キーワード: 日本のハーブ

不思議な果実のケンポナシ

ケンポナシ Hovenia dulcis ナシの名前のあるケンポナシは、バラ科のナシと違い、クロウメモドキ科の植物で、食べる部位も果実ではなく果実をつける肥厚した枝である。この果実が食用だけではなく、枳椇子きぐし と呼ばれ、薬として使われている。奇異な形の枝にあるケンポナシについ・・・

2018.06.01
オキナグサとウスユキクチナシグサ

薬用植物の中の絶滅危惧種に、白頭翁ハクトウオウといわれる植物が2種類ある。 ひとつは国内の草原に広く生えていたオキナグサで、草原が減少したためか都市周辺では絶滅した地域もある。 もうひとつは、国内では天草だけに見られるウスユキクチナシグサである。この2種について述べる。 オキナグ・・・

2018.03.01
オオツヅラフジと防已(ぼうい)のいろいろ

防已類の基原植物にはツヅラフジ科のオオツヅラフジ、アオツヅラフジおよびシマハスノハカズラがあるが、中国ではウマノスズクサ科を基原とする植物が含まれ、安全性に問題のあるアリストロキア酸を含有しているので、近年、使用されていない。 オオツヅラフジと防已 オオツヅラフジ Sinomen・・・

2017.12.01
カニクサとイワヒバ

1.カニクサ (Lygodium japonicum(Thumb.)Sw.) カニクサは、シダ類では珍しい巻きつく形の蔓植物で、別名「ツルシノブ」といわれている。民間薬としては、江戸時代の本草書に胞子が海金沙カイキンシャと記載されている。 シダ類で最も長い葉のシダである。長くのぼ・・・

2017.09.01
コクセイソウ(穀精草)とトウシンソウ(灯心草)

水田の雑草であるが、身近に生育し、薬草として使われているものにイグサ科のイ(イグサ)とホシクサ科のホシクサがある。イグサの地上部は灯心草と呼ばれ、生薬として流通している。ホシクサの地上部と花序は穀精草として利用されてきた。 1.ホシクサ穀精草 ホシクサ Eriocaulon ci・・・

2017.06.01
ヤブガラシ、エビヅルおよびカガミグサ

ブドウ科の薬用植物 ブドウ科の薬用植物にはブドウ以外にも野生植物がある。ブドウの果実は薬用葡萄ぶどう酒の原料、葉は西洋ブドウとして医薬品など国内で販売されている。ブドウの種子のポリフェノールは機能性が知られている。ブドウはヨーロッパ原産で和の生薬ではないので、ブドウ以外で国内のヤ・・・

2016.12.01