2022.5.31

薬用植物園見学会 in 兵庫 神戸市立森林植物園

メディカルハーブコーディネーター

滝井一美

日程:2021年10月19日(火) 会場:神戸市立森林植物園

家の近くではないところのちょっと別世界の植物園見学を期待していた時、こちらの見学会を見つけました。神戸市立森林植物園と翌日の京都薬用植物園の連日のフィールドイベントです。「一泊で続けて2か所行きたいところに行ける」「この2日間は仕事を休んでも大丈夫な時期」「行こう」の短絡的思考ですぐさま申込みを決めました。

当日、朝、新幹線に乗り込み電車を乗り継いで最寄りのバス停へ。バスに乗り込みます。道を進むにつれ森林がバスを囲み、森林植物園への期待感が高まります。到着した森林展示館の正面には、世界一の巨木「ジャイアントセコイア」の輪切り(樹齢約2000年)がドーンと陣取り、圧倒的迫力で私たちを出迎えてくれました。

まずは、座学です。例えばキノコが樹木を枯らせてしまうことがあるけれども、これが微生物の食物となり、土が肥え、森林全体の「共生」として大事であることや、樹木の分類方法も最近は遺伝子で区分することが多くなっていること等を学びました。そして、「樹木は言葉を発することができず、動くこともできないからこそ、樹木たちが発信しているメッセージを聞いてほしい」というとても考えさせられる講師の先生のメッセージを受け取りました。

実物の見学は、あじさい坂、つつじ・しゃくなげ園、もみじ坂等の身近な日本の樹木をはじめ、シアトルの森、天津の森等国際親善の樹木のある広い園内です。そこで「もみじ」という名称の樹木はないことやキンモクセイやソメイヨシノは挿し木で増やすクローンで、同じ遺伝子をもつからすべて同じ香りであること等興味深いお話をうかがいました。

多くの学びをいただいたところですが、今、当時のことを思い起こしながら考えることは、参加している方と言葉を交わしたところでの記憶はしっかり残っているということです。お仲間で参加している方も多い中で私は単独での参加であったため言葉のやり取りは多くはなかったのですが、それでも少しでも何気ない言葉を交わした場面の方がしっかりと頭の中に残っています。せっかく参加するのであれば、無理しなくてもいいけれど、コミュニケーションすることは大事だなあと今更ながら感じた旅でした。この見学会でお世話になった方々、皆様に御礼申し上げます。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第58号 2021年12月