2022.9.8

世界の歯磨き×ハーブ事情

監修:日本メディカルハーブ協会・イラスト = 鈴木衣津子

現在のような歯磨きや歯ブラシがなかった時代、世界各地で口腔ケアにハーブが利用されてきました。こうしたハーブの中には、現代でも薬用歯磨きの成分として利用されているものもあります。

日本

クロモジ

クスノキ科のクロモジは、日本固有種の香木の代表格。
その精油成分には強い抗菌作用、抗ウイルス作用があります。現代では「黒文字」として茶菓子などに添えられる高級楊枝の代名詞になっていますが、江戸時代にはクロモジの木の一端を木槌で叩き、梳いて繊維状にした「房楊枝」が歯ブラシとして使われました。

ドクダミ

葉にはフラボノイド系成分が含まれ、血行促進・消炎作用などがあります。
民間療法では、陰干ししたドクダミの葉を塩水で洗い、歯茎にはさんで寝ると歯茎が引き締まり、痛みも治まるといわれています。

ギリシャ

マスティハ(マスティック)

世界でギリシャ・ヒオス島のみで体系的に生産されている木の天然樹脂で、人類初の天然チューイングガムといわれます。
抗菌、抗ウイルス、抗炎症作用、皮膚再生効果があり、口臭、虫歯、歯周病の予防の他、エイジングケアや肌トラブルの改善などの目的でも紀元前から重用されてきたそうです。

インド

ニーム

古代からインドではニームという木の枝を使って歯磨きをしていました。
ニームは抗炎症作用が高く、ニームの枝を噛んで歯を清掃する方法は、現在もインドやアフリカの一部で行われています。インドで生まれた歯磨きの習慣は、仏教の伝播と共に中国、韓国そして日本へと伝えられたといわれます。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第61号 2022年9月