2021.3.24.

腸の健康を考える-腸内細菌に注目!-(2)腸内環境に影響するものは ?

いりたに内科クリニック院長

入谷栄一

腸内細菌のバランスは、年齢や生活環境によって刻々と変化します。腸内環境に影響を与える要因を知り、健康的なバランスを保つためのヒントにしましょう。

誰でも加齢と共に 腸内環境が悪化する傾向が

加齢
腸も年齢と共に老化し、悪玉菌が増えて腸内環境が悪化する傾向があります。善玉菌の代表格であるビフィズス菌が腸内に最も多く存在するのは生後1週間くらいの頃。この時、腸内細菌の95%以上をビフィズス菌が占めています。離乳食が始まるとその割合は徐々に減少していき、成人では約10〜20%に。高齢になるとさらに減少し、代わりに若年では少なかったウェルシュ菌などの悪玉菌が増えていきます。

高齢者で下痢や便秘など腸の不調を抱える人が多いのは、こうした腸内環境の 悪化が原因と考えられています。しかし、生活スタイルの見直しによって善玉菌の割合を増やし、悪玉菌を抑えて腸内環境をよりよい状態に整えていくことは可能です。

食生活の変化やストレスで現代人の腸内環境は乱れがち

食生活
腸内細菌は食事で摂った食べ物をエサにしているため、毎日の食事は特に腸内環境に大きな影響を与えます。例えば高脂肪、高タンパクに偏った食事は悪玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを崩す原因に。食事の内容だけでなく、暴飲暴食、不規則な食事、常に食べ物を口にする「ちょこちょこ食い」などの食べ方も腸に負担をかけ、腸内環境の悪化を招きやすいので注意が必要です。

ストレス
ストレスは腸にいろいろな反応を引き起こし、腸内細菌のバランスを乱します。また、善玉菌が少なく腸内環境が悪い人はストレスに弱く、うつなど心の病気を発症しやすいといわれています。


抗生物質は、腸内細菌のバランスに影響を与えてしまうことがあります。

腸内環境が乱れる原因

(3)へ続く

ボタニカルアート = 田中 沙織

いりたに内科クリニック院長
入谷栄一 いりたにえいいち
総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医。日本メディカルハーブ協会理事。東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師。在宅診療や地域医療に力を入れる他、補完代替医療やハーブ、アロマに造詣が深く、全国各地で積極的に講演活動も行う。著書に『病気が消える習慣』、『キレイをつくるハーブ習慣』(経済界)など。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第55号 2021年3月