2021.6.22

アウトドアで植物ともっと仲良くなろう

植物を観察する機会を増やして少しずつ学んでいきましょう

メディカルハーブは意外と身近なところにあり、日本の山野や道ばたに自生しているものも少なくありません。アウトドアではぜひ、これまで学んだハーブがないか、よく観察してみましょう。可能なら、ハーブや植物について分かる人と一緒に行って学ぶのがベスト。そして分かるものを1つひとつ増やしていきましょう。知っている植物が増えていくと、ハーブの学習がもっと楽しくなります。

まず覚えておきたい有毒植物

  • ウルシ(ウルシ科)
  • キョウチクトウ(キョウチクトウ科)
  • クサノオウ(ケシ科)
  • ジギタリス類(オオバコ科)
  • シキミ(マツブサ科)
  • スイセン類(ヒガンバナ科)
  • チョウセンアサガオ(ナス科)
  • テンナンショウ類(サトイモ科)
  • ドクウツギ(ドクウツギ科)
  • ドクゼリ(セリ科)
  • トリカブト類(キンポウゲ科)
  • バイケイソウ類(メランチウム科(シュロソウ科))
  • ハシリドコロ(ナス科)
  • ヒガンバナ(ヒガンバナ科)
  • フクジュソウ(キンポウゲ科)
  • ヨウシュヤマゴボウ(ヤマゴボウ科)

注意が必要なのは、人にとって毒となる「有毒植物」。接触することでかぶれなど皮膚に炎症を起こしたり、誤食によって胃腸症状や中枢神経症状などの中毒を起こしたりします。毒性の非常に高いものでは、最悪の場合死に至るケースも。そもそもハーブは、適切に利用することによって健康に役立つもので、扱い方を間違えると毒にもなり得ます。

アウトドアでの心得として、分からない植物には触れない、食さないこと。分からなかったら、まずは調べてみるという姿勢が大切です。

Pick up

ウルシ

日本各地の山間部で見られる高木。毒性成分としてウルシオールを含み、樹液や葉に皮膚が触れると強い炎症(かぶれ)を起こす。似た種にヤマウルシやハゼノキがあり、これらも触れると炎症を起こす。

キョウチクトウ

庭木や街路樹として植えられ、夏にピンクや白の花をつける。有毒成分としてオレアンドリンを全草、特に種子や枝を折った際の乳液に含み、誤食すると死亡するケースも。生木を燃やした煙も有毒。

スイセン類

各種のアルカロイドが有毒成分。葉がニラやアサツキ、ノビルなどと似ているため、花が咲いていないと誤食されるケースが多く、30分以内に中毒症状を起こす。乳液に触れた場合は、接触皮膚炎を起こす。

◆日本の生活圏や山野でよく見かけるメディカルハーブや有毒植物について、本協会の「日本のハーブセラピスト」コースで学ぶことができます。

イラスト = みやしたゆみ

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第56号 2021年6月