2020.10.1.

食品と医薬品の相互作用

城西大学薬学部医療栄養学科薬物療法学講座准教授

須永克佳

1. はじめに

現在、健康志向が高まっていることに加え医療費の高騰などの事情も加わり、「セルフメディケーション」が注目されている。それに伴いハーブをはじめとしたサプリメントやいわゆる健康食品、あるいはより薬物に近づいた食品である特定保健用食品などの保健機能食品の利用が増加している。セルフメディケーションを効率的にかつ安全に進めるために、治療中の疾患がある場合は医薬品との相互作用に注意を払う必要がある。食品と薬物の相互作用は、ひとたび起これば治療効果の減弱・消失あるいは副作用の発生、さらにコンプライアンスの低下による治療の失敗等、患者にとっても医療者にとっても望まざる状況を招きかねない。これらを回避するためには、医薬品とハーブあるいは健康食品との相互作用を理解して適切に対処していくことが求められている。本稿ではハーブと医薬品の相互作用を理解する基礎とするために食品と医薬品の相互作用について概説する。

2.食品-医薬品相互作用概要

食品と医薬品の相互作用は薬物間の場合と同様に、薬物の吸収・分布・代謝・排泄過程で相互作用が生じ、薬物の血中濃度や組織中濃度の変化が生じる薬物動態学的相互作用と、医薬品の薬理作用と食品の生理作用(機能性)の間で生じる薬力学的相互作用に分類して考えることが可能である。現時点で報告のある食品と医薬品の相互作用は薬物動態学的相互作用のうち吸収過程と代謝過程での相互作用が大多数を占めている。一方、ハーブや健康食品素材などでは、その機能性や生理作用、さらに使用法から医薬品との薬力学的相互作用の報告も多い。

(1)吸収過程での相互作用

食品と医薬品の吸収過程における相互作用には、大別して摂食そのものによる消化器系の生理機能の変化に伴うものと、食品(成分)が薬物自身あるいは生体機能タンパク質へ影響する結果生じるものとがある。前者は、摂食により胃内容排泄速度(GER)、消化管内のpH、胆汁分泌あるいは肝血流などに影響を及ぼし、これらの変化が製剤の崩壊・分散・溶解性、おもな吸収部位である小腸への薬物の移行速度、薬物の膜透過性さらに初回通過効果の程度に影響を及ぼし、薬物の吸収に大きく影響する場合がある。

一方、食品成分と薬物の相互作用には、食品成分への薬物の吸着、キレート形成などにより吸収性が低下したり、あるいは高脂肪食で難溶解性薬物の溶解が進み吸収が増加したりする物理化学的なものや、食品成分が消化管粘膜中での薬物代謝やトランスポーターによる薬物輸送に影響することで吸収を変化させる生化学的なものなどがある。消化管吸収過程はその要因が多いことと高濃度の食品成分が暴露される過程であることから相互作用が最も生じやすいものと考えられる1)。

(2)代謝過程での相互作用

薬物代謝酵素にはシトクロムP450(CYP)、ウリジン二リン酸グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)のほか、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)、スルホトランスフェラーゼ(SULT)、N-アセチルトランスフェラーゼ(NAT)などがある。これらの酵素の中で特に重要なのはCYPであり、CYP3A4(45~50%)、CYP2D6(25~30%)とCYP2C9(10%)で80~90%の処方薬の代謝に関与するとされている2)。これらの薬物代謝酵素が食品成分によって阻害あるいは活性化されたり、遺伝子発現調節作用を介して誘導されたりすることにより基質薬物の代謝が増加あるいは減少することで薬効が影響を受ける。代表的な例では、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョンズ・ワート、SJW)やニンニクは肝臓や消化管のCYP3A4やP-糖タンパク質(P-gp)の誘導を介して基質薬物の血中濃度を低下させて作用を減弱することが知られている(表1)。

