2023.1.21

カレンデュラの植物学と栽培

当協会理事

木村正典

今回は、カレンデュラの特徴や栽培方法などを、植物学の視点で解説します。

分類・名称

分類

カレンデュラは、キク科(AsteraceaeCompositae))カレンデュラ属(Calendula)の植物です。カレンデュラ属は、植物学名の国際的データベースであるWorld Flora Online(2022)に32種が掲載されており、これらも広義のカレンデュラです。カレンデュラ属は主としてカナリア諸島からペルシアまでの地中海沿岸地域を原産とします。

名称

学名はリンネ(1707-1778)の命名したCalendula officinalis L.です。属名のCalendulaは、古代ローマ暦で、「各月の最初の日」を意味するラテン語のkalendaeの指小辞形(「小さい」を意味する語尾をもつ形)であり、小さなカレンダー(時計、気象計)を意味します。カレンデュラの花が太陽の出ている間だけ開花することに由来する説や、転じて「月を通して」を指し、絶え間なく開花して花の期間が長いことに由来する説などがあり、9世紀以降に成立したとされています。種小名のofficinalisは「薬用の」を意味します。

英名はpot marigoldやcommon marigold、garden marigold、Scotch marigold、Mary,s goldなどで、単にmarigoldとも称されます。

pot marigold(ポットマリーゴールド)のpotは植木鉢ではなく、鍋を指します。これは17世紀にvegetable(野菜)という言葉が誕生するまで、食用の植物をpot herbと呼んでいたことがあり、当時、カレンデュラがサフランの代用とされるなど料理に用いられていたことに由来します。ちなみに、ポットマジョラムも料理用のマジョラムの意ですが、キクのポットマムは鉢植えのキクの意味です。

marigoldは聖母マリアのMaryを語源とし、聖母マリアを祝うすべての祭りの時期に開花する黄金色の花という意味で初期のキリスト教徒によって名付けられたとされています。このように、マリーゴールドはもともとカレンデュラを指していましたが、その後、カレンデュラに似た花の植物にマリーゴールドの名が付けられるようになり、現在、数種にマリーゴールド名が付けられています(マリーゴールド(marigold)と称される植物参照)。特にフレンチマリーゴールドなどのタゲテス属植物が16世紀に欧州に導入されて観賞用に普及すると、タゲテス属を単にマリーゴールドと呼ぶようになったことによる混乱が現在も続いています。特に、日本では、ハーブブーム初期の1980年代、それまでカレンデュラをキンセンカと、タゲテスをマリーゴールドと呼んでいたところに、洋書の翻訳本によって、原著の直訳のマリーゴールドの名で紹介されて以降、混同しているケースがありますので注意が必要です。単にマリーゴールドというと何を指しているのか相手に伝わりませんので、ポットマリーゴールド、フレンチマリーゴールドと呼び分けるか、カレンデュラ、タゲテスと学名読みするなどしましょう。

仏名はsouci(スーシ)で、もともとラテン語で「太陽に従うもの」の意のsolsequiaと呼ばれていたものが変化したとされ、花が太陽に合わせて開花することに由来します。
独名はRingelblume(リンゲルブルーマ)で、ヒルデガルトが名付けたドイツ語のRingulaを語源とします。

和名はキンセンカ(金盞花)で、文字通り、黄金色のさかずき(小型の盃)のような花に由来します。ただし、キンセンカは本来、1597年に日本に渡来したCalendula arvensis L.を指していましたが、その後江戸時代にカレンデュラが渡来してからはそちらをキンセンカと呼ぶようになったため、牧野富太郎はCalendula arvensis L.にホンキンセンカ(本金盞花)の名を付けました。なお、カレンデュラはホンキンセンカと区別するためにトウキンセンカ(唐金盞花)とも呼ばれます。

人とのかかわりの歴史

カレンデュラは古くからギリシャ、ローマ、インドなどで儀式や料理、染色、薬用などに利用されてきたとされています。

大プリニウス(A.D.23-79)が「klymenos」と呼んだ植物やテオフラストス(B.C.371-287)とディオスコリデス(A.D.40頃-90頃)が「klymenon」と呼んだ植物がカレンデュラとする解釈もありますが、klymenonはフィールドマリーゴールドやマーシュマリーゴールド、ハニーサックルなどとする説があります。

カレンデュラは5世紀にはフランスで栽培されていたと言われており、シャルルマーニュ(カール大帝)(742-814)の『Capitulare de villis』に、王家の庭園で栽培すべき植物の一つとして仏語でカレンデュラを指すsolsequiaの記載があります。ただし、当時、solsequiaはチコリやダンデライオンなども指していたとされています。

ヒルデガルト(1098-1179)はRingulaと呼び、頭皮トラブルや腸疾患の治療、有毒生物などの毒物や中毒の解毒に用いました。

カルペパー(1616-1654)が『Culpeper’s complete herbal』に記したのはコーンマリーゴールドで、太陽が支配し獅子座の元にあり、葉の搾汁をそのままで歯痛に、酢と混ぜて熱をもった腫れに、花弁を外用や内服で心臓の強化に用いるとしています。

