • 「発達障害支援のためのアロマセラピー」
  • 15:50〜16:00 質疑応答
  • 16:00〜17:00  Program3.パネルディスカッション
    • 〔進行〕林真一郎(当協会理事長)

講演概要

藤原 博典(医療創生大学薬学部准教授):発達障害に対する治療薬開発における生薬・漢方薬のリポジショニング】

 発達障害は、主に幼小期に発症する知的障害を伴わない発達障害の総称であり、自閉症スペクトラム障害(ASD)などが含まれます。ASD は、社会性の低下や常同行為等を特徴とし、これらの異常行動によって、罹患者は社会的コミュニケーションをとることが困難となります。その結果、ひきこもりや孤立化などの社会問題に発展していくとされます。しかし、ASD に用いる安全かつ有効な薬物は乏しく、新たな治療薬の開発は喫緊の課題とされています。これに対し、古来より用いられてきた生薬・漢方薬は、比較的安全性が担保されている上に未だ薬理作用が解明されていない薬効も多く存在しており、いわゆる生薬・漢方薬のリポジショニングがこれからのASD治療戦略にとって重要な鍵を握っていると考えられます。
 本講演では、私がこれまで行ってきたASDモデル動物を用いた研究を中心に、発達障害に対する生薬・漢方薬の新たな可能性について紹介したいと思います。

久保 浩子(Hiro Nature 代表):発達障害支援のためのアロマセラピー
 発達障害は、脳機能の発達に関わる先天的な障害で、感覚過敏や自律神経の乱れなど、日常生活にさまざまな困難を伴います。私たちは2015年より、児童発達支援・放課後等デイサービスの現場で、発達障害児の支援にアロマセラピー(芳香療法)を取り入れた「療育アロマ」の実践を続けています。
芳香浴による緊張緩和、精油を用いた手浴・足浴による自律神経の調整、香りを活かした感覚統合支援などを通して、子どもたちの安心感や集中力、自己コントロール力の向上がみられました。
香りとタッチングを組み合わせたアロマセラピーは、子どもたちだけでなく、保護者や支援者にも穏やかな変化をもたらします。
 本講演では、その具体的な取り組みと効果、そして今後の支援への展望についてご紹介します。