2011.12.2.

EUハーブ禁止令 5月1日より施行

日本メディカルハーブ協会国際情報委員会

翻訳:椎名佳代、JAMHAコメント:桂川直樹

(原題:EU herb ban technically starts today! 2011年5月1日 ANH International ホームページ掲載 著者: Robert Verkerk PhD, Executive and science director, ANH International)

EUでは今年5月1日からハーブ製品に対して厳しい規制が設けられることになりました。
この新規制(伝統的ハーブ治療薬指令:THMPD)の導入について、10年も前から計画されていたにもかかわらず、これまでに充分な議論がされてこなかったため、多くのハーブ製品の販売が違法となってしまいます。漢方(TCM)、チベット医学、アーユルヴェーダなど有用でかつ効果が高いほとんどのハーブ製品が影響を受けることになるでしょう。

署名運動に今すぐ参加を!
この新規制が不適切だと考える方はぜひ署名活動に参加しましょう。親しい友人・知人にも署名活動に参加していただけるよう依頼しましょう。多くの方々がこの新規制に反対していることを、欧州委員会、欧州医薬品庁、EU政府、欧州議会などに示していく必要があります。

この新規制の下では、ハーブ薬には登録手続きが必要になります。これまでにおおよそ200種類のハーブだけが複雑な基準をクリアしています。登録された製品の多くは一種類のハーブをアルコールで抽出して作られたもので、比較的最近よく見られる植物由来のハーブ薬です。一方で、アーユルヴェーダ、漢方など古くから発展し進化してきたホリスティックな医療体系を持つ複数のハーブを用いた製品はEUから締め出されることになりそうです。そのほかの栄養補助の機能性が認められている製品も対象となります。ハーブの原材料に治療効果があるとみなされた途端、その原料を含む製品のすべてが登録の対象となり、サプリメントとして販売ができなくなります。

即座には施行されることはありません!
この新規制が施行されても、5月2日(月)から店頭にあるハーブ薬がすべて撤去されてしまうわけではありません。植物由来のサプリメントとしてすでに流通している製品が多くあり、各国の規制当局は混乱を回避するために慎重に対応するでしょう。EU諸国の中でもオランダやチェコのようにリベラルな国では、漢方やアーユルヴェーダに寛容であり、急に規制を強化することはないと考えられます。その一方でイギリスやドイツは新規制のルールに対応してこれまでに多くの商品を登録しているため、より厳しい対応となるでしょう。この2か国と、そのリーダシップに追随する国は薬理作用のあるハーブ原料を含むサプリメントをすべて医薬品とみなし、登録がなければ市場から撤去していくでしょう。

結局イギリスでも慎重な対応が見られ、混乱回避のための方策として4月30日までは未登録のハーブ薬の販売を認めています。つまり実質的に消費期限(おおよそ2~3年)までの移行措置期間を設けたことになります。

ANHの挑戦
この新規制によって多くのハーブ製品が販売できず損害が発生してしまいます。ANHとしては法的手段に訴える予定です。ヨーロッパ全域の各関係者との調整を進めており、間もなく起訴の準備が整う予定です。自然療法に向けられたこのような不当な行為に、専門的な知識を持つ有能な弁護士とともに最善を尽くしていきたいと考えています。

訴訟費用を寄付してご支援いただいた皆様に心からお礼を申し上げます。また、この新規制がどのようなものかについての社会的な認知度を高め、署名運動に参加していただいた皆様にも大変感謝いたします。

今後ともできるだけ多くの方が署名活動にご参加いただけをますようご協力をお願い致します。

健康と自然のために。

(訳:椎名佳代)

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ハーブ療法および伝統療法のプラクティショナー養成講座に申し込む前に
(原題:Signing up to train as a herbal/traditional medicine practitioner? Consider this (February 2011) … 2011年6月 EHTPAホームページ掲載)

イギリス政府はハーバリストが法的な規制を受けるべきかどうかを決定しようとしています。

ハーバリストの養成・訓練や資格認定について信頼できる基準を持っている協会(当会:EHTPAも含まれます)の会員に対しても法的な資格を与えるでしょう。

保健省委員会の2008年報告書
イギリス保健省はマイク・ピッティロ教授(Mike Pittilo)を委員長として鍼灸、ハーブ療法、漢方、その他の伝統医療に従事するプラクティショーへの法的規制を検討する委員会(DH Steering Group)を設立しました。この委員会は2008年の報告書のなかで適格認定基準に従い、多数の認定講座の概要とその評価を発表しています。(NIMHなどの団体の講座が認められています。)