カニンガム(1956-1993)は『Cunningham,s Encyclopedia of Magical Herbs』で、marigold(カレンデュラ)の魔法の使い方について、太陽の最も強い正午に摘むと心が強くなって癒され、ベッドに下に花を撒いておくと予知夢を見ることができ、お風呂に入れると出会った人すべてから尊敬・称賛されるなどと記しています。

日本への渡来は1850年頃で、大正時代から切り花や花壇花に広く使われるようになり、特に春の彼岸の供花として多用されたことから、かつては仏花をイメージする人が多かったようです。

現代でも花弁の鮮やかな橙色を料理や飲料、薬用、染色、観賞などに用いています。
料理では、フレッシュやドライの花弁をサフランの代用とすることから「貧乏人のサフラン”poor man’s saffron”(※1)」とも呼ばれ、米や鶏肉の料理、スープ、シチュー、パン、バター、チーズ、プリンなどの着色や風味付けに用います。このほか花弁をサラダなどの料理の彩りやティーに用いるほか、葉をサラダなどで食用にすることもあります。

薬用では、傷、吹き出物、湿疹、おむつかぶれ、日焼け、虫刺され、真菌感染症、膣カンジダ症、帝王切開の創傷、放射線皮膚炎、口腔粘膜の炎症、結膜炎などの皮膚や粘膜の疾患に、ティーやチンキ、軟膏などで用いられます。ドイツではコミッションE で花を口腔粘膜の炎症や傷、潰瘍への外用を認めています。カナダでは保健省の自然健康製品成分データベースに掲載されています。米国では花弁が化粧品や栄養補助食品、ホメオパシー療法で使用されています。

(※1)カレンデュラ以外にベニバナやウコン、ベニノキ、タゲテス類なども「貧乏人のサフラン」と呼ばれてサフランの代用とされる。

中薬で用いられるカレンデュラ

『中薬大辞典(1988)』によると、金盞菊キンサンギク(カレンデュラ;Calendula officinalis L.)の花と根を金盞菊キンサンギク(異名;大金盞花ダイキンサンカ)と呼び、新鮮なままもしくは日干しして用い、根は気を行らし血を活かし、花は血を涼め、止血するとして、胃寒痛や疝気、癥瘕、腸風便血の治療に用います。また、小金盞花ショウキンサンカ(ホンキンセンカ;Calandula arvensis L.)の全草と花を金盞草キンサンソウ(異名;金盞花キンサンカ長春花チョウシュンカ長春菊チョウシュンキク長春草チョウシュンソウ金仙花キンセンカ)と呼び、利尿、発汗、興奮、緩下、通経、降圧、腸や痔の出血を止める効能があり、煎剤を内服したりつき汁を塗布したりして、腸風下血などの治療に、根を金盞草根キンサンソウコンと呼び、疝気の治療に用います。

形状・成分

カレンデュラは草本で、草丈は原種系品種で30cmですが、園芸品種では品種間差が大きく、花壇用の矮性品種で10~40cm、切り花用の高性品種で60~70cmです。

茎葉には細く軟らかい腺毛が密集し、触ると香りと共に粘性があります。葉は互生で、披針形~広楕円形ですが、下葉では葉身の基部が細くなるへら形となります。葉縁は全縁もしくは細かい鋸歯があります。

花はキク科に共通の複合花(雄蕊も雌蕊も有する完全花の集合した花序)で、頭花(頭状花序や頭状花とも)と呼ばれます。カレンデュラの頭花は中央に管状花(筒状花とも)を、周囲に舌状花を配します。中央の管状花は短い管状の合弁で、花冠の先端は4~7裂して星形を呈します。また、管状花は雌性不稔のため、花粉を作るものの果実が形成されません。一方、周囲の舌状花は花弁の一部が舌の様に長く伸びた形状で、先端は3浅裂し2つのくぼみがあります。また、舌状花は雌蕊のみ発達し花粉を作りません。したがって、ハチなどの訪花昆虫によって他家受粉されることになり、周囲の舌状花でのみ、結実(果実形成)が見られます。なお、原種に近い品種は舌状花の少ない一重咲きですが、園芸品種には半八重咲き、八重咲きが主体で、千重せんえ咲き、万重まんえ咲きとも呼ばれます。また、管状花が発達して盛り上がった丁子咲きの品種もあり、クレスト系品種と呼ばれます。

舌状花は鮮黄色~濃橙色を基本とし、中心部の管状花は舌状花と同色や緑色のほか、芯黒と呼ばれる黒色~赤褐色などがあります。近年は、白に近いくすんだ色合いの桃色や淡黄色、淡橙色といったアンティーク色で、花弁の周縁や背軸面の濃い品種が人気です。

