2017.9.1.

【ヘアケア】毛髪の源は頭皮にあり

(株)ウェーブコーポレーション美容インストラクター JAMHA認定ハーバルプラクティショナー

楠瀬智子

髪は顔の額縁です

髪の質感やヘアスタイルは人の見た目の印象を左右する大きな要素のひとつです。

額縁次第で絵の美しさがさらに際立ったり、逆に絵のよさが半減することもあるように、その人の魅力の増減に関わる毛髪ですが、老若男女問わず髪の悩みはさまざまです。

髪を健康にするための源は頭皮(毛根)です。血液循環を促し、必要な栄養と酸素を供給することが頭皮トラブルを軽減させて、本来の健康な毛髪の成長へとつながります。

ダメージへアの原因

毛髪は熱や摩擦、アルカリに対して弱い性質があるので、ドライヤーやアイロン、無理やり引っ張るようなブラッシング、パーマ剤やカラー剤などは、当然髪の毛の損傷につながります。

また強い日差しは要注意!紫外線により髪の主成分であるたんぱく質が変性を起こし、毛髪の色調があせてくるので、艶がなくパサついた髪になります。強い紫外線は頭皮の炎症を起こす原因にもなります。

日々のシャンプーで髪と頭皮を傷つけている方が非常に多くいるようです。ゴシゴシ擦るように洗ったり、熱めのお湯で洗ったりすると、頭皮や髪の損傷や必要な油分の取りすぎにつながります。

また、シャンプーに含まれる洗浄成分や脱脂成分、抗菌成分、そのほか化学物質により頭皮と髪は無防備な状態になり、艶やコシがなくなり、抜け毛につながる場合もあります。

そして、シャンプー後には保湿剤としてリンス・コンディショナーを使い、髪の毛をコーティングします。

それらに含まれる保湿成分である化学物質は髪や頭皮の毛穴を塞いでしまいます。

またリンス・コンディショナーは軽く洗い流すだけという方もいらっしゃいますが、それは界面活性剤などの化学物質を髪や頭皮に残すことになり、結果、頭皮トラブルや脆く傷つきやすい毛髪をつくる原因となります。

シャンプー前の丁寧なブラッシングとぬるま湯での予洗いで、大部分の汚れは落ちるのです。

できるだけ植物と自然由来の良質な成分でできた安心して使えるシャンプーを選び、リンスは頭皮につかないように髪にのみ塗布をし、十分にすすぐようにしましょう。

髪の状態が悪いからと、「対症療法」と知りつつリンスやアウトバス製品をたっぷり使っているという方も多くいると思います。

髪の毛は死んだ細胞の集まりですので、一度傷ついた毛髪はケアをしても元に戻ることはなく、自力では修復できません。

傷んだ髪の改善には、傷んだ部分をカットして、しっかり予防しながら伸ばしていくことが必要ですので、長い時間が必要になってきます。

植物を育てるには土壌から、美髪づくりは頭皮から

毛髪は頭皮の中の見えない部分が成長し伸びますので、頭皮に埋まっている毛根の健康が重要になります。

そして頭皮と髪をつくる栄養や酸素が循環している身体をつくることが頭皮環境の改善につながります。頭皮と髪の関係は土と植物に例えられます。

適度な水分と栄養に恵まれた柔らかくフカフカな状態の土には生命力のあふれるイキイキとした植物が育つように、弾力があって水分・油分のバランスがよく、ある程度の厚みがある頭皮には栄養を運ぶ毛細血管が張り巡らされています。

そして毛乳頭が酸素や栄養を吸い上げ毛母細胞に送ることで、毛母細胞は分裂・増殖し毛髪は育まれていきます。

反対にカサカサに乾燥していたり、泥状態であったり、栄養が足りず汚れた土では植物は元気を失い、新たな芽を育てることもできません。

頭皮環境を健やかにすることは、健康的で元気な髪をつくる土台を整えることになるのです。

頭皮と髪をつくる内面ケア

食事面では、髪の主成分であるたんぱく質と髪のツヤに関わる良質な脂質、代謝を促すミネラル類、特に発毛ミ

ネラルともいわれる亜鉛や髪にハリを与えるケイ素の摂取。抗酸化力の高い植物性食品でビタミンやフィトケミカルを補給し、頭皮と髪の老化を防ぎます。また髪は夜に作られるともいわれているので、質の高い睡眠を心がけるようにします。
そして血液循環が良好となるように、副交感神経が優位になる時間をきちんとつくる、入浴で身体を温める、適度な運動、ときには頭部のマッサージなどをすることで、頭皮と髪に栄養や酸素が行き渡りやすくなります。

 

(参考文献)

1)朝田康夫監修,美容の医学,美容皮膚科学事典,中央書院
2)エステティシャンのための皮膚科学,日本エステティック業協会

(株)ウェーブコーポレーション美容インストラクター JAMHA認定ハーバルプラクティショナー
楠瀬智子 くすのせ・ともこ
AEAJ認定アロマセラピスト、日本フィトセラピー協会認定フィトセラピーインストラクター、日本エステティック業協会認定上級エステティシャン。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第41号 2017年9月