植物園めぐり:水戸市植物公園(茨城県水戸市)

2021年の再整備で観賞大温室中庭にクジャクのトピアリーを設け、ピーコックガーデンを新設。特設デッキから記念撮影をどうぞ。
水戸市植物公園(茨城県水戸市)
寒さが少しずつ和らぎ、色とりどりの花々が芽吹く季節がやってきました。穏やかな日差しを浴びながら植物を眺めに出かけてみませんか。
「自然美」と「人工美」2つの美を楽しめる植物園
昭和62年に開園した水戸市植物公園。同じ水戸市にある偕楽園が和の庭園であるのに対し、水戸市植物公園は洋の庭園という位置づけで、テラスガーデン、観賞大温室、熱帯果樹温室、植物館、芝生園、ロックガーデン等で構成されています。周辺の自然にあわせて野草を植えたり、水面を多く取り入れ水の流れを作り出したりするなど、自然美と人工美の2つの美が調和した景観が大きな特徴で、四季折々の花や風景が楽しめます。また、温室では、1年を通してブーゲンビレアやアリストロキアなどの熱帯・亜熱帯の花々や、バナナなどのフルーツを見ることができます。

空間を花で飾る「花の滝」(上記写真)は球根ベゴニアやポインセチアなど、季節によって変わります。
薬草文化の普及・啓発を担う「水戸 養命酒薬用ハーブ園」
「水戸 養命酒薬用ハーブ園」は、水戸市と養命酒製造株式会社が締結した「薬草を活用した官民協働事業に関する協定」により、平成29年4月にオープンしました。ハーブ園は、ハーブを五感で楽しむ「ハーブガーデンエリア」と、古くから伝わる薬草を学ぶ「江戸時代の水戸藩にまつわる薬草エリア」から構成されています。薬草エリアでは、水戸黄門こと徳川光圀がまとめさせた日本最古の家庭療法の本『救民妙薬』に載っている薬草を中心に約50種類の薬草が栽培されています。

ハーブ園のシンボルツリーとしてそびえる薬木「キハダ」。江戸時代の妙薬No.1と言われる。

料理などへの活用目的にハーブを試験的に栽培する「トライアルガーデン」。5月はロサ・ガリカが見頃に。
水戸市植物公園 主施設紹介
オーバーブリッジ
お客様を最初にお迎えするウェルカムガーデン。初夏はつるバラ“モーティマー サックラー”が空間を花でいっぱいにします。バラだけではなく、葉色が美しいリュウノヒゲ“黒竜”や球状の花が人目をひくアリウムなどを組み合わせた、綿密な花壇計画のもとに作られます。

テラスガーデン
5月前半はジキタリス、後半はイングリッシュローズやキングサリが咲くガーデンです。草花の組み合わせと配色はご家庭のガーデニングで、参考にしていただきたいヒントにあふれています。

温室
熱帯植物の美しさ・楽しさを体感できる観賞大温室と、薬用や美容などに効果が期待できる熱帯のハーブなどが観察できる熱帯果樹温室があります。

湿生花園
園内の最奥部に、中国原産で縁起が良い木とされるスイショウ(水松)があります。水辺付近の根が隆起した気根が観察できるラクウショウ(落羽松)、外見が類似したメタセコイアが観察できます。

芝生園・ロックガーデン
設計者がこだわった広い芝生と、県内の採石場で石を選び配した御影石のロックガーデンです。周囲には開園当時に人気があったコニファー類が植えられています。

Information
水戸市植物公園
住 所 : 〒310-0914 茨城県水戸市小吹町504
T E L : 029-243-9311
営業時間 :9時00分〜17時00分(入園は16時00分まで)
休 園 日 : 毎週月曜日(月曜日が祝日・振替休日のときは、翌平日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
入 場 料 : 大人300円、小中学生・県央地域に居住する60歳以上の方150円、なお未就学児は無料、団体(30名以上)の場合、大人250円、小中学生・県央地域に居住する60歳以上の方100円
駐 車 場 : あり
※詳細はホームページをご確認ください。
https://www.city.mito.lg.jp/site/mito-botanical-park/

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第71号 2025年3月