これまではとくに免許がなくてもプラクティショナーとしての開業が可能でした。それが今後はすべて登録制になります。既得権者を保護するために設けられる移行期間内であればEHTPAやNIMHなどの法的な資格を得られる予定の協会の会員ではないプラクティショナーでも、登録申請することはできるでしょう。ただし、その場合でもその審査は個別に行なわれることになります。

現段階ではどの養成訓練プログラムが法的な資格を得られるか具体的なことは決められていません。ただし、資格認定のための講座受講を予定しているのでしたら、保健省委員会の2008年報告書を参考にするのがよいでしょう。この報告書には大学とEHTPAの両方で認定を取得している講座も掲載されています。またEHTPA以外の認定機関についての情報が掲載されています(NIMHなどのこと)。どの認定機関を選ぶにせよ、構成のしっかりした認定機関を選ぶと良いでしょう。この報告書にはEHTPAのコアカリキュラムも紹介されていますのでご参照ください。ハーバリストの養成講座の受講を検討されている皆様にはしっかりした認定機関によって格付けされている講座を慎重に選んでいただければと思います。

コアカリキュラムでは薬理学のいくつかの分野に加えて、西洋医学の知識および技術についても相当量を学ぶべきでしょう。プラクティショナーは患者の内科診察をすることになるわけですから、自身の能力の限界を知ることも大切です。西洋医学に対しての十分な知識を習得して、患者を医師に紹介するタイミングを見極めることができるのもプラクティショナーの責務です。

法的規制を受けるハーブ療法および伝統療法プラクティショナー
2月16日にアンドリュー・ランズレー保健省大臣はハーブ薬を処方する全てのプラクティショナーは医療専門家評議会を通じて法的規制を受けることを書面で発表しました。大臣は「これによりプラクティショナーが確実に指定の登録基準を満たせば」、本年4月30日以降、THMPDの新規則の施行後もプラクティショナーは製造認可がされていないハーブ薬を引き処方できると説明しました。

2000年に上院科学技術委員会が補完医療についての報告をまとめて以来、ハーバリストの法的規制は10年以上も検討されてきました。2001年、政府はこの規制を進めることに合意し、ハーバリストの規制と鍼灸師の規制を検討するそれぞれ独立した2つの委員会を設立して調査を行ってきました。2つの委員会は2003年にそれぞれ報告書を発表し、翌年に保健省がハーバル・プラクティショナーの法的規制に関するパブリック・コンサルテーションを実施しました。2005年にパブリック・コンサルテーションの結果が発表され、98パーセントが法的規制に好意的との結果が得られています。同年、保健省はこの法的規制のスケジュールを発表しましたが、総選挙とハロルド・シップマン医師の連続殺人事件対する国民の抗議活動が盛んだったため、進展が大幅に遅れました。新たに発足した労働党政権はハーブに対する規制を一旦保留にしたうえで、医師から病院内の雑用係まですべての医療従事者の規制を見直すことを優先しました。その間、政府はマイク・ピッティロ教授(Michael Pittilo)を委員長とする別の委員会を保健省に置き、ハーブ薬、漢方、鍼灸を統合して、これらに対する最善の規制を施行するためのアドバイスを受けることを決めました。

このようななか、ピッティロ教授は2008年に報告書をまとめ、規制を導入するための具体的な施策の概要を示しました。これを受けて政府は2009年に2度目のパブリック・コンサルテーションを実施しました。このようなパブリック・コンサルテーションの回答者は通常40~60人程度ですが、このパブリック・コンサルテーションには6,500件を超える桁外れの回答があり、とても関心が高かったようです。上院がハーバリストの法的規制を求め、政府はやっとハーバリストの法的規制を進めるべきだと決定し、イギリス連邦のすべての政権(スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)がこれに合意したことを受けて、2011年2月16日にランズレー大臣により発表される運びとなったわけです。保健省大臣の発表と同時に公表された2009年のパブリック・コンサルテーションの結果では大多数(85%の回答)が法的規制に賛成し、ハーバリストが法的に規制されるべきであるという民意が明らかになりました。

ハーブ療法の規制は患者の安全にとっての勝利
ロバート・ゴードン大学の前学長兼副総長であったマイク・ピッティロ教授は2010年2月に55歳で癌により亡くなりました。ピッティロ教授はハーバリスト規制の必要性を断固として唱えてきました。彼の死後ちょうど1年の節目に、ハーブ療法への規制は大きな転換点を迎えたことになります。

