セルフメディケーションの有益なツールとして活用が期待されている一方で、その利用には医薬品との相互作用に注意を払う必要があるメディカルハーブについて、代表的な事例を紹介します。
講座概要:
メディカルハーブと医薬品の相互作用の多くの部分は薬物間の相互作用の場合と同じように考えることができます。すなわち薬物の吸収・分布・代謝・排泄(ADME)過程で生じた相互作用の結果、薬物の血中濃度や組織中濃度が変化する結果、薬物の効果に変化が生じる薬物動態学的相互作用と、薬物の薬理作用とメディカルハーブの(薬理作用)機能性の間でお互いの作用を強めあったり弱め合ったりすることで生じる薬力学的相互作用(協力作用/拮抗作用)に分類して考えることができます。本講座の第1部では、ADMEのそれぞれのステップにおける薬物動態学的相互作用の生じる要因と考え方、関連する機能タンパク質(薬物代謝酵素や薬物トランスポーターなど)に関することと薬力学的相互作用の考え方について学びます。第2部ではセントジョーンズワートやイチョウ葉をはじめとした代表的なメディカルハーブと医薬品の相互作用について事例を交えて学びます。
講座内容:
- 第1部 相互作用の基礎
- 食品・ハーブと医薬品の相互作用とは
- 薬物動態学的相互作用とは
- 薬力学的相互作用とは
- 第2部 ハーブと医薬品の相互作用各論
- セントジョーンズワート、イチョウ葉、エキナセア、カモミール、ニンジン、ウコン
- その他:クマザサ、ガルシニア、ソウパルメット、バレリアン、リコリス、ホーソン、オオバコ種子、フイーバーヒュー、エゾウコギ、カバ、アカツメグサ
- 抗凝固薬:抗血小板薬とハーブの相互作用
視聴条件:
- 視聴期間:お申込み後、3か月間視聴可能
- 受講料金:一般/4,400円 会員/3,300円
※テキスト込みの金額です。テキストはお申込み後ダウンロードしてください。 - 所要時間:1回120分
講師:
- 須永 克佳/城西大学薬学部医療栄養学科教授、博士(薬学)、学術委員
私は認定校の講師をしています。より質の高い講義を提供できるよう、スキルアップの目的で受講しました。この講座は、薬学部の特別講義のような専門的な内容ですが、薬物動態に関する用語などについても丁寧に解説されています。私が日頃から講座で教えているメディカルハーブとさまざまな医薬品との相互作用について、より理解を深めることができました。内容が濃いので、繰り返し視聴して勉強しました。
ハーブと医薬品の相互作用については知識はもともとありましたが、薬学を専門としているわけではないので、須永先生の講座で専門的に体系だって学ぶことができ非常にためになりました。どのような機序で相互作用が起こるのか、すでにある知識を正しい専門用語でより深く肉付けをしていくことができます。講座の中で知識の中の点と点が線で繋がる部分などもあり、とても有意義な講座でした。ハーブに関しては医薬品との相互作用がとても重要な点になるので、ハーブに関わるお仕事の方には必須の知識かと思います。専門用語が難しく感じるだけで説明はとてもわかりやすいので、講師だけでなく、ハーブを学んでいる学生の方にも有意義かと感じました。