2014.11.21.

ブラックコホシュは子宮筋腫にも有効なのか? ~ブラックコホシュの非エストロゲン様作用~

作成:金田俊介

ブラックコホシュは子宮筋腫にも有効なのか?

~ブラックコホシュの非エストロゲン様作用~
(参考論文:Effect of Isopropanolic Cimicifuga racemosa Extract on Uterine Fibroids in Comparison with Tibolone among Patients of a Recent Randomized, Double Blind, Parallel-Controlled Study in Chinese Women with Menopausal Symptoms. Evid Based Complement Alternat Med. 2014;2014:717686.)

ブラックコホシュは女性の更年期障害や生理痛、月経前症候群などに使用されるハーブとして欧米(とくにヨーロッパ)ではとても人気が高く、ドイツではレミフェミンという商品名でも販売されています。かつてはエストロゲン様作用によってその効果が発揮されると考えられていましたが、最近ではブラックコホシュにはエストロゲン様作用はないという考えが目立ってきており、まだ決着はついていません。

今回ご紹介する論文は婦人科疾患の中でも罹患率の高い疾患である子宮筋腫に対するブラックコホシュの効果を検討しています。ちなみに女性の更年期障害の場合、エストロゲンの不足を改善するためにエストロゲンを外から補ってやる「ホルモン置換療法」が行われることがあります。ところが子宮筋腫は子宮内膜症などと同様にエストロゲンに依存して増殖する疾患と考えられていますので、子宮筋腫などがある場合の更年期障害への対処法には様々な議論があります。

そこで、エストロゲン作用を持たないと考えられ始めているブラックコホシュの子宮筋腫への効果を検討したというわけです。この研究でブラックコホシュと比較して用いられているチボロンはワイルドヤムというハーブを元につくられた合成ホルモン薬で、様々な臓器でエストロゲン、プロゲステロン、テストステロン様作用を発揮するとされ、海外では骨粗しょう症治療薬として使用されることもあります。子宮内膜ではエストロゲン作用を示さないとされていますので、今回の子宮筋腫への検証に用いられました。また、ブラックコホシュは前述のレミフェミン(根のイソプロパノール抽出物)が使用されています。

研究では41~60歳の子宮筋腫がある女性にブラックコホシュもしくはチボロンを毎日12週間摂取してもらい、投与前、4週目、12週目に超音波診断で腫瘍サイズを計測しました。投与12週目ではブラックコホシュを摂取した人の70%で腫瘍が小さくなっていました。しかも約30%ものサイズダウンが見られ、チボロンを摂取した人たちと比べても有意な差が見られました。

著者らはブラックコホシュ、チボロンとも更年期症状の改善には役立つものの、子宮筋腫のある更年期女性にはブラックコホシュがよりよい選択肢となるだろうと結論づけています。

ただ、この研究は人数も小規模で、検証期間もとても短いので、ブラックコホシュが本当に子宮筋腫に有効かどうかはさらに大きな規模、長期間の検証が必要ですし、仮に使用するとしても細心の注意が必要でしょう。とは言え、ひとまずはブラックコホシュの非エストロゲン様作用に期待できる結果なのではないでしょうか。