ピッティロ教授はチャールズ皇太子の統合医療財団に深く関わり、2003年には保健省運営グループの委員長を務め、ハーバリストの規制を提言する報告を発表していました。

昨年、ピッティロ教授はこの功績により大英勲章第五位(MBE)を受賞しました。教授の死後一周忌となる2月16日に、保健省アンドリュー・ランズレー大臣が議会で彼の研究成果を認め、初めてハーブ療法への規制実施を決定することを発表しました。ランズレー大臣はイギリス連合国の4つの国すべてにおいてプラクティショナーは医療専門家評議会により法的に規制されるべきであり、プラクティショナーが定められた基準を確実に満たすために登録を開始すると下院で述べています。「この決定により長い間続いた問題が解決し、ハーブ療法を活用するプラクティショナーや市民の利益になることを嬉しく思う。」と大臣は付け加えました。

ピッティロ教授の未亡人、キャロル・ブロウ博士はこのニュースを「患者の安全にとって真の勝利」と呼び、「最も重要なのはマイクが心配していた患者の安全です。ハーブ療法は天然由来のため一見すると安全のように見えますが、毒性があるものもあり、人が死に至ることもあるのです。」と語りました。「何年にも渡る論争が終わり、正式な規制が始まるので安心しました。今は、誰でもプラクティショナーとして仕事を始めることができ、有毒物質が患者さんに処方されてしまう可能性もあるのです。マイクも提言が認められてとても喜んでいるでしょう。」発表がまさに教授の一周忌の当日に行われたことは「信じられないくらい象徴的」なことであるともブロウ博士は語りました。

ロバート・ゴードン大学学長代理、ジョン・ハーパー教授はこのニュースについて「マイクの影響力が継続しているもうひとつの実績」であり、「大きな課題の解決を大成功させたことを示している」と語っています。

(訳:椎名佳代)

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上記2つの掲載文についてのJAMHAコメント

ヨーロッパではハーブを規制する新しいルールが施行されました。
上記2つの掲載文では、この新しいルールの適用に対して、賛否ほぼ正反対の意見が述べられています。この意見の違いは、それぞれの団体の立場や主張の違いによるものでしょう。はじめの掲載文はハーブ薬を取り締まる規制に対してEU政府を相手に提訴しようというものです。もう一つはハーバリストの教育を認定する協会からのもので、ハーブへの規制(この場合はハーブとプラクティショナーと双方に対して)を歓迎しています。この協会はこれからプラクティショナーを目指すハーバリストに対して、登録制度上有利な自分の組織が認定した教育機関・教育カリキュラムを選択するように促しています。

この新しいルールとはTHMPD(伝統的ハーブ治療薬指令 European Directive 2004/24/EC)と呼ばれているもので、欧州委員会が7年前にEUで流通する伝統的ハーブ治療薬はすべて登録制とするように定めたものです。その移行期限を2011年4月30日までとしていたため、7年間の移行期間を経てTHMPDが完全施行されたと見なされています。伝統的ハーブ治療薬とはハーブ薬、漢方やアーユルヴェーダなど伝統療法およびその製品のことで、ハーブティーは含まれません。

EUの指令(Directive)とは
今回のTHPMDは、規制(Regulation)ではなく、指令(Directive)であることに留意する必要があります。欧州委員会では、すべてのEU構成国の代表によって、拘束力の異なるさまざまな議案が提出されています。ダイレクトに加盟国に適用され、各国における立法手続きを要しないのが、規制(Regulation)です。一方で指令(Directive)とは各国が目標達成の義務を負うことになりますが、その達成の方法や形式については各国の裁量に委ねられています。THMPDは「指令(Directive)」であるため、具体的には各国政府がどのように反映させるかによって実際の影響は異なってきます。EU内で影響力の大きいイギリス、フランス、ドイツはこれらの伝統療法に対して異なる制度を持ち、EUとしてルールを標準化(Harmonization)していく必要はありますが、これまでの歴史を無視して一朝一夕に決められるものではないでしょう。実際のところTHMPDについても施行期間後の現在、各国の対応にはバラツキがあるようです。