頭花の直径は原種系の一重のもので2cmと小型ですが、園芸品種の多くは10cm程度の大輪で、15cmの巨大輪品種もあります。

果実はキク科に共通の痩花そうかで、果肉が発達せずに種子の様に見え、一般には種子として扱われます。カレンデュラの果実は、一つの頭花に、3種類の異なる形態が存在する極めて珍しい特徴を有しています(写真)。これらの異なる形態は果実散布の戦略であり、突起をもつ最も大きい果実は動物に付着して遠くへ移動し、よくのある果実は風で飛ばされてやや離れたところへ移動し、最も小さい果実は株元に落ちることで、生息エリアの拡大や生存のための危険分散を図っていると考えられています。一方で、開花後の果実の着生状態を見る限り、外側の2つのタイプは萼と見間違えるほどで、完熟するまでの間、内部の小さい果実を保護したり脱落を防いだりしているようにも見えます。なお、果実形態を大きさや突起などで6タイプに細分する場合もあります(Barut et al., 2022)。これらの痩果は開花後、茶色く完熟する頃には萼が崩壊して果実が飛散します。

カレンデュラの開花後の頭花の結実時の状態(左)と、代表的な3タイプの痩果(右)。頭花の外側には、湾曲して背軸側に突起をもつ大型のタイプ(A)と、果実の両脇に薄い翼(よく)が発達して膨らんでいるタイプ(B)が取り囲むように並ぶ。その内側には小さなC字状~リング状に丸まったタイプがあり、中心部分に果実はない。八重咲ではCタイプが多くなる。

カレンデュラは全草に精油を含有します。これまで、葉に32%、花に31%のα-カジノールを含有し、高い抗酸化作用と酵素阻害特性を有すること(Ak et al., 2021)、全草の水蒸気蒸留(コホベーション)の結果、収油率0.3%、主成分はα-カジノール25%で、花と異なり茎葉にはモノテルペン炭化水素を含有すること(Chalchat et al., 1991)、ブラジル産の花からは水蒸気蒸留でα-カジノール20%、δ-カジネン23%、γ-カジネン9%が、ヘッドスペース固相マイクロ抽出でδ-カジネン22%、γ-カジネン25%が、ヘッドスペース・コールドフィンガー抽出でδ-カジネン18%、γ-カジネン25%が得られ、α-カジノールは水蒸気蒸留でしか得られなったこと(Gazim et al., 2008a)、ブラジル産の花の水蒸気蒸留でd-カジネン23%、α-カジノール20%、エピ-α-ムロロール13%が得られ、優れた抗真菌活性を有すること(Gazim et al., 2008b)、南アフリカ産では水蒸気蒸留での収油率が新鮮葉で0.06%、乾燥葉で0.03%、新鮮花で0.09%であり、精油成分は新鮮葉でT-ムウロロール41%、α-ツジェン19%、 δ-カジネン 11%、乾燥葉で1,8-シネオール 29%、α-ツジェン18%、T-ムウロロール13%、δ-カジネン9%、β-ピネン7%、新鮮花でα-ツジェン27%、T-ムウロロール25%、δ-カジネン13%であり、乾燥の影響の大きいこと(Okoh et al., 2008)などが報告されています。

種子には15~20%の種子油を含有し、含有率は翼の大きく発達したタイプの果実とリング状の小さなタイプの果実で高く、主要成分はリノール酸38~41%、オレイン酸21~27%、α-カレンジン酸16~22%との報告があります(Barut et al., 2022)。

花弁の色素はカロテノイドです。黄色や橙色の花弁に共通の色素としてフラボキサンチンやルテオキサンチン、オーロキサンチン、ルテインを含有し、橙色花弁に固有の色素として数種のリコピン、β-カロテン、γ-カロテン、ルビキサンチンなどを含有することが報告されています(Kishimoto et al., 2005)。

性状と栽培

カレンデュラ属には一年草と多年草があります。カレンデュラは多年化することもあるものの、一般には一年草として扱われます。

カレンデュラの発芽温度は2~32℃、発芽の最適温度は16~17℃です。発芽までの日数は最適温度で5~7日を要し、最適温度から外れるほど時間がかかります。発芽率は湾曲して背軸側に突起をもつ大型のタイプで80%程度あり、種子が古くなるほど低下します。種子の寿命は、常温で2~3年で、脱気して密閉して冷凍(もしくはできるだけ低温冷蔵)保存することで倍以上に長くなります。

生育温度には品種間差があり、耐寒性の高い品種では氷点下15℃でも枯死しませんが、耐寒性の低い品種では氷点下3℃を下回ると枯死します。生育適温は7~20℃で高温にも弱く、梅雨明け後の高温で枯死するケースを多く目にします。このため、関東以西の温暖地では10~11月に播種して梅雨明けまで楽しむ作型がおススメです。なお、早播きした大株や遅播きした小苗では、越冬できない場合があります。温暖地でも厳寒期には霜対策などが必要です。北海道・東北などの寒冷地では春まきで、桜の咲くころに播種します。なお、播種が遅れると植物が小さいうちに開花してしまうため、花数が少なくなってしまいます。

