2023.3.25

2022年6月10日 地区イベント: 南高梅発祥農園で梅摘み体験 和歌山みなべ町で梅を満喫一日ツアー

ハーバルセラピスト

桜井敬子

日程:2022年6月10日(金) 会場:紀州南高梅発祥農園たかだ果園

梅雨入りしたとは思えない、爽やかな風キラキラと光る緑の木々の中、訪れたのは和歌山みなべ町。南高梅発祥農園での梅摘み体験に参加させていただきました。まず目についたのは、『南高梅誕生の地』と書かれた石碑。高田社長のお祖父様である、高田貞楠さんが「内中梅」の実生苗の中からひときわ豊かに実り大粒で美しい紅のかかる優良種があることを発見し、母樹として大切に育てられた「高田梅」が「南高梅」の基礎となり、その当時の母樹も、まだ実をつけていることに植物のたくましい生命力を感じました。


梅摘みでは、「摘み時の梅」「フルーツ&梅シロップ」なども教えていただきながら、作業が続きます。そして目についたのは梅の木の根元一面に敷き詰められている青いネット、その上を歩くのですがふわふわしています。雑草の上にネットを張ることで、熟した梅がこぼれ落ちても傷がつかずきれいなまま、一粒一粒を大切にされていることがわかります。


午後からは、高田社長さんによる梅シロップづくりと有機農法についてのお話しです。
みなべ町「循環型有機農法」では、地形の斜面・雑草を利用することで、土壌流出、水源を保持すること、そして一番大事なことは「土」、農薬や化学肥料などを使わず、木くず、茶葉、おからなどをブレンド、発酵させて独自で肥料を作り、梅の土づくりに生かしています。
 
次に、みなべ町役場「うめ課」平課長に梅と健康についてのお話をお聞きました。
 
梅干しといえば、日本が誇れるソウルフード、そんな梅干しには体によいパワーが潜んでいることを、うめ課では10年前から県立医科大学の先生方の協力のもと、研究され証明されています。梅干しに含まれる抗酸化物質の「シリンガレシノール」にはピロリ菌の運動能力を阻害する効果、インフルエンザウィルスの増殖を防ぐエポキシリオニレシノールという成分を発見。さらに、『バニリン』成分には脂肪燃焼作用があるそうです。真面目な興味深いお話を平課長は楽しくパワフルにお話してくださいました。
 
収穫作業を通して食や自然の大切さを学べる、貴重な体験をすることができた一日でした。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第63号 2023年4月