2022.6.29

梅雨どきを乗り切るセルフケア

いりたに内科クリニック院長

入谷栄一

体調の悪い時は無理をせず、体を休めるのが基本。もともと持病や不調のある人は、しっかり治すことが大切です。その上で、気象ストレスに負けないように自律神経の働きを整えていきましょう。

ポイントは、活動時に交感神経が優位に、休息時に副交感神経が優位に働くよう、メリハリのある生活を送ること。実践したい6つの生活習慣をご紹介します。

Point 1 体を冷やさない

体の冷えは、自律神経を乱すもと。薄着、オフィスや電車のエアコン、冷たい飲食物の摂り過ぎなどによる冷えに注意しましょう。梅雨どきは1日の寒暖差が大きく、急に寒くなることもあるので、外出時は1枚はおるものを持っていくとよいでしょう。

湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体内に熱がこもった状態になります。自宅でエアコンを使う時は温度設定を低くし過ぎないようにし、除湿機能を上手に利用しましょう。

飲みものはできるだけ温かいものか常温のものを摂るようにし、冷たいものなら一気に飲まずに少しずつ摂るようにしましょう。

Point 2 適度な運動をする

運動には自律神経を整える効果のほか、血行を改善して体のコリをほぐしたり、ストレスを解消したり、睡眠の質を上げたりする効果が期待できます。梅雨どきには激し過ぎる運動はあまり向きません。やや心拍数が上がる程度のウォーキングを1日30分程度行うとよいでしょう。少し汗ばむくらいの運動をすれば、うまく汗をかける体にもなります。

雨で外出できない時は、家で筋トレやストレッチ、ヨガなどを。動画サイトのエクササイズ番組などを見ながらやるのも楽しく、おすすめです。

Point 3 できるだけ太陽の光を浴びる

心を活性化するセロトニンを分泌させるためには、目から光をとり入れることが必要です。それによりメラトニンもスムーズに分泌されるようになるので、体内時計がリセットされ、睡眠リズムも整います。朝起きたら、まずカーテンを開けるようにしましょう。曇りや雨の日でも一定の照度はあるため、セロトニン分泌に有効です。

梅雨の晴れ間には少しの時間でも外出しましょう。近所を散歩するだけでも気分転換になります。少雨の時に、ちょっとおしゃれな傘とレインシューズで雨の日の散歩を楽しむのもいいものです。

Point 4 ぬるめの湯にゆっくり浸かる

入浴には副交感神経を優位にして心身をリラックスさせる効果があります。日頃シャワーだけで済ませている人は、週に2~3回でもよいので湯に浸かりましょう。熱い湯は交感神経を刺激してしまうので、37~39℃を目安にし、20分くらい時間をかけてゆっくり浸かるのがポイントです。

ハーブを使ったハーバルバスや精油を使ったアロマバスもおすすめです。全身浴だけでなく半身浴、足浴、手浴などいろいろな方法で楽しみましょう。

ただし、片頭痛の人は症状が起こっている時の入浴は悪化を招くので避けてください。

Point 5 睡眠の質を上げる

まず、睡眠環境を整えることが大切です。湿った布団は体に湿気が取り込まれて不調の原因になるだけでなく、ダニやカビの繁殖にもつながります。布団乾燥機か天日干しでカラッとさせましょう。除湿マットやシートなどを敷くのもよいでしょう。

晴れの日には窓を開けて寝室の換気を行い、雨の日や湿度が高い日はエアコンの除湿機能を利用しましょう。除湿機能を使うと部屋が冷えてしまうことがあるので、布団をしっかりかけるようにしてください。

ブルーライトは脳を興奮させてしまうので、寝る前はスマホやパソコンから離れ、寝つきが悪い人や眠りが浅い人は、夕方以降はカフェインの摂取を控えめに。代わりにカモミールやリンデン、ラベンダーなどリラックス系のハーブティーを試してみましょう。

Point 6 効果的な食事を摂る

疲れやだるさを感じる時には、ビタミンB群(B₁、B₂、B₆など)の摂取が有効です。ビタミンB群は肉、魚、乳製品、卵などの動物性食品から効率的に摂ることができます。これらにはセロトニンの材料となるトリプトファンも豊富。体力を落とさないためにも、タンパク質食品の摂取は大事です。

むくみが気になる人は、トウガン、キュウリ、スイカ、ハトムギ、小豆など利尿作用があるものがおすすめです。ただし、体を冷やすものが多いので、ショウガ、玉ねぎ、ニンニクなど香辛料を一緒に摂ると体を冷やし過ぎません。香りのある食材を使うと胃腸の働きがよくなり、体の調子も上向きになります。玉ねぎやニンニクなどには殺菌作用もあるので、この時期注意したい食中毒予防のためにも積極的に取り入れましょう。

イラスト = 糸井みさ

いりたに内科クリニック院長
入谷栄一 いりたにえいいち
総合内科専門医、呼吸器専門医、アレルギー専門医。東京女子医科大学呼吸器内科非常勤講師。在宅診療や地域医療に力を入れる他、補完代替医療やハーブ、アロマに造詣が深く、全国各地で積極的に講演活動も行う。著書に『病気が消える習慣』、『キレイをつくるハーブ習慣』(経済界)など。当協会顧問。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第60号 2022年6月