窒素肥料が多すぎると花着きが悪くなったり、八重咲き品種で花弁数が少なかったりすることがありますので注意しましょう。

病害虫は寒い時期にはほとんど問題ありません。遅霜の心配がなくなる頃(関東で4月下旬)から急激にアブラムシが発生し、この時期に特に密集しますので、ホースの水で蹴散らしたり刷毛で落としたりして密度を下げます。

品種選び

ハーブには、ラベンダーやミントのように主としてハーブ用に改良されて有効成分も明らかになっている品種の多いものと、ローズやクローブピンクのように主として観賞用に改良されて有効成分の明らかになっていない品種の多いものとがあります。ハーブで利用する場合に、原種系品種の利用を推奨する記事を見かけたりしますが、これは有効成分が明らかになっていない観賞用品種の多いハーブでの話になります。なお、観賞用品種を園芸品種と呼ぶことがありますが、人為的に品種改良されたものはハーブ用品種も含めて全て園芸品種です。

カレンデュラには世界中にたくさんの品種があり、日本でも戦前に輸入したものを改良した中安なかやす系、むらじ系、心黒しんぐろ系を中心に多くの品種が存在します。カレンデュラでは、茎葉や根を利用する場合には、これらの有効成分の品種間差を調べた報告が見当たらないことから、小輪一重咲きの原種系品種を利用するのが無難かもしれません。一方、花弁や果実(種子)を利用する場合には、品種間差を調べたいくつかの報告を読む限り、極端な質的差異が見られていないことから、利用部位の収量の多い品種、例えば花弁を利用する場合には花弁収量の多い八重咲き品種を効果的に利用することで問題ないと思われます。一方で、あくまで原種系にこだわってハーブガーデンを構成し、利用するのもよいと思います。ちなみに、観賞用としては、’Fiesta Gitana’ 品種群が英国園芸協会ガーデンメリット賞を受賞しています。

引用文献

Ak, Gunes, G. Zengin, R. Ceylan, M.F. Mahomoodally, S.
Jugreet, A. Mollica, and A. Stefanucci. 2021. Chemical
composition and biological activities of essential oils
from Calendula officinalis L. flowers and leaves.
Flavour Fragr. J. 36 (5) 554-563.

Barut, M., L.S.Tansi, G.Bicen and S.Karaman. 2022.
Deciphering the quality and yield of heteromorphic
seeds of marigold (Calendula officinalis L.) under high t
emperatures in the Eastern Mediterranean region. S.
Afr. J. Bot. 149. 303-314.

Chalchat, J.C., R.Ph. Garry and A. Michet. 1991. Chemical
composition of essential oil of Calendula officinalis L.
(pot marigold). Flavour Fragr. J. 6 (3) 189-192.

Gazim, Z.C., C.M. Rezende, S.R. Fraga, B.P.D. Filho,
C.V. Nakamura and D.A.G. Cortez. 2008a. Analysis
of the essential oils from Calendula officinalis growing
in Brazil using three different extraction procedures.
Revista Brasileira de Ciências Farmacêuticas. 44(3).
391-395.

Gazim, Zilda Cristina, C.M. Rezende, S.R. Fraga, T.I.E.
Svidzinski and D.A.G. Cortez. 2008b. Antifungal
activity of the essential oil from Calendula officinalis
L. (Asteraceae) growing in Brazil. Brazilian Journal of
Microbiology. 39(1). 391-395.

Kishimoto, Sanae, T. Maoka, K. Sumitomo, and A. Ohmiya.
2005. Analysis of Carotenoid Composition in Petals
of Calendula (Calendula officinalis L.). Bioscience.
Biotechnology & Biochemistry. 69(11). 2122–2128.

Okoh O.O, A.P. Sadimenko, O.T. Asekun and A.J. Afolayan.
2008. The effects of drying on the chemical
components of essential oils of Calendula officinalis L.
African Journal of Biotechnology. 7 (10). 1500-
1502.

カルペパーハーブ事典. 2015. ニコラウス・カルペパー.木村正典監修. 戸坂藤子訳. p.330. パンローリング. 東京.

中薬大辞典. 1988. 上海科学技術出版社・小学館編. 第1巻. p.531-533. 小学館. 東京.

願いを叶える魔法のハーブ事典. 2014. スコット・カニンガム. 木村正典監修. 塩野未佳訳. p.104. パンローリング. 東京.

