伝承と神話

ハーブ偉人伝: ガレノス

医学の父、薬学の父といわれるガレノスは、しばしばヒポクラテスは善、ガレノスは悪として語られることが多いのです。そう思ってガレノスの文献を読んでいくと、1800年前にこれほど熱心に学び、人体を綿密に調べ、実験をし、記録をとり、薬草を収集し、分け隔てなく患者を治療した、そのような驚く・・・

2023.07.02
ハーブ偉人伝: ヒポクラテスとガレノス

ヒポクラテスほど世界で有名な医者はいません。しかし、その姿を追おうとするとなかなか理解ができません。 というのも、ヒポクラテスの姿は『ヒポクラテス集典』と呼ばれる複数の文書から推測されているからです。しかし、どの著作がヒポクラテスの自書なのかはわからず、多くが息子や弟子たちが書い・・・

2023.03.20
ディオスコリデスの時代とその思想: ディオスコリデスの思想

『薬物誌』第1巻序では先行する薬物学者を二分する。 前半のビテュニアのイオラス、タレントゥムのヘラクレイデスに対しては、テオプラストスのような植物自体に関する記述のないこと、クラテウアスとアンドレアスに関してはその事項に見落としのあることを指摘しているが、概ね肯定的に評価する。 ・・・

2023.01.03
ディオスコリデスの時代とその思想: ディオスコリデスの時代

ディオスコリデスの『薬物誌』(De Materia Medica)は、ヨーロッパのみでなくアラブ世界においても後々まで大きな影響力を持つよく知られた著作だった。 しかし著者のディオスコリデスはその生卒年すらよくわからない。従来知られていることは、キリキアのアナザルブス(ないしアナ・・・

2022.10.08
暮らしの中のハーブ
「王妃の水」ローズマリー

暮らしの中のハーブ ハーブ・樹木の伝承と神話7 ローズマリー Rosmarinus officinalis シソ科・常緑低木──シンボル:変わらぬ愛、記憶、幸福な結婚 ローズマリーの和名「万年郎まんねんろう」は「永遠の青年」という意味。若返りの妙薬として、日本でも信頼されてきたハ・・・

2021.07.29
カレンデュラ(金盞花きんせんか

暮らしの中のハーブ ハーブ・樹木の伝承と神話6 カレンデュラ(金盞花きんせんか) Calendula officinalis キク科・一年草──シンボル:太陽、健康、幸福、出世 鮮やかな黄色やオレンジ色の花びらがまぶしいカレンデュラ。部屋に飾っておくだけでも、瞳から色の力をいただ・・・

2018.03.01
ローズマリー

Rosmarinus officinalis しそ科・常緑低木 シンボル:変わらぬ愛、記憶、幸福な結婚 幸福な結婚を導く花──古代ギリシャ 香りが強く、いつまでも残ることから、ローズマリーは「変わらぬ愛」の象徴。古代西欧から若さと美しさを保つ薬効が知られてきました。ギリシャ神話に・・・

2017.12.01
セージ(薬用サルビア)

Salviaofficinalisシソ科・多年草 ──シンボル:救済、長寿、慎ましさ 「セージが育つ場所で人はどうして死ぬことができようか」(『サレルノ養生訓』)と、アラビアの格言にあるように、古代から信頼されてきたハーブのひとつ。多岐にわたる神話がその治癒力を物語っています。 ・・・

2017.09.01
ローズ(バラ)

約4000年前のバラの女神──古代メソポタミア バラが人の手によって表現された始まりはおそらく古代メソポタミア。一輪の花を手にして、香りを嗅ぐ女性を刻んだ塑像そぞうが残されています。その花はおそらくバラとされ、女性は人々に崇拝されていた愛と豊穣の女神イシュタル(イナンナ)。古代シ・・・

2017.06.01
アーティチョークの活用法

概要 イタリアをはじめとするヨーロッパやアメリカなどで、花托と総苞片の基部が野菜として食されています。可食部は少ないものの、揚げたり茹でたり、オイル漬けの瓶詰なども売られています。 ハーブティーには主に葉が用いられ、カフェ酸誘導体のシナリンやセスキテルペンラクトンのシナロピクリン・・・

2017.03.01