2021.12.19.

【心と体のマネジメント】ストレスのメカニズムとケア

いりたに内科クリニック院長

入谷栄一

「ストレス社会」といわれるように、現代人の多くがストレスを抱え、 そこから現代ならではの様々な問題や病気が生まれています。

時間に追われたり、対人関係に悩んだり、将来に不安を感じたりといった毎日が、知らないうちにストレスをため込み、心と体のバランスを崩しやすい状況をつくっているのです。 ストレスをいかに上手にマネジメントしていくかは私たちが心身の健康を維持していく上での要といえます。 ストレスとしっかり向き合い、よりよい対処方法を探っていきましょう。

相手を知って、上手につき合うために

ストレスと向き合う

心身の不調のほとんどにストレスがかかわっているといわれます。 健康で生き生きとした毎日を送るために、ストレスとは何か、 なぜストレスが不調を引き起こすのかを知り、上手な対処法につなげていきましょう。

現代人は逃れられない? そもそもストレスって何 ?

「ストレス」という言葉はもともと物理学の分野で使われていたもので、外部からの刺激によって内部環境にゆがみが生じた状態を指します。

医学や心理学の領域では、この外部からの刺激を「ストレッサー(ストレス要因)」と呼び、その結果起きた反応のことを「ストレス反応」と呼んでいます。

ストレッサーにはメンタルなものだけでなく、暑さ、寒さといった環境的なものや、病気やけがなど身体的なものもあります。生活環境が整備された現代では、社会的・心理的ストレッサーに起因する精神的なストレスの比重が大きくなっているのが特徴です。

また、ストレスと聞くと、嫌なことや辛いことが連想されがちですが、結婚、出産、昇進、進学といった、本来は喜ばしいできごとがストレスの原因となることもあります。

日常生活で起こるいろいろなかたちの「変化」がストレッサーになり得るのです。

ストレッサーとは…

ストレスを引き起こす要因を「ストレッサー」と呼びます。私たちは日々様々なストレッサーに囲まれていますが、それがストレス反応として現れるかどうかは、人それぞれの受け取り方やストレス耐性に
よって異なってきます。

環境的ストレッサー

暑さ、寒さ、湿気、騒音、におい、人混み、自然災害など

身体的ストレッサー

病気、けが、過労、睡眠不足、 加齢による体力の低下など

社会的ストレッサー

仕事や家庭の問題、異動、転居、離婚、身近な人の死など

心理的ストレッサー

緊張、不安、悲しみ、喜び、 自分に対する評価など

いりたに内科クリニック院長
入谷栄一 いりたにえいいち
総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医。東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師。 在宅診療や地域医療に力を入れる他、補完代替医療やハーブ、 アロマに造詣が深く、全国各地で積極的に講演活動も行う。 著書に『病気が消える習慣』、『キレイをつくるハーブ習慣』(経済界)など。当協会顧問。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第58号 2021年12月