World Flora Online. 2022. http://www.worldfloraonline.org/

フィールドマリーゴールド(ホンキンセンカ)
カレンデュラ(一重咲き品種)
カレンデュラ(クレスト系丁子咲き品種)
カレンデュラ(万重咲き品種)
アフリカンマリーゴールド
メキシカンマリーゴールド
ミントマリーゴールド
コーンマリーゴールド
ツリーマリーゴールド
マーシュマリーゴールド

マリーゴールド(marigold)と称される植物。 学名はWorld Flora Onlineに従った

科名 Asteraceae キク科
属名 Calendula  カレンデュラ属(キンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Calendula officinalis L. カレンデュラ・オッフィキナリス[薬用の]
一般名 カレンデュラ(Calendula)、ポットマリーゴールド(pot marigold)、キンセンカ(金盞花)、トウキンセンカ(唐金盞花)、common marigold, garden marigold、Mary’s gold, Scotch marigold
特徴 地中海沿岸原産。日本には中国から渡来し、それまでキンセンカと呼ばれていたフィールドマリーゴールドと区別するためにトウキンセンカとも呼ばれたが、現在では本種をキンセンカと呼ぶことが定着している。短命の多年草で、一般には一・二年草として扱われる。草丈10~70cm。葉は披針形~広楕円形で長さ5~17cm。花は直径2〜15cm。本来一重咲きで、園芸品種には八重咲が多い。花色は淡黄色と橙黄色がある。花は夜にはしぼむ。開花期は3~5月。

科名 Asteraceae キク科
属名 Calendula  カレンデュラ属(キンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Calendula arvensis L. カレンデュラ・アルウェンシス[草原生の]
一般名 フィールドマリーゴールド(field marigold)、キンセンカ(金盞花)、ホンキンセンカ(本金盞花)、ヒメキンセンカ(姫金盞花)、フユザキキンセンカ(冬咲金盞花)、フユシラズ(冬不知), wild marigold
特徴 欧州中部~南部原産。世界中に拡散。日本には1597年に渡来。もともと本種をキンセンカと呼んでいたが、江戸時代にカレンデュラが渡来して以降そちらをキンセンカと呼ぶようになったため、牧野富太郎がホンキンセンカと改称。一・二年草。草丈30~50cm。株全体に短い毛がある。葉は披針形。花は黄色で、直径4cm。

科名 Asteraceae キク科
属名 Calendula  カレンデュラ属(キンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Calendula suffruticosa Vahl カレンデュラ・スッフルティコーサ[亜低木状の]
一般名 シュラビーマリーゴールド(shrubby marigold), Sicilian marigold
特徴 イベリア半島南部、シチリア島、マルタ島原産。13もの亜種がある。海岸近くの砂地に自生。草丈20~40cm。葉は肉厚でやや毛があり、向軸面は光沢がありって葉縁が波打つ。花は黄色で直径3~5cm。舌状花の先端は3浅裂し2つのくぼみがある。開花は冬期。低温に強く霜に当たっても枯死しない。

科名 Asteraceae キク科
属名 Calendula  カレンデュラ属(キンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Calendula suffruticosa subsp. maritima (Guss.) Meikle カレンデュラ・スッフルティコーサ・マリティマ[(種名)亜低木状の・(亜種名)海浜生の]
一般名 シーマリーゴールド(sea marigold)、 trailing calendula
特徴 シチリア島西部の固有種で絶滅危惧種。海浜植物で耐塩性がある。多年草。草丈20~40cm。茎は基部が木化。茎が自立せずに横に広がる。葉は肉厚で粘着性の毛で覆われている。花は黄色で直径3~5cm。葉に強い香りがある。観賞用に栽培される園芸品種もある。

