2023.1.21

薬用植物園見学会in京都 〜武田薬品工業京都薬用植物園〜

ハーバルセラピスト

猪股優希

日程:2022年5月10日(火) 会場:武田薬品工業京都薬用植物園

2022年5月10日、初夏の気持ちよいお天気の中、京都薬用植物園での見学会に参加させていただきました。「生きた薬草の博物館」と言われるほど様々な植物がある、普段は足を踏み入れることのできない植物園とのことで、ワクワクしながら現地へ向かいました。

元々は研究所として設立され、現在の面積は東京ドーム約2個分、保有・栽培されている植物は約3,200種(うち薬用植物2,000種、絶滅危惧種246種)にもなる植物園。どんな植物に出会えるのか期待に胸を膨らませつつ、3つのグループに分かれて見学がスタートしました。

まず初めに、なじみのあるメディカルハーブが出迎えてくれたのですが、管理の仕方がとても特徴的で印象に残っています。

ミントはミント、ラベンダーはラベンダーと分けて栽培管理されていて、品種ごとの観察・比較がしやすく、メディカルハーブについて学びを深めたい方にとって最高の環境でした。ご厚意で「ちぎって香りを楽しんでくださいね」とお声がけくださったので、ペットボトルの水を即席のハーバルウォーターにするなど、目だけでなく舌も楽しませてもらいました。

また、今回ぜひ見たいと思っていた生薬の元となる植物にもたくさん触れることができました。

ガイドの方がその場で「キハダ」の樹皮を剥いでくださり「噛んでみてください」と、またまた体験タイム。ただお話を聞くだけでなく、五感を使って体験できるのが見学会の醍醐味だなと思いました(キハダは常備している漢方胃腸薬に含まれている生薬だったので、興味本位で噛んでみましたが、やはり苦く、すぐさまハーバルウォーターで喉を潤しました)。

体質改善のために漢方を飲んでいたことがある私にとっては、漢方処方園も印象的でした。ここには各種漢方の生薬の元となる植物が、寄せ植えの状態で栽培展示されています。

以前飲んでいた「当帰芍薬散」の中に含まれている植物たちが、仲良く寄せ植えされている姿を見たら、植物が力を合わせてサポートしてくれていたことを実感し、感慨深い気持ちになりました。

遠方から初めてのイベント参加でしたが、メディカルハーブや生薬について、学術的に管理された植物園を見学でき貴重な時間となりました。引き続き、日々の暮らしの中で植物への理解を深めつつ、また時間をつくって見学会に参加させていただきたいと思います。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第62号 2022年12月