メディカルハーブとは

自然療法について

近代医学以外の主に伝統的な療法を代替療法(近代医学の代替案という意味)といいます。その多くには健康管理や病気の予防、治療を行うときに、人の体にもともと備わっている自然治癒力を利用するという共通点があります。これを「自然療法(ナチュロバシー)」と呼び、メディカルハーブもその一分野にあたります。植物と人の関わりは古代人の時代から連綿と続いていますから、最も歴史がある自然療法といってもいいでしょう。

自然療法では、健康なときの人の体は全体的に一定のバランスがとれた状態になっていて、そのバランスが崩れようとしたときには、元の調和した状態に戻す力が働くと考えます。これが自然治癒力です。つまり、病気になったときは体のバランスを元に戻す自然治癒力に働きかけます。人を心も含めて全体的(ホリスティック)にとらえ、その全体のバランスを見るといってもいいでしょう。ここが、外からくる病気の原因や病んでし、る部位だけに働きかけようとする近代医学との、一番大きな違いです。

たとえば、風邪などで高熱が出た場合、近代医学では抗生剤と解熱剤を使うのに対して、自然療法では体を温めて汗をかかせようとします。発熱は細菌やウイルスをやっつけようとする体の反応なので、それを助けるためです。自然治癒力に絶大の信頼を寄るのが自然療法なのです。

メディカルハーブと近代医学の違い

メディカルハーブと近代医学との違いもほかの自然療法と同じで「薬」という観点に絞るとそれはもっとはっきりします。近代医学の薬が単一成分なのに対して、メディカルハーブには非常に多くの成分が含まれています。これは、作用が穏やかで、一点集中ではなく全身に作用することにつながります。多くの成分がバランスよく働くからです。

含まれている成分の量自体も医薬品に比べると格段に少ないため、副作用など有害な作用の心配がなくなります。一方の長所はもうー方からすれば短所でもあるので、どちらがいいということではありませんが、違いが大きいことは確かです。

ただし、近代医学の医薬品のルーツがメディカルハーブにあることも忘れてはいけません。薬用植物に含まれている成分の中から有効なものだけを取り出し、さらにその成分と同じものを人工的に合成することで医薬品が生まれたのです。