(3)CYP3A4に対する食品の影響

薬物代謝酵素は、多くは肝臓に存在するが一部は消化管粘膜にも存在する。よく知られたグレープフルーツの相互作用は主に消化管粘膜中のCYP3A4が阻害される結果生じるとされているものである。また、グレープフルーツのCYP3A4阻害作用はmechanism based inhibition(MBI)と呼ばれ不可逆的な阻害であり、その影響は強く長期に及ぶため重要なメカニズムである3)。このMBIによるCYP3A4阻害作用がin vitroで証明されている他の例として、ルテカルピンやリモネン(ゴシュユなど)4)、リグナン(コショウ、Phyllanthus amarusなど)5,6)、ケンフェロール(Zingiber aromaticumなど)7)、5-メトキシソラレン(ウイキョウなど)8)などが報告されている。さらに我々は最近トマトジュースもグレープフルーツと同等のMBIによるCYP3A4阻害作用があることを報告している9)。その他にサワーオレンジ、赤ワイン、セント・ジョンズ・ワート、クランベリージュース、スターフルーツ、コショウ、紅茶、緑茶、カモミール、イチョウ葉、ザクロ、五味子、麻黄、桂皮などもCYP3A4を阻害することが報告されている。これらはCYP3A4を阻害する作用であるが、逆に活性化あるいは誘導することにより生じる相互作用の報告もある。既出のSJWやニンニクは誘導作用の結果、酵素量が増加するものである。一方、ケルセチン、ルチンあるいはマルベリーに含まれる成分がCYP3A4とP-糖タンパク質の活性を増加させて、結果としてシクロスポリンのバイオアベイラビリティを減少させることも報告されている10,11)。

(4)分布および排泄過程での相互作用

多くの薬物は血中ではアルブミンなどの血漿タンパク質と固有の結合率で結合して存在するが、薬理作用を発揮したり、代謝・排泄を受ける薬物は非結合型薬物である。したがって、食品成分で血漿タンパク質と親和性を持つものがあれば、結合が置換して遊離型薬物が増加し、薬理作用や副作用が増強したり、代謝・排泄が促進されて作用が減弱したりする可能性がある。

尿中排泄に関しても尿細管分泌過程に各種トランスポーターが機能することや、弱酸性または弱塩基性薬物の再吸収過程に尿のpHが影響を及ぼすことから、尿のpHに変化を与える可能性のある食品を考慮することも重要になってくると考えられる。事実、尿を酸性化する大量のアスコルビン酸摂取により、アスピリンなどの酸性薬物の排泄が減少することが知られている。

(5)薬力学的相互作用

食品と医薬品の薬力学的相互作用は、食品の持つ機能性と医薬品の薬理作用の間で生じる相互作用で、医薬品の併用効果に当たるものである。すなわち、食品の機能と医薬品の薬理作用の間で相加・相乗作用や拮抗・阻害作用によりお互いの作用が増強あるいは減弱する相互作用である。よく知られた薬力学的相互作用には、ワルファリンの作用を拮抗するビタミンKの働き、鎮静催眠薬の作用を増強するアルコールや、トルブタミドやセファロスポリン系薬物とアルコールの併用によるジスルフィラム様作用などがある。

ハーブと医薬品の相互作用の一部の例を表1に示した。この中には、薬物代謝酵素あるいはトランスポーター活性への影響や生化学的過程による副作用の発現、薬物動態学的相互作用、薬力学的相互作用など多様なメカニズムによる相互作用が含まれる。特に、ハーブ類には含有するフラボノイド類やテルペン類による抗凝固作用や血小板凝集抑制作用等を有することが知られているものが多く、ワルファリンやアスピリンなど血液凝固系の医薬品との相互作用がかなりの頻度で生じる可能性がある。最近の報告で、ワルファリン、ヘパリン、アスピリン、クロピドグレル、ジピリダモール、チクロピジンの6種の抗血栓薬あるいは抗凝固薬とハーブとの相互作用を文献検索で調査したある研究結果では、90種のハーブについて306件の相互作用に関する報告があり、そのうち194件(63.4%)で因果関係が強く疑われ、そのうち155件(79.9%)が薬力学的相互作用であったことが報告されている12)。この報告の中で注意が必要と思われるハーブを表2にまとめた。


表1 ハーブと医薬品の相互作用例2,13)

