2026.1.13

高用量プロアントシアニジンを含むクランベリーによる尿路感染症予防効果:システマティックレビューおよびメタ解析

学術委員

菊地伶弥

尿路感染症(UTIs)は、泌尿器科救急受診の主な原因の一つであり、18歳以上の女性では約3人に1人が生涯のうちにUTIsを経験するとされている。近年、クランベリーに含まれる有効成分であるプロアントシアニジン(PACs)に着目した研究が進み、PACsを十分量含むクランベリー製品の使用がUTIs予防において重要である可能性が示唆されている。

本研究は、PACs含有量が明確に報告されたランダム化比較試験(RCT)を対象として、クランベリー製品によるUTIs予防効果を評価したシステマティックレビューおよびメタ解析である。10件のRCT、合計2,438名が解析対象となり、クランベリーはジュース、粉末、カプセルなどの形態で用いられ、介入期間は10日から48週であった。

全体解析の結果、クランベリー製品の摂取は対照群と比較してUTIs発生リスクを15%低下させ、統計学的に有意な差が認められた(RR = 0.85、95% CI 0.76–0.96、p = 0.008)。PACs摂取量別解析では、1日36mg以上のPACsを摂取した群においてのみ有意な予防効果が示され(RR = 0.82、95% CI 0.69–0.98、p = 0.03)、それ未満の摂取量では有意差は認められなかった。

性別によるサブグループ解析では、女性のみを対象とした試験群においてUTIs発生リスクが16%低下した(RR = 0.84、95% CI 0.71–0.98)。一方、男女混合群では有意な予防効果は認められなかった(p = 0.12)。

介入期間別解析では、12〜24週の継続摂取においてUTIs発生リスクが約25%低下したが、それ以外の期間では明確な有意差は確認されなかった。作用機序としては、本論文では既存の基礎研究に基づき、PACsが尿路病原菌の尿路上皮細胞への付着を阻害する抗付着作用(anti-adhesion activity)を有する可能性が示唆されている。この作用により、細菌が尿路に定着する初期段階が抑制され、UTIsの発症が予防されると考えられている。

以上より、本研究は、十分量のPACs(1日36mg以上)を一定期間(12〜24週)摂取した場合に限り、クランベリー製品がUTIs再発予防に寄与する可能性があることを示している。ただし、研究間には介入方法や対象者背景にばらつきがあり、すべての解析で一貫した有意性が確認されたわけではない。したがって、クランベリー製品はUTIsの再発予防を目的とした補完的介入として位置づけるのが妥当である。

[文献]
Xiong Z et al. Preventive effect of cranberries with high dose of proanthocyanidins on urinary tract infections: a meta-analysis and systematic review. Front Nutr. 2024;11:1422121. doi:10.3389/fnut.2024.1422121.