2020.12.30.

風邪発症時のビタミンCとD、亜鉛、エキナセアの免疫相互作用(物理的バリア、自然免疫、適応免疫)の重要な役目

日本メディカルハーブ協会国際情報委員

國分裕子

海外旅行の風邪にはエルダーベリー

風邪に効くハーブは、エキナセアやエルダーフラワーなどが挙げられます。2017年3月のオーストラリアの論文(①参照)では、エルダーベリーは、海外旅行中の風邪の重症度と罹患期間を減少することがわかりました。飛行機は気圧や温度の変化で、体調を崩しがちです。楽しい旅行の為にも、ハーブを有効活用したいですね。

免疫力アップに有効なハーブ、食材

免疫力がアップするといわれているハーブや食材には何があるでしょうか? 北米のインディアンが使用していたエキナセアには、エキナコシドなど、免疫賦活作用のある様々な物質が含まれています。2018年のイタリアの研究では、エキナセアの摂取は、ビタミンBやD、亜鉛と共に、免疫防御システムのバリア効果があると発表しました(②参照)。

また、ニンニクには、ビタミンB1やアリシンが含まれ、疲労回復に役立ちます。2012年のアメリカの研究では、ニンニクの摂取は、ガン細胞を攻撃するガンマデルタT細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞の増殖を促し、免疫機能を強化することが分かりました(③参照)。

そして、クコ(ゴジベリー)にも、ベータカロテンに強い抗酸化力があります。2012年の中国の研究では、クコが免疫グロブリンGやインフルエンザの陽転率(陰性の抗体が陽性に変化する割合)を高め、防衛力を強化しました( ④参照)。冬に蔓延する風邪やインフルエンザは、免疫力をアップして乗り切りたいですね。

①エルダーベリーのサプリメントは、 海外旅行者の風邪の症状と罹患期間を軽減

オーストラリアからエコノミークラスの飛行機で海外旅行をした312人に、二重盲検で無作為に、エルダーベリーのサプリメントまたはプラセボを投与したところ、旅行直前、直後4日間の風邪の罹患期間はプラセボ群でより長く、症状は重症でした。
Nutrients. 2016 Mar 24;8(4):182.

②風邪のセルフケア:風邪発症時のビタミンCとD、亜鉛、エキナセアの免疫相互作用 (物理的バリア、自然免疫、適応免疫)の重要な役目

風邪予防と免疫細胞クラスター(分化・調整)に関する研究82件を調査したところ、ビタミンCとD、亜鉛、エキナセアに免疫システムのバリア効果がありました。エキナセア抽出物2,400mgの4ヶ月間以上の摂取は、風邪の予防と治療に効果があるようです。
Evid Based Complement Alternat Med. 2018 Apr 29;2018:5813095.

③熟成ニンニク抽出物は、風邪とインフルエンザの重症度を低下する

健康な120人に、熟成ニンニク抽出物2.56gまたはプラセボを90日間投与したところ、ニンニク群のガンマデルタT細胞とNK細胞が良好に増殖し、風邪とインフルエンザの症状数、罹患日数、発生率が減少しました。免疫細胞の機能増強で、重症度が低下した可能性があります。
Clin Nutr. 2012 Jun;31(3):337-44.

④ 牛乳ベースのクコ製剤による高齢者の免疫調節作用

中国の健康な高齢者150人に、牛乳ベースのクコ製剤13.7gまたはプラセボを3ヶ月間投与したところ、インフルエンザワクチン接種後のクコ群の免疫グロブリンG値と抗体の陽転率が上昇しました。抗原の攻撃への反応能力が高まり、免疫防衛力が強化されました。
Rejuvenation Res. 2012 Feb;15(1):89-97.

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第46号 2018年12月