ハーブ名:イチョウ葉エキス

主な作用(抗酸化作用、抗血小板作用)
(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:イチョウ葉エキスに抗血小板作用があるため、併用により出血傾向が強くなる可能性がある。
(抗血小板薬)
  • 薬品名:アスピリン / 塩酸チクロピジン / 硫酸クロピドグレル / イブプロフェン / アスピリン / アセトアミノフェン
  • 相互作用:イチョウ葉エキスに抗血小板作用があるため、併用により出血傾向が強くなる可能性がある。
(経口糖尿病薬)
  • 薬品名:クロルプロパミド
  • 相互作用:作用増強(血糖降下作用)、副作用発現一低血糖
(抗てんかん薬)
  • 薬品名:パルプロ酸ナトリウム
  • 相互作用:効果減弱一痙攣(1 例報告)、extract の長期摂取により本剤の血糖降下 作用増強

ハーブ名:エキナセア(エキナケア)

主な作用(免疫力の強化)

(免疫抑制薬)
  • 薬品名:プレドニゾロン/シクロスポリン
  • 相互作用:エキナセアに免疫賦活作用があるため、免疫抑制作用を減弱
(肝毒性のある薬物)
  • 薬品名:スタチン系、フィブラート系、ナイアシン(脂質異常症治療薬)
  • 相互作用:肝障害を起こす可能性があるが、臨床的に問題になったことはない。

ハーブ名:ノコギリヤシ

主な作用(排尿障害の改善)

(卵胞ホルモン薬)
  • 薬品名:エストラジオール
  • 相互作用:相加作用により、静脈血栓塞栓症等の副作用が発現する可能性がある。
(経口避妊薬)
  • 薬品名:エチニルエストラジオール- ノルエチステロン/エチニルエストラジオールレボノルゲストレル/エチニルエストラジオール- デソゲストレル
  • 相互作用:相加作用により、静脈血栓塞栓症等の副作用が発現する可能性がある。

ハーブ名:バレリアン(セイヨウカノコソウ)

主な作用(精神の安定、鎮静- 催眠作用)

(睡眠薬、抗不安薬)
  • 薬品名:向精神薬/抗ヒスタミン薬
  • 相互作用:作用が強くなるおそれがある。

ハーブ名:カモミール

主な作用(湿疹)

(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:カモミール中クマリンまたはクマリン誘導体に抗血液凝固作用があるため、作用が増強される可能性がある。
(抗血小板薬)
  • 薬品名:アスピリン/塩酸チクロピジン/硫酸クロピドグレル/イブプロフェン/アスピリン/アセトアミノフェン
  • 相互作用:カモミール中クマリンまたはクマリン誘導体に抗血液凝固作用があるた
    め、作用が増強される可能性がある。
(経口鉄剤)
  • 薬品名:フマル酸第一鉄/クエン酸第一鉄ナトリウム/溶性ピロリン酸第二鉄
  • 相互作用:作用減弱:鉄―夕ンニン複合体の生成により鉄剤の消化管吸収減少

ハーブ名:オオバコの種子(サイリウム)

主な作用(整腸作用、ダイエット)

(気分安定薬)
  • 薬品名:炭酸リチウム
  • 相互作用:薬物の消化管吸収が減少し作用減弱。
    (向精神薬、抗てんかん薬)
  • 薬品名:カルママゼピン
  • 相互作用:薬物の消化管吸収が減少し作用減弱。
(強心薬)
  • 薬品名:ジゴキシン
  • 相互作用:強心作用の減弱
(経口鉄剤)
  • 薬品名:フマル酸第一鉄/クエン酸第一鉄ナトリウム/溶性ピロリン酸第二鉄
  • 相互作用:作用減弱:鉄―夕ンニン複合体の生成により鉄剤の消化管吸収減少

ハーブ名:チョウセンニンジン(オタネニンジン)

主な作用(免疫力の強化、疲労回復、滋養強壮)

(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:チョウセンニンジンに抗血小板作用があるため、併用により出血傾向が現れる可能性がある。
(抗血小板薬)
  • 薬品名:アスピリン/塩酸チクロピジン/硫酸クロピドグレル/イブプロフェン/アスピリン/アセトアミノフェン
  • 相互作用:チョウセンニンジンに抗血小板作用があるため、併用により出血傾向が現れる可能性がある。
(副腎皮質ホルモン)
  • 薬品名:プレドニゾロン
  • 相互作用:チョウセンニンジンにコルチコステロイド様作用があるため、副作用が強く出る可能性がある。

ハーブ名:エゾウコギ/シベリアニンジン

主な作用(滋養強壮)

