2025.11.27

ハーブで減塩レシピ:チキンとフェンネルの夏グラーシュ(シチュー) 〜スペルト小麦と雑穀のターメリックリゾット添え〜

ハーブ野菜、フローレンスフェンネル。スペルト小麦やスパイスの風味と相性がよく、
スープやソースに使えばコクが出て減塩にもおすすめです。
これから収穫の時期ですので、ぜひ一度試してみてください。

材料(4名分)

[チキンとフェンネルの夏グラーシュ(シチュー)]

フローレンスフェンネル (1株(約400g)/乱切り)
葉(大さじ2/みじん切り)
鶏むね肉(1枚(約300g)/1口大)、ミニトマト(12粒)
玉ねぎ(1個/みじん切り)、にんにく(1かけ/粗みじん)
フェンネルシード※1(大さじ2/みじん切り)
水溶き片栗粉(片栗粉と水各大さじ1)、黒こしょう(少々)
ローリエ(2枚/ドライ)、トマトペースト(大さじ2)
※トマトペーストは大さじ1でトマト約1個半分を煮詰めた量にあたります
  スープストック(300cc)、塩麹(大さじ1)
★ シードスパイス酒(50cc)
  シードスパイスオイル(大さじ2)

[スペルト小麦と雑穀のターメリックリゾット]

スペルト小麦※2と雑穀(あわせて1合/雑穀は玄米や
もち麦などお好みで)、★塩麹(小さじ1)
ターメリック(小さじ1/粉末)、ローリエ(1〜2枚/ドライ)
シードスパイスオイル・シードスパイス酒(各大さじ1)
★スープストックまたは水(600〜800cc)

※1 フェンネルシード(果実):消化を助け、胃腸に溜まったガスを取り除くことで、消化不良や便秘、お腹の張りを和らげます。/※2 スペルト小麦:小麦の原種といわれるスペルト小麦は、厚い皮殻に守られているため、化学物質や害虫の影響を受けにくく、無農薬栽培がしやすい強健な穀物です。ヒルデガルトがこよなく愛し、その薬効を記しています。温の性質をもち、身体を温め、消化を助け、力を与えると伝えられています。
※本レシピには蒸留酒を使用しているため、アルコールに弱い方は量を調整してください。

作り方

[事前準備]

★シードスパイスオイルと★シードスパイス酒(蒸留酒)…セリ科のシード(フェンネル、キャラウェイ、アニスなど)をひまわり油など好みの植物油と蒸留酒にそれぞれ浸け込む。1週間ほどで香りが出る。目安:100ccに対してスパイス大さじ2。好みで鷹の爪や黒こしょうを入れると保存性が増す。使用時は濾しますが、そのままでも使用可。

★スープストック…玉ねぎ1/2個、にんじん1/2本、じゃがいも1個、にんにく1かけはすべて皮ごとザク切り。水1ℓ、白ワイン50cc、ブーケガルニ(セージ、ローズマリー、タイム、ローリエ、セロリ、イタリアンパセリなどを束にしてタコ糸で縛る)と鍋に入れ、火にかける。沸騰後、約1時間煮込む。濃いめにできるので、水で割って使用できる。

★塩麹…瓶(300ccほど)に塩麹100g、塩25g、水150㏄を入れる。一日常温で保管し、その後は冷蔵庫にて保存。1週間程で使える。粒が気になる場合は、ブレンダーで滑らかにする。

2種類のでき上がりが同時になるよう作ります。

❶雑穀類は洗い、1時間ほど水に漬ける。鶏肉に塩麹と黒こしょうをまぶし20分ほど置く。フローレンスフェンネルの株を縦に割り、芯は取り除き、繊維に垂直に1.5cmほどに切る。

❷鍋にシードスパイスオイルとにんにくと玉ねぎを入れ、火にかけ炒める。香りが立ったら鶏肉を加え軽く炒め、トマトペーストとフローレンスフェンネルの株を加え混ぜ合わせる。シードスパイス酒とスープストックを加え20分ほど煮込む。ミニトマトとフェンネルの葉を加えて5分ほど煮る。水溶き片栗粉を加えて、混ぜ合わせ火を止める。

❸②の煮込みの間にリゾットをつくる。フライパンにシードスパイスオイル、スペルト小麦類を入れ軽く炒め、塩麹を加えて混ぜ合わせる。ターメリック、シードスパイス酒と半量のスープストックを加えて、弱火で煮込む。途中、水分がなくなるのでスープストックを足す。雑穀の表面が柔らかくなり芯が残っている状態になれば、でき上がり。時間がたつと水分を吸って固まるので、その際は水を足す。

❹大きめの皿にグラーシュを盛り、横にリゾットを添えフェンネルの葉を飾る。

[栄養成分](1人分・日本食品標準成分表8訂の計算による推定値)
※シードスパイス酒の蒸留酒にウオッカを使用した場合
シチュー…カロリー343kcal、たんぱく質17.5g、脂質19.5g、炭水化物18.8g、食塩相当量0.1g/リゾット…カロリー257kcal、たんぱく質6.2g、脂質5.0g、炭水化物43.9g、食塩相当量0.0g

[食塩摂取量の話]2025年版の日本人の食事摂取基準では、成人の1日あたりの食塩摂取目標は男性7.5g未満、女性6.5g未満とされています。日本の食事は塩分を多く含む傾向があるため、日々の摂取量に注意が必要です。

エコロジカルハーバリズム(食)講師養成特別講座

日本メディカルハーブ協会では、減塩やオルタナティブシュガー、旬の調味料作りなどにも取り組むエコロジカルハーバリズム(食)講師養成特別講座を今年度末から実施を予定しています。

レシピ制作:エコロジカルハーバリズム委員 つちや よしこ
レシピ監修:山崎 博美

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第72号 2025年6月