科名 Asteraceae キク科
属名 Calendula  カレンデュラ属(キンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Calendula stellata Cav. カレンデュラ・ステッラータ[星形の]
一般名 シシリアンマリーゴールド(Sicilian marigold)、スターマリーゴールド(Stern-Ringelblume)
特徴 アフリカ地中海沿岸西部、シチリア島、マルタ島原産。一年草。草丈15~50cm。株全体に短毛がある。葉は細長い披針形~卵形。花は直径2~5cm。花は黄色で、舌状花の先端は3浅裂し2つのくぼみがある。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes erecta L. 
タゲテス・エレクタ [直立した]
一般名 
特徴 Tagetes erecta L.という学名は、かつてはアフリカンマリーゴールドのみを指しており、フレンチマリーゴールドとメキシカンマリーゴールドは別種で、それぞれ〔旧学名(シノニム)〕と記した学名が当てられていたが、現在ではこれらは同種で系統違いとされ、すべて同じ学名になっている。したがって、学名ではこれらを区別できないので注意。本種はいずれもセンチュウ(ネマトーダ)を駆除する対抗植物として重要で、殺線虫成分はα‐テルチニエル。特にサツマイモネコブセンチュウとキタネグサレセンチュウに効果を発揮。ナメクジにもある程度効果がある。殺線虫効果はフレンチマリーゴールドで安定的に高く、草丈も低いので混植に向く。アフリカンマリゴールドは根が深く入ることから輪作などで用いられるが草丈が高くなつと周りの植物の光合成を妨げるのと、効果に品種間差が大きいことから家庭菜園では使いづらい。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes erecta L. 
タゲテス・エレクタ [直立した]
一般名 アフリカンマリーゴールド(African marigold)、センジュギク(千寿菊)、マンジュギク(万寿菊)、Aztec marigold, Mexican marigold, big marigold
特徴 メキシコ原産。一年草。アフリカンマリーゴールドの名は新大陸発見後スペインに導入され、その後アフリカ北部に広がったことに由来。現在、英名ではメキシカンマリーゴールドと呼ばれることが多く、日本で呼んでるメキシカンマリーゴールドと混乱があり、学名を見ても区別できないので注意。草丈30~110cmと大型。 葉は長さ5cmで、奇数羽状複葉の様に11~17枚に深裂し、裂片は細く鋸歯がある。花は野生種は一重だが、園芸品種は八重で直径10cmを超えるものもあり大型。花色は黄、オレンジ。園芸品種では懸賞金付きで白花品種の改良も行われた。アメリカで品種改良が進み、現在の大輪ポンポン咲きが主流になり、これらはアメリカンマリーゴールドと呼ばれることもある。開花期がフレンチマリーゴールドよりも短いため千寿菊と呼ばれる。日本では切り花利用が主。香料原料として、tagetes oilが採取される。インドではリウマチや風邪に中薬では眼痛、感冒、百日咳などに用いる。対抗植物として輪作に用いられる。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes erecta L. 
タゲテス・エレクタ [直立した]
一般名 〔旧学名(シノニム);Tagetes patula L.〕
フレンチマリーゴールド(French marigold)、クジャクソウ(孔雀草)、コウオウソウ(紅黄草)、マンジュギク(万寿菊)
特徴 メキシコ~グァテマラ原産。フレンチマリーゴールドの名は新大陸発見後、フランスを経て欧州に広がったことに由来。一年草。草丈30~50cm。 葉は長さ3cmとアフリカンマリーゴールドよりも小さく、奇数羽状複葉の様に7~9枚に深裂し、裂片は細く鋸歯がある。花は直径3~6cmとアフリカンマリーゴールドよりも小さく、一重、八重のほか、管状花の盛り上がったクレスト咲きなどがある。花色は黄、オレンジ、赤。開花期が長く、花壇花として世界中で多用される。香料原料としても重要。ヒンドゥー教で儀式に多用されるほか、タイではダーオルアンと呼び、1967年にプミポン国王がオランダから持ち帰って以降急速に普及し多用される。氷点下1℃までは枯死しない。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes erecta L. 
タゲテス・エレクタ [直立した]
一般名 〔旧学名(シノニム);Tagetes tenuifolia Cav.〕
メキシカンマリーゴールドシグネットマリーゴールド(signet marigold)、ホソバクジャクソウ(細葉孔雀草)、ホソバコウオウソウ(細葉紅黄草)、ヒメコウオウソウ(姫紅黄草)、striped Mexican marigold, golden marigold, lemon marigold, slender leaf marigold, dwarf marigold, American saffron
特徴 メキシコ~グァテマラ原産。日本ではメキシカンマリーゴールドと呼ばれるが、英名は異なり、英語のMexican marigoldは、アフリカンマリーゴールドをはじめメキシコ原産の多くの種を指すので注意。英語では一般にsignet marigoldと呼ばれる。一年草。草丈40~60cm。 葉は長さ3cmとフレンチマリーゴールドよりも小さく、奇数羽状複葉の様に7~9枚に深裂し、裂片は細く鋸歯がある。花は直径2~3cmとフレンチマリーゴールドよりも小さく、5個の舌状花と7~9個の管状花からなる。黄~赤色の花色により、’レモンジェム’、’イエロージェム’、’オレンジジェム’、’ゴールデンジェム’、’レッドジェム’などの品種がある。花や葉に柑橘系のとてもよい香りがあり、フレンチマリーゴールドの様な臭みもないのでティーやサラダなどで食用におすすめ。対抗植物として重要。伝統医療として、メキシコでは煎じて蛇咬傷の治療に、ペルーでは葉を打撲傷に用いる。また、消化器系の不良にも使用される。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes minuta L. 
タゲテス・ミヌタ [細微の]
一般名 ワイルドマリーゴールド(wild marigold)、シオザキソウ(塩崎草)、southern marigold, muster John Henry, stinking roger, khaki bush, khaki weed, huacatay[ ペルー ], wkataya[ ボリビア ]
特徴 南米原産。新大陸発見後、日本を含む世界中に帰化。和名は1957年に初めて帰化が確認された東京都塩崎町(現江東区塩浜2丁目)に由来。一年草。草丈1~2m。葉は奇数羽状複葉で鋸歯のある小葉を持つ。花は直径1~2cmと小さく、管状花が10~15個、白~淡黄色の舌状花が3~5個。強い芳香があり、tagetes oilと呼ばれる香料原料とされるほか、健胃・駆風・利尿などの効果があり、薬用に供され、食用にもなる。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes lemmonii A.Gray  タゲテス・レンモニイイ [米国の植物学者Lemmon氏への献名]
一般名 レモンマリーゴールド(Lemmon’s marigold, Mt. Lemmon marigold), Mountain marigold, Mexican marigold
特徴 メキシコ北西部~米国アリゾナ州原産。英名は果物のレモンではなく、米国の植物学者のJohn Gill Lemmon氏もしくは彼の妻で植物学者のSara Plummer Lemmonの名を冠したに山の名に因む。多年草。草丈1m。葉は羽状複葉で鋸歯のある小葉を持つ。花は黄色で舌状花は3~8個、管状花は12~30個。乾燥に強く多少の霜でも枯死しない。柑橘系の香りで、茎葉や花をハーブティーやサラダなどに用いる。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes lucida (Sweet) Voss  タゲテス・ルキダ [強い光沢の、輝く]
一般名 ミントマリーゴールド、ニオイマンジュギク(匂万寿菊)、ニオイコウオウソウ(匂紅黄草)、Mexican mint marigold, sweetscented marigold, Mexican marigold, Mexican tarragon, pericón, yerbanís
特徴 メキシコ~グァテマラ原産。多年草。草丈45~80cm。葉は無柄の単葉で線形~楕円形。花は黄色で直径15mmと小さく、舌状花も3~4個と少ない。茎葉に柑橘系の香りがあり、アニス臭あるいはタラゴン臭とも言われ、欧米ではタラゴンの代用でスープなどに利用する。茎葉や花のハーブティーも人気。伝統的に儀式や料理、飲み物、染色、消化器系疾患治療や中枢神経系改善などに用いられる。近年、抗菌性も報告されている。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tagetes タゲテス属(コウオウソウ属、マンジュギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tagetes micrantha Cav.  タゲテス・ミクランタ [小さい花の]
一般名 リコリスマリーゴールド(licorice marigold)
特徴 米国南西部~メキシコ全土原産。一年草。草丈35cm。葉は奇数羽状複葉の様に深裂し、裂片は細く線状、葉長3.5cmと小さい。各茎に1花着生。舌状花はなく、1~6個の管状花を持つ。