(強心薬)
  • 薬品名:ジゴキシン/ジギトキシン/メチルジゴキシン/ジギトキシン/メチルジゴキシン
  • 相互作用:ジゴキシンの作用が強くなる可能性がある。

ハーブ名:カンゾウ(甘草)

主な作用(解毒作用、細胞膜の修復- 強化)

(強心薬)
  • 薬品名:ジゴキシン/ジギトキシン/メチルジゴキシン/ジギトキシン/メチルジゴキシン
  • 相互作用:副作用増強―ジギタリス中毒:カンゾウによりカリウムの腎排泄が促進さ
    れ、低カリウム血症が起こる(偽アルドステロン症)
(利尿薬)
  • 薬品名:スピロノラクトン、トリアムテレン
  • 相互作用:低カリウム血症
(免疫抑制薬)
  • 薬品名:プレドニゾロン
  • 相互作用:甘草の免疫賦活作用により作用減弱、または甘草により血中コルチコステロイド濃度上昇により作用減弱
(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:作用増強―出血傾向:甘草中のクマリンまたはクマリン誘導体による抗凝
    固作用

ハーブ名:クマザサ

主な作用(血行促進、胃腸の活性化)

(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:クマザサはビタミンK を含むため、ワルファリンの作用が減弱することがある。

ハーブ名:ガルシニア

主な作用(ダイエット)

(抗血小板薬)
  • 薬品名:アスピリン
  • 相互作用:ガルシニア- カンボジアにより血中アスピリン濃度が上昇し、出血傾向
    ハーブ名:アカツメグサ
    主な作用(閉経後高コレステロール、更年期障害のほてり)
(卵胞ホルモン製剤)
  • 薬品名:結合型エストロゲン
  • 相互作用:アカツメグサによりGnRH、FSH、LHの産生抑制ため、エストロゲン作用減弱
(抗血小板薬)
  • 薬品名:アスピリン
  • 相互作用:アカツメグサ中のクマリン、クマリン誘導体に抗血液凝固作用があるため出血傾向
(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリン
  • 相互作用:アカツメグサ中のクマリン、クマリン誘導体に抗血液凝固作用があるため出血傾向
(抗悪性腫瘍薬、抗エストロゲン薬)
  • 薬品名:タモキシフェン
  • 相互作用:アカツメグサはエストロゲン値に影響を与えるため作用減弱

ハーブ名:アルファルファ (ムラサキウマゴヤシ)

(抗うつ薬)
  • 薬品名:アミトリプチリン
  • 相互作用:アルファルファは太陽光に対する感受性を高める可能性があるため光感作作用増強
(ニューキノロン系抗菌薬)
  • 薬品名:シプロフロキサシン/ノルフロキサシン
  • 相互作用:アルファルファは太陽光に対する感受性を高める可能性があるため光感作作用増強
(免疫抑制薬)
  • 薬品名:シクロスポリン/プレドニゾロン
  • 相互作用:アルファルファに免疫賦活作用があるため免疫抑制作用減弱
(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:アルファルファ中のビタミンKが抗血液凝固作用減弱

ハーブ名:カバ

主な作用(抗不安- 抗ストレス作用)

(抗不安薬)
  • 薬品名:アルプラゾラム
  • 相互作用:カバに中枢神経抑制作用があるため副作用発現
(吸入麻酔薬)
  • 薬品名:イソフルラン/セポフルラン/ハロタン
  • 相互作用:カバはCYP2El活性を約40%阻害するため、主にCYP2Elで代謝される薬物の血中濃度を上昇させる可能性
(抗てんかん薬)
  • 薬品名:エトスクシミド
  • 相互作用:カバはCYP2El活性を約40%阻害するため、主にCYP2Elで代謝される薬物の血中濃度を上昇させる可能性
(筋弛緩薬)
  • 薬品名:タロルゾキサゾン
  • 相互作用:カバはCYP2El活性を約40%阻害するため、主にCYP2Elで代謝される薬物の血中濃度を上昇させる可能性
(気管支拡張薬)
  • 薬品名:テオフイリン
  • 相互作用:カバはCYP2El活性を約40%阻害するため、主にCYP2Elで代謝される
    薬物の血中濃度を上昇させる可能性

ハーブ名:西洋イラクサ

主な作用(利尿作用、造血作用、消炎作用、尿路炎症改善)

