2018.6.1.

[オーストラリアのハーブ事情]ナチュラルコスメ

オーストラリア伝統医学学会認定自然療法士。

いせ ゆか

オーストラリアのハーブ事情と題した連載の4回目は、オーストラリアのコスメについて。オーストラリアのコスメにはどんな特徴があるのか、また、日本ではどのブランドが手に入るのかなどご紹介したいと思います。

1.オーストラリアと日本ナチュラルコスメ全体比較

ナチュラル製品が豊富なオーストラリアは、コスメの領域でも、種類の多さが目立ちます。日本は国産のナチュラルコスメがありつつ、ヨーロッパやアメリカなど海外からの輸入品も多く見受けられますが、オーストラリアでは、国内産のナチュラルコスメが売り場をほぼ占めている点が、日本と異なります。

ロングセラーブラン「A’kin」

また、両国の商品を長年使用していて全般的に感じるのは、香りの作り方の違いです。オーストラリアは日本と比較して、精油などによるナチュラルな香りづけに慣れている消費者が多いためか、複雑な精油のブレンドやどっしりとした香りのブレンド、ともすれば少しきつく感じるようなユニークなブレンドの商品もあり、香りの部分でもバリエーションが豊かです。

2.オーストラリアコスメの香りについて

移民国家であるオーストラリアらしく、香りについても様々な国のエッセンスを上手に取り入れている印象を受けます。オーストラリアでは週末、各地でマーケットが開かれますが、個人や小さなショップが出店し、食品や雑貨販売と並び、オリジナルコスメを販売しているショップも多く、ユニークな香り・処方のものに出合います。中にはアロマやハーブの専門家や学生が作っている場合もあり、処方を見ているだけでも楽しくなります。

3.オーストラリアコスメとブッシュハーブ

日本でも古くから伝統的に使われてきたハーブが化粧品の素材として改めてスポットライトを浴びているように、オーストラリアでも自国で育ち昔から使われてきたハーブ、「ブッシュハーブ」がコスメに使われ、コスメの素材としての認知度を上げています。よく使われるブッシュハーブには、カカドゥプラムや、日本にもメディカルハーブとして輸入されているレモンマートルなどがあります。

カカドゥプラムを一部商品に使用 している「People for Plants」

4.オーストラリアコスメのハーブ処方について

オーストラリアのナチュラルコスメには、数多くのハーブが使われています。よく配合されているものには、カモミールやカレンデュラ、ラベンダー、ローズマリーなど日本でもコスメの処方によく使われるものを中心としつつ、バードックやリコリス、エキナセア、ゴツコラなど日本では薬機法(旧:薬事法)の兼ね合いで表現できないことも、オーストラリアでは表現上の自由度が高いためか配合されるハーブのバリエーションが多い印象を受けます。全成分表示を見るだけで、炎症対策か修復目的かむくみ対策なのか……など、商品の目的が分かりやすいものが多いように思います。もう1つの処方の特徴として、ホメオパシーのレメディをブレンドしたものがあることも、海外製品同様オーストラリアコスメにも見られる特徴です。また、オーストラリアコスメとしてぜひ紹介しておきたいのが、ティートゥリー精油です。オーストラリアでは、ニキビや切り傷などに対して、直に少量塗布する形の利用が目立ちます。活用の仕方をイラストで商品に記載したものもあり(「サーズディプランテーション」画像参照)、サーズディプランテーションのティートゥリー精油は、一家に1つあるのではというほど普及しています。

 

5.日本で手に入るオーストラリアコスメ

まず、有名なところでは、ジュリークやイソップなどが挙げられます。香りの傾向や精油のブレンドなど、オーストラリアらしいよさが出ているブランドとしては、パーフェクトポーションがあります。また、隣国ニュージーランドではありますが、日本に上陸しているブランドに、リビングネイチャー(LIVINGNATURE)やエコストア(ecostore)などがあります。ニュージーランドは、自国のハーブを積極的に活用している点や、調香やハーブの処方の面でオーストラリアと似た傾向にあるため、オーストラリアブランドがお好きな方は、NZのブランドもお好みに合うかもしれません。ぜひこの機会に、自分好みのオーストラリアコスメを探してみてください。

NZ ブランド「エコストア」のボディーソープ
オーストラリア伝統医学学会認定自然療法士。
いせ ゆか
オーストラリアで自然療法士の資格を取得後、現地の統合医療クリニック勤務。ハーブ・アロマの企画・開発、ブランドリニューアル、書籍監修などを経て現職。豊富な臨床経験を元にした提案で、美と健康を形にする自然療法の専門家として、有名人・著名人も顧客にもつ。naytura(www.naytura.jp)代表。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第44号 2018年6月