科名 Asteraceae キク科
属名 Baileya バイレヤ属
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Baileya multiradiata Harv. & A.Gray ex Torr. バイレヤ・ムルティラディアータ [多くの放射状の]
一般名 デザートマリーゴールド(desert marigold)
特徴 北米南西部~メキシコ北部原産。砂や岩場の沙漠や道路沿いに多く自生。二年草~多年草。草丈20~50cm。茎葉は綿毛に覆われ灰緑色。葉は茎の根元にある。花は黄色で、直径5cm程度。舌状花は35~55個で長さ2cm、花弁の先端は3浅裂し2つのくぼみがある。乾燥に強く、観賞に用いられる。

科名 Asteraceae キク科
属名 Baileya バイレヤ属
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Baileya pauciradiata Harv. & A.Gray バイレヤ・パウキラディアータ [少数の放射状の]
一般名 コロラドデザートマリーゴールド(Colorado desert marigold), laxflower
特徴 北米南西部~メキシコ北部原産。砂や岩場の沙漠に自生。一年草または多年草。草丈10~50cm。茎葉は、綿毛に覆われ灰緑色で線形~披針形の葉を有し、ハハコグサに似る。花は黄色で、舌状花は5~7個と少なく、長さ5~8mm程度と小さい。オドラチンやパウシンなどのセスキテルペンラクトンを含有。

科名 Asteraceae キク科
属名 Baileya バイレヤ属
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Baileya pleniradiata Harv. & A.Gray バイレヤ・プレニラディアータ [たくさんの放射状の]
一般名 ウーリーデザートマリーゴールド(woolly desert marigold)
特徴 北米南西部~メキシコ北部原産。砂や岩場の沙漠に自生。一年草。草丈15~45cm。茎葉は、綿毛に覆われ灰緑色で線形~披針形。葉は茎の上部にある。花は黄色で、舌状花は20~40個あり、長さ1cmと小型で、花弁の先端は3浅裂し2つのくぼみがある。

科名 Asteraceae キク科
属名 Glebionis グレビオニス属(シュンギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Glebionis segetum Fourr. 
グレビオニス・セゲトゥム [(トウモロコシ)畑の]
一般名 コーンマリーゴールド(corn marigold), corn daisy
特徴 地中海沿岸東部原産。欧州、中国北米に帰化。シュンギクと同属近縁種。多年草。草丈80cm。1588年には観賞用に栽培されていた。13世紀のスコットランドや19世紀のドイツでは、駆除を怠ると罰金が課せられるほど深刻な雑草だった。ギリシャやクレタ島では‘neromantilida’と呼ばれる品種がサラダなどで食用に。カルペパーの紹介したマリーゴールドは本種。