(経口鉄剤)
  • 薬品名:フマル酸第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、溶性ピロリン酸第二鉄
  • 相互作用:鉄一夕ンニン複合体の生成により鉄剤の消化管吸収減少

ハーブ名:西洋サンザシ

主な作用(血管拡張- 強心- 血圧降下- 抗酸化作用)

(経口鉄剤)
  • 薬品名:フマル酸第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウム、溶性ピロリン酸第二鉄
  • 相互作用:鉄一夕ンニン複合体の生成により鉄剤の消化管吸収減少

ハーブ名:西洋わさび- ホースラディッシュ

(甲状腺ホルモン薬)
  • 薬品名:レボチロキシンナトリウム
  • 相互作用:西洋わさびに甲状腺機能の抑制作用があるため、甲状腺機能検査に影響

ハーブ名:フィーバーヒュー

主な作用(偏頭痛改善、抗炎症作用、苦味健胃作用、鎮痙- 鎮静作用、血管拡張- 弛緩作用)

(経口鉄剤)
  • 薬品名:フマル酸第一鉄/クエン酸第一鉄ナトリウム/溶性ピロリン酸第二鉄
  • 相互作用:鉄一夕ンニン複合体の生成により鉄剤の消化管吸収減少、副作用発現―出血傾
(解熱鎮痛薬)
  • 薬品名:イブプロフェン
  • 相互作用:解熱鎮痛作用減弱(作用機序不明)
(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリンカリウム
  • 相互作用:フィーバーフューに抗血小板作用があるため、併用すると出血傾向が強くなる可能性がある。
(抗血小板薬)
  • 薬品名:アスピリン/塩酸チクロピジン/硫酸クロピドグレル/イブプロフェン/アスピリン/アセトアミノフェン
  • 相互作用:フィーバーフューに抗血小板作用があるため、併用すると出血傾向が強くなる可能性がある。

ハーブ名:ブラックコホシュ

主な作用(月経障害改善、更年期障害改善、鎮静- 鎮痛- 解熱作用 )

(抗うつ薬)
  • 薬品名:アミトリプチリン/イミプラミン/ノルトリプチリン
  • 相互作用:ブラックコホシュはCYP2D6 活性を約7%阻害するとされており、薬物の血中濃度が上昇する可能性
(抗精神病薬)
  • 薬品名:ハロペリドール/ペルフェナジン/フルフェナジン
  • 相互作用:ブラックコホシュはCYP2D6 活性を約7%阻害するとされており、薬物の血中濃度が上昇する可能性
(抗不整脈薬)
  • 薬品名:フレカイニド/プロパフェノン
  • 相互作用:ブラックコホシュはCYP2D6 活性を約7%阻害するとされており、薬物の血中濃度が上昇する可能性
(β遮断薬)
  • 薬品名:プロプラノロール/メトプロロール
  • 相互作用:ブラックコホシュはCYP2D6 活性を約7%阻害するとされており、薬物の血中濃度が上昇する可能性

ハーブ名:セント・ジョーンズ・ワート/セイヨウオトギリソウ

主な作用(抗うつ作用)

(抗HIV薬)
  • 薬品名:インジナビル
  • 相互作用:薬物代謝酵素誘導により作用減弱、またはSJW含有食品を摂取している患者は、SJ W含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状が現れるおそれがあるので、十分な注意を払いつつSJW含有食品の摂取を中止する必要がある。
(強心薬)
  • 薬品名:ジゴキシン
  • 相互作用:薬物代謝酵素誘導により作用減弱、またはSJW含有食品を摂取している患者は、SJ W含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状が現れるおそれがあるので、十分な注意を払いつつSJW含有食品の摂取を中止する必要がある。
(免疫抑制薬)
  • 薬品名:シクロスポリン
  • 相互作用:薬物代謝酵素誘導により作用減弱、またはSJW含有食品を摂取している患者は、SJ W含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状が現れるおそれがあるので、十分な注意を払いつつSJW含有食品の摂取を中止する必要がある。
(気管支拡張薬)
  • 薬品名:テオフィリン
  • 相互作用:薬物代謝酵素誘導により作用減弱、またはSJW含有食品を摂取している患者は、SJ W含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状が現れるおそれがあるので、十分な注意を払いつつSJW含有食品の摂取を中止する必要がある。
(血液凝固防止薬)
  • 薬品名:ワルファリン
  • 相互作用:薬物代謝酵素誘導により作用減弱、またはSJW含有食品を摂取している患者は、SJ W含有食品の急な摂取中止により好ましくない症状が現れるおそれがあるので、十分な注意を払いつつSJW含有食品の摂取を中止する必要がある。
    (経口避妊薬、その他多数)

