2021.4.5.

オンライン学術フォーラム『免疫系への野菜やハーブの研究と実践』開催報告

JAMHA 理事

三浦利加子

2021年1月11日(月・祝)、学術フォーラムが、『免疫系への野菜やハーブの研究と実践』と題してオンラインで開催されました。コロナ禍での初のオンライン開催となりましたが、多くの方にご参加いただき有意義な会となりました。

第1部のご講演は、当協会の2018年度メディカルハーブ研究助成制度でご研究いただいた、富山大学名誉教授の門脇真先生による『メディカルハーブによる食物アレルギー体質の改善効果について』。先生は2020年度和漢医薬学会「学会賞」を受賞されていらっしゃいます。

第2部のご講演は、麻布医院院長で、ハーバード大学医学部内科元准教授の高橋弘先生による『ハーバード大学式命の野菜スープ』。先生は命の野菜スープを考案し、治療の補助として患者さんに勧めて、生活習慣病などの患者さんに効果をあげていらっしゃいます。

お二人の先生方のご講演の後、当協会の学術委員でもある林真一郎理事長と村上志緖理事も加わり、パネルディスカッションが行われました。専門レベルの難しい内容でしたが参加者の方々からも多くの質問が寄せられ、熱いディスカッションが繰り広げられました。

第1部

近年、先進国を中心に食物アレルギー(FA)疾患が増加しているが、根本的治療法は未だ開発されていない現状である。そこでFAモデルマウスに漢方薬・葛根湯を投与してみると、腸管にTreg(制御性T細胞と呼ばれる免疫細胞で、免疫細胞の過剰反応を抑えることで自己免疫疾患やアレルギー反応等を抑制する働きがある)を誘導してFAの発症を抑えることがわかった。それは葛根の成分であるプエラリンがTreg誘導を促進するレチノイン酸(RA)の産生代謝を制御して、RAの機能を亢進させるからである。

メディカルハーブに含有される成分にも同様の作用が期待できるため、アピゲニン、ルテオリン、クエルセチンで同様の実験を行った結果、腸管でのRA機能亢進作用が見られた。メディカルハーブにはTregへの分化産生を亢進させることにより、食物アレルギー体質を改善させる効果が期待される。

第2部

「ハーバード大学式命の野菜スープ」はニンジン、キャベツ、タマネギ、カボチャを使った簡単に作れる野菜スープである。
作り方は

1 材料を100gずつ食べやすい大きさに切り鍋に入れる
2 野菜が浸る量の水・約1Lを加える
3 煮立ったらふたをして弱火で20分加熱する。

このスープの一番いいところは飲むとほっとして気持ちを穏やかにしてくれることだが、私たちの体に必要な1日分のビタミンA・C・E、食物繊維、ファイトケミカルを含んでいる。その結果

1 抗酸化作用、
2 デトックス作用、
3 動脈硬化、脳梗塞・心筋梗塞予防 作用、
4 血圧低下作用、
5 肥満や高血糖、高脂血症を改善する作用、
6 胃腸の調子を改善する作用、
7 発がん予防作用、
8 免疫力を強くする作用、
9 アレルギーや炎症を抑える作用

などにより、スープを毎日飲むことで病気にならない元気な体になる。
ぜひ今日から命の野菜スープ生活を始めてほしい。

※ なお講演の詳しい内容につきましては、当協会ホームページの研究会報告のページに掲載しておりますので、そちらも併せてご覧ください。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第55号 2021年3月