2020.11.1.

フラボノイドの豊富な果物の摂取と虚血性心疾患の発症リスクとの関連(国立がん研究センター社会と健康研究センター)

フラボノイドは、果実、お茶、チョコレート、ナッツや赤ワインなどに多く含まれるポリフェノールの一種です。これまで動物を用いた研究では、フラボノイドやフラボノイドの豊富な果物が血管内皮を保護することや、血清脂質を改善させることなどが報告されています。欧米の疫学研究では、フラボノイドの豊富な果物の摂取が虚血性心疾患の発症リスクの低下と関連するという報告はありますが、アジア人においてフラボノイドの豊富な果物の摂取と虚血性心疾患の発症リスクとの関連は明らかではありませんでした。 今回の研究では、フラボノイドの量が100g当たり50mg以上の果物をフラボノイドの豊富な果物と定義し、この中には、りんご、なし、柑橘類(みかん、その他の柑橘類)、いちご、ぶとうが含まれます。食事調査アンケートの摂取頻度と、1回に摂取する量から1日当たりのフラボノイドの豊富な果物と、その個々の果物の摂取量をそれぞれ算出し、摂取量を5つのグループに分け、摂取量が最も少ないグループを基準として、その他のグループのその後の虚血性心疾患の発症リスクを検討しました。

本研究では、フラボノイドの豊富な果物の摂取量が多いほど、特に柑橘類において、虚血性心疾患の発症リスクが低かったことが分かりました。この理由として、フラボノイドやビタミンCによる抗酸化作用が、動脈硬化の抑制、および炎症を抑えることなどにより、虚血性心疾患の発症リスクを予防したことが考えられます。海外で行われたメタアナリシス研究では、りんごの摂取と虚血性心疾患とのリスク低下について報告されていますが、フラボノイドはりんごの皮に多く含まれており、日本ではりんごの皮をむいて食べることから、今回の結果では関連がみられなったことが考えられます。

https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8497.html