ハーブ名:ニンニク

主な作用(コレステロール低下、血小板凝集抑制、血圧低下作用)

(抗HIV薬)
  • 薬品名:サキナビル
  • 相互作用:ニンニクによるCYP3A4誘導作用によると思われる作用減弱
(抗凝固薬)
  • 薬品名:ワルファリン
  • 相互作用:抗血液凝固作用の報告があり、作用増強

3.おわりに

近年、健康志向の高まりとセルフメディケーションの推進によりハーブや健康食品と医薬品の相互作用の懸念が高まっているといえる。医薬品の場合は他薬との相互作用について、開発段階から研究され、投薬時には相互作用チェックも行われるが、ハーブや健康食品ではそのような研究やチェック機構が未整備の状態である。今後は医薬品との相互作用について体系的に調査・研究し、情報と知識を集積していくとともに、情報を共有するシステム作りが必要である。

強く影響する可能性のあるハーブ
6種の医薬品との相互作用が確認されたハーブ:
セロリ、カモミール、タンジン、ドンクアイ(トウキ)、マツヨ イグサ、フェヌグリーク(コロハ)、ニンニク、ショウガ、イチ ョウ、セイヨウトチノキ、カンゾウ、ムラサキツメクサ(アカ ツメクサ)、レイシ(マンネンタケ)、ウコン、ヤナギ
6種の医薬品の少なくても1品目と相互作用が確認されたハーブ:
キャッツクロー
弱いが影響する可能性のあ るハーブ
6種の医薬品との相互作用が確認されたハーブ:
アンドログラフィス、ミツガシワ、カイエンペッパー、クローブ、 亜麻仁(フラックス)、クズ、タマネギ、ノコギリヤシ
6種の医薬品の少なくても1品目と相互作用が確認されたハーブ:
アロエベラ、アサフェディダ、ダイダイ、クロスグリ種子、ゴ ボウ、カシア、キナノキ、フキタンポポ(カントウ)、ダイオウ、 ユーカリ、クコ、マリアアザミ(オオアザミ)、ナツメグ、シャ クヤク、ローヤルゼリー、ベニバナ、ダイズ、セイヨウカノコ ソウ、ノコギリソウ
表2 血液凝固系へ影響するハーブ12)

(参考文献)


1)須永克佳: 栄養 評価と治療(メディカルレビュー社)26(,2009).
2)森本雍憲監訳: 医薬品-食品相互作用ハンドブック(第2版),(2011).
3)H. Takanaga, et al.: Clin Pharmacol Ther 67,(2000).
4)H. Iwata, et al.: Drug Metab Pharmacokinet 20(,2005).
5)T. Usia, et al.: Life Sci76(,2005).
6)T. Taesotikul,etal.: Drug Metab Pharmacokinet 26(,2011).
7)T. Usia,et al.: Biol Pharm Bull 28(,2005).
8)Subehan, et al.: J Agric Food Chem55(,2007).
9)K. Sunaga,et all.: Biol Pharm Bull 35,(2012).
10)C.P. Yu, et al.: J Agric Food Chem 59,(2011).
11)P.W.Hsu,et al.: J Agric Food Chem 61(2013).
12)H.H.Tsai,et al.: PLoS One 8,(2013).
13)治療薬マニュアル2014(医学書院).

城西大学薬学部医療栄養学科薬物療法学講座准教授
須永克佳
課程中退後城西大学薬学部薬学科助手(薬理学講座)、1996年博士(薬学)(千葉大学大学院)取得、2001年医療栄養学科開設に伴い講師(薬物療法学講座)、2005年准教授(同)、現在に至る。専門:薬理学、薬物食品作用学。主な著書:『医薬品-食品相互作用ハンドブック』(丸善)、『生活習慣病治療薬・基礎と活用』(カザン)、『やさしくわかりやすい食品と薬の相互作用基礎と活用』(カザン)、『病気予防百科』(日本医療企画)など。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第28号:2014年6月

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