2023.3.13

ラズベリーリーフ:出産の準備をサポートしてくれる、代表的な“マタニティーハーブ”

博士(農学)

木村正典

女性の健康に役立つハーブを学ぶ:Raspberry leaf
Herbs that help with women’s health

Raspberry leaf ラズベリーリーフ

【学名】 Rubus idaeus L.
【科名】 バラ科 
【使用部位】 葉
【主要成分】 フラボノイド配糖体(フラガリン)、タンニン(没食子酸、エラグ酸など)、ビタミンC(微量)
【作用】 鎮静、鎮痙、収れん
【適応】 月経痛、月経前症候群、出産準備、下痢、口腔粘膜の炎症

初夏に赤い実をつけるラズベリーは、ユーラシア大陸から北米にかけての比較的涼しい地域に生育し、古くから食料として、またメディカルハーブとして人々に用いられてきました。ラズベリーリーフは、このラズベリーの葉の部分です。

ヨーロッパでは、ラズベリーリーフティーは昔から“安産のためのお茶”として知られています。出産準備に役立つとされる、いわゆるマタニティーハーブには、つわり予防のペパーミントやジンジャーなどいくつかありますが、ラズベリーリーフはその中でも圧倒的な人気を誇り、多くの妊婦さんに愛飲されています。

出産に役立つ働きについては、子宮や骨盤の周囲の筋肉を調整するためと考えられており、月経痛や月経前症候群(PMS)の緩和にも用いられます。ただし、どのような成分が関与しているのかはまだはっきりと証明されていません。出産準備に用いる方法は、長い年月の中で育まれた経験に基づく活用法といえます。

ラズベリーリーフはまた、収れん作用をもつことから、浸出液や抽出液は内服で下痢や扁桃炎、かぜ、インフルエンザなどに、外用で傷や結膜炎などに使用されることもあります。ビタミンやミネラルなどの栄養もバランスよく含まれ、デリケートな女性の体にぴったりのハーブです。

ボタニカルアート = 田中 沙織

博士(農学)
木村正典 きむらまさのり
当協会理事。(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK!プランター菜園のすべて』(NHK出版)など多数。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第63号 2023年4月