科名 Asteraceae キク科
属名 Tithonia ティトニア属(ニトベギク属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Tithonia diversifolia (Hemsl.) A.Gray 
ティトニア・ディウェルシフォリア [不同葉の、種々の葉を持った]
一般名 ツリーマリーゴールド(tree marigold)、ニトベギク(新渡戸菊)、腫柄菊、コウテイヒマワリ(皇帝向日葵)、キダチメキシコヒマワリ(木立墨西哥向日葵)、Mexican tournesol, Mexican sunflower, Japanese sunflower, Nitobe chrysanthemum
特徴 メキシコ~中米原産。外来種として、熱帯~亜熱帯各地に帰化。日本には新渡戸稲造が持ち帰ったと言われている。日本では主として沖縄に自生。草丈2~5m。多年草で基部が木化する。筒状花、舌状花ともに黄~オレンジ色。血糖値を下げるほか、肝機能改善、利尿、水虫治療、捻挫・打撲治療などにも用いられている。緑肥として、途上国での活用が注目されている。

科名 Asteraceae キク科
属名 Arctotheca アルクトテカ属(ワタゲハナグルマ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Arctotheca calendula(L.) Levyns アルクトテカ・カレンデュラ[カレンデュラのような]
一般名 ケープマリーゴールド(Cape marigold), ワタゲハナグルマ(綿毛花車)、capeweed, plain treasureflower, cape dandelion
特徴 南ア原産。ケープ州やクワズール・ナタール州に自生。カリフォルニアや南欧、豪州などのほか日本の三重県や兵庫県にも帰化して自生。ロゼットを呈し、花茎は葉を伴わずタンポポに似る。タンポポと違って匍匐枝を出して広がり、グランドカバーに利用されることもある。葉は深い鋸歯がある。花はマーガレットの様に筒状かと舌状花を持ち、舌状花は黄色。

科名 Asteraceae キク科
属名 Dimorphotheca ディモルフォテカ属(アフリカンキンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Dimorphotheca tragus (Aiton) B.Nord.ディモルフォテカ・トゥラグス [ヤギの(由来は不明)]
一般名 ケープマリーゴールド(Cape marigold), ox-eye daisy, Namaqualand daisy, African daisy
特徴 南アの北ケープ州と西ケープ州の固有種。多年草。草丈45cm。葉は細長く鋸歯がある。花の中心に茶色い筒状花と、その周りに白っぽい黄色からオレンジ色の舌状花を持ち、カレンデュラに似る。

科名 Asteraceae キク科
属名 Dimorphotheca ディモルフォテカ属(アフリカンキンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Dimorphotheca sinuata DC. ディモルフォテカ・シヌアータ [強波状の, 深波状の]
一般名 アフリカキンセンカ、ディモルフォテカ、グランデュラーケープマリーゴールド(glandular Cape marigold), Namaqualand daisy, orange Namaqualand daisy
特徴 南ア西ケープ州、ナマクアランド、ナミビアの固有種。カリフォルニアやアリゾナに帰化。一年草。草丈30cm。花の中心にオレンジ色(品種により黄色)の筒状花と、その周りに鮮やかなオレンジ色の舌状花を持つ。舌状花は品種によって白、淡黄、黄、サーモンなどの色がある。

科名 Asteraceae キク科
属名 Dimorphotheca ディモルフォテカ属(アフリカンキンセンカ属)
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Dimorphotheca pluvialis Moench ディモルフォテカ・プルウィアリス [雨季に花が咲く]
一般名 ケープマリーゴールド(Cape marigold), white African daisy, weather prophet, Cape rain-daisy, ox-eye daisy, Cape daisy, rain daisy
特徴 南アの北ケープ州と西ケープ州、ナミビアの固有種。カリフォルニアに帰化。一年草。草丈40cm。葉は細長い。花の中心に茶色~濃紫色の筒状花と、その周りに白~薄紫の舌状花を持つ。舌状花の背軸面が紫色のものもある。

科名 Asteraceae キク科
属名 Osteospermum オステオスペルムム属
学名/学名のラテン語読み/[種名の意味] Osteospermum spp.  オステオスペルムム
一般名 ケープマリーゴールド(Cape marigold), アフリカキンセンカ, アフリカンキンセンカ, daisybushes, African daisy, South African daisy, Cape daisy, blue-eyed daisy
特徴 オステオスペルムム属は47種あり、アフリカ南部、東部、アラビア半島に分布。ディモルフォテカ属と近縁で2属の区別が難しいものある。観賞用に園芸品種の育種が進んでおり、種間でも容易に交雑することから、O. jucundum、O. ecklonis、O. grandiflorumなどの種間雑種が多く作出されている。RHSのAGMを受賞している品種も多い。品種によって耐寒性が異なるが、氷点下2℃くらいまで耐えるものが多い。

当協会理事
木村正典 きむらまさのり
(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK! プランター菜園のすべて』(NHK 出版)など多数。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第62号 2022年12月