2025.12.15

エキナセア・プルプレア由来多糖類はParkin 依存性オートファジーを促進することで酸化ストレス誘発性肝障害を改善する

学術委員

辻恵子

アセトアミノフェン(APAP)は日本において、医療用・市販薬ともに多用されている解熱鎮痛剤の一つである。APAPの過剰摂取は、最も一般的な薬剤性肝障害(DILI)の原因となる。肝細胞への酸化ストレスとそれに伴うオートファジー(細胞が自分自身を分解する仕組み)が深く関連している。

一方、エキナセア・プルプレア(L.)・モエンチ(Echinacea purpurea(L.)Moench)の根から抽出される成分であるエキナセア・プルプレア多糖体(EPPS)は、免疫調節作用や抗酸化作用など、様々な生物学的機能を示す。

本研究は、in vitroおよびin vivoにおいて、APAP誘発性DILIに対するEPPSの抗炎症・抗酸化作用を介して肝細胞障害を予防できるかどうか、ならびにオートファジー促進機能を解明することを目的であった。

以下の結果を示した。

  1. 炎症や酸化ストレスの軽減
    EPPSは、マウスにおけるAPAP過剰摂取誘発性DILIを減弱させ、APAP過剰摂取誘発性DILIマウスの炎症および酸化ストレスを軽減した。
  2. アポトーシスの抑制
    EPPSはアポトーシスを抑制することで、APAP誘発性肝障害から肝細胞を保護した。
  3. オートファジーの強化
    EPPSは、in vivoではオートファジー依存性メカニズムを介してAPAP誘発性DILIを軽減し、in vitroではオートファジーを増強し、酸化ストレスおよび炎症を軽減したEPPSがオートファジーを活性化する際には、「Parkin」というタンパク質が重要な役割を果たすことが示唆された。

EPPSはAPAP誘発性DILIに対して強力な肝保護効果を示し、オートファジー依存性酸化反応、炎症、およびアポトーシスの減少と相関していた。EPPSはAPAP誘発性DILIに対する有望な新規治療戦略となり得ると結論づけている。

(文献)

Yu T, He Y, Chen H, Lu X, Ni H, Ma Y, Chen Y, Li C, Cao R, Ma L, Li Z, Lei Y, Luo X, Zheng C. Polysaccharide from Echinacea purpurea plant ameliorates oxidative stress-induced liver injury by promoting Parkin-dependent autophagy. Phytomedicine. 2022 Sep;104:154311. doi: 10.1016/j.phymed.2022.154311. Epub 2022 Jul 6. PMID: 35843188.