新しいルールによって利益を受ける人、不利益を被る人
この新しいルールに対して不利益を被る人たちと利益を享受できる業界があり、賛否双方の立場から論戦が繰り広げられています。1つ目の掲載文を執筆したANHは医薬品のグローバル化に反対し、持続可能な自然療法を広めるために設立された国際NGOです。「巨大医薬品メーカーやアグリビジネスがハーブ薬まで支配しようとしている」という類いの主張をしている団体は他にも見受けられます。署名活動を行ってEU政府を相手に提訴するとのことですが、2011年6月末現在で進捗していないようです。その主張の内容を具体的に見ていくと、やや粗さが見られます。例えば規制されているのは「ハーブ薬」なのにときどき「ハーブ製品」と称して、あたかも「ハーブ」そのものが規制されるような発言をしているようにも見受けられます。THMPDについての理解がない一般の人たちがこのような記事を読めば誤解をしてしまうことになるでしょう。インターネットではこのような主張の検索結果が上位に表示され、約86万人(2011年6月末現在)の署名が集まっています。ANHが指摘する通り、新しいルールや規制が強化されることによって何か自由が奪われてしまうということがあるので、その内容をよく理解して健全な議論をしていくのが良いでしょう。

伝統的ハーブ治療薬とは植物由来の医薬品で、チンキ剤やトリートメントを目的とした精油も含まれます。欧州で15年以上、他の地域も合わせて合計30年以上の使用経験があり、安全性や効能についての科学的知見が得られていないと登録することができません。一方で15年、30年の使用経験さえあれば、一般の医薬品と比べてかなり容易に登録できるようです。これまで法的規制の無かったものを、医薬品の一部として安全性や効能のしっかりした商品が流通されるよう配慮されたものです。ハーブ薬が登録制になれば、その薬を販売する人、処方する人も規制の対象に加えられます。欧州ではこれら一連の規制が国によってまちまちだったため標準化していこうということです。これまで誰でもハーバリスト、プラクティショナーとしてハーブ薬を処方できたイギリスでは、このTHMPD施行に伴い、ハーバリストも規制の対象に加えていくことを決定しています。2つ目の掲載文を執筆したEHTPAは一連の出来事を追い風と捉えて、協会の認定をPRしています。EHTPAと同じようにカリキュラムの認定をしているNIMHもプラクティショナーが法的な資格を得ることについて歓迎のコメントをしています。ISO、HACCP、GMP、GAPなどの認証と同じく、認証はビジネスであり、一旦地位が確定してくると利害関係を持つことになります。

同じ出来事を評価しているはずなのに、なぜ全く異なった見解が出されることになるのか。 これまでの解説で読者のみなさんの理解は得られたでしょうか。

日本への影響は?
それでは、この欧州でのTHMPD騒動が日本に与える影響はどうでしょうか。

EUで活躍されているハーバリストの方や、ハーブ薬の処方を受けていらっしゃる一部の方々を除き、今回のTHMPDが直接的に日本の皆さんに影響を与えることはなさそうです。

ただし、中長期的には影響があると考えてよいでしょう。国際会計基準のIFRSや、食品の規格を定めるCodexなどはEU主導で進められてきた標準化を世界標準とするよう目指しています。 IFRSでは日本、アメリカの会計基準との差異が大きく各大企業の反対もあり、容易には世界標準とはならない様相です。ハーブ薬についてはどうでしょうか。各国でのルールが標準化されれば何かと便利ですが、不都合なことも生じてきます。中国やインドなど伝統療法の体系を持つ国は大きく反発するでしょう。日本では漢方薬が処方薬や市販薬(OTC)とは区別されています。ハーブ薬に関してはどうでしょうか。現段階では「規制されていない」、「効果が認められていない」、「薬として処方できない」といった状況でしょうか。香料、化粧品、健康食品として扱われることもあります。今後ハーブやハーブ薬についてのゆるやかな薬効が認められて保険適用などの措置が検討され、安全性を真剣に議論しないといけない状況になれば、EUが策定しているルールが大いに参考になることでしょう。その時、欧州で登録されてきた伝統的ハーブ治療薬の処方で充分なのか、日本に固有のハーブをリストに加えることはできないか、など、より発展的な議論がされることが好ましいのでしょう。

JAMHAとして
1つ目の掲載文では、活動家的な主張にやや違和感をおぼえるものの、ヨーロッパでは長年認められてきた植物療法の自由が規制されることについて、一般の人たちがどのように反応するのか、欧州委員会がどのように対応するのか、今後の展開に注目していきたいと思います。

2つ目の掲載文では本年2月16日のイギリス保健省による決定を美談にしすぎている側面は否めませんが、ハーブ薬を患者に処方する上での安全性は担保されるべきで、誰でも処方できてしまうという現状は変えないといけないでしょう。法的な資格を得るプラクティショナーの認定基準がどのようなものになるのか、今後発表されていく内容に注目していきます。
欧州医薬品庁のハーブ薬委員会(HMPC)が編纂中のモノグラフでは200種類弱のハーブ原料が掲載され、そのうちの80種類強に関して安全性・効能についての評価を終えています。世界でも最新のハーブ・モノグラフといってよいでしょう。今後も更新作業が続くため、適宜JAMHA会員の皆様に情報提供していきます。

このような伝統的ハーブ治療薬は、まだある一定レベルの体系化ができたという段階ですが、学術情報を整理して経験値を積み重ねていくことで、精度の高い処方が行えるようになると思います。2011年3月に実施したJAMHA上位資格者へのアンケートでは、「資格を活かせる場を増やして欲しい」、「資格の社会的認知度を高めて欲しい」との声が上位を占めました。すぐに実現できることではありませんが、今後も会員のみなさまからのご要望、社会的ニーズを満たすため、情報提供を行っていきたいと考えています。

(JAMHAコメント:桂川直樹)

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〔知っておきたい用語〕

8) THMPD: Traditional Herbal Medicinal Products Directive
EUの伝統的ハーブ治療薬指令。2004年に欧州委員会が定めた指令(European Directive 2004/24/EC)で、EU流通する伝統的ハーブ治療薬はすべて登録制とするように定めたもの。

9) TCM: Traditional Chinese Medicine
中国伝統医療と直訳される、つまり漢方のこと。中国の漢方は中医学と呼ばれ、日本の漢方とは体系がやや異なる。中医師の免許は日本では使えないが米国では使える。

10) 署名活動
この掲載文ではAvaazの署名活動のサイト。ヨーロッパではよく使われ、更新の頻度も高い。日本語版は全くアップデートされていない。

11) European Commission
欧州委員会。EUの政策執行機関で、法案の提出、決定事項の実施など、25,000人を擁するEUの行政機構。欧州議会が法案提出権を持たないため、法案の提出と施行を担う。

12) EMA : European Medicines Agency
欧州医薬品庁。ロンドンに本部があるEUの組織の一つ。製薬会社が開発する医薬品の科学的評価について責任を負う。

13) ANH : Alliance for Natural Health International
EUとアメリカにベースがあり、持続可能な自然療法を広めるために設立された国際NGO。THMPDに対して強く反対キャンペーンをおこなっている。

14) EHTPA : European Herbal & Traditional Medicine Practitioners Association
NIMHなどイギリスのハーブ協会をメンバーにもつ複数の協会が集まってできた資格認定をおこなう組織。ロビイング活動も活発。患者の安全性の観点から、THMPDとハーバリストに対しての法規制強化を支持している。

15) DH Steering Group :Department of Health Steering Group
イギリス保健省の委員会で、ここではThe Department of Health Steering Group for the Statutory Regulation of acupuncture, herbal medicine and traditional Chinese medicine practitioners。これまで同委員会の報告書内容は、ハーブによる事故を避け、高等教育として育成していこうとする姿勢が伺える。ただし認定団体としてNIMH、BAAB、EHTPAなど一部の団体しか登場せず、かつ5年以上300人以上の実績が必要(2006年報告書)という評価基準などやや保守的な印象。

16) NIMH : National Institute of Medical Herbalists
英国メディカルハーバリスト協会。イギリスのハーバル・プラクティショナーが多く登録されていて、ハーブ教育機関の認定などを行う組織。約700人のハーバリストが地域別にGoogle Mapで検索でき、連絡先や氏名が登録されている。

17) Health Professions Council 医療専門家評議会
イギリスにある独立した行政法人で、理学療法士やセラピストなど15の医療領域で専門家教育の方法を規格化している。現在21万人の専門家が登録されている。

18) FIH : Foundation for Integrated Health
1993年に設立されたチャールズ皇太子の統合医療財団。2010年に元職員の汚職容疑などがあり閉鎖。

19) HMPC : Committee on Herbal Medical Products
欧州医薬品庁の下部組織、ハーブ薬委員会。モノグラフを作成するなどTHMPDの行政実務を担う委員会組織。委員会はEUの加盟国とオブザーバー国から各2名が選出されて運営されている。

20) Community herbal monographs
欧州医薬品庁のハーブ薬委員会が作成するモノグラフ。200弱のハーブ原料が調査され、80種類強のハーブ原料に対して最終報告書が提出されている。