2017.6.1

レモンバーム

レモンバームは南ヨーロッパ原産のシソ科の多年草で、レモンに似た香りが特徴です。ヨーロッパでは古くから長寿のハーブとして知られ、食品や飲料の香りづけ、サラダやスープなどの料理、スキンケアなどの美容、医療にとさまざまに使われてきました。学名のMelissaはギリシャ語ではミツバチを意味し、レモンバームが蜜源植物として重用されてきたことに由来すると考えられています。

レモンバームの主成分は精油成分(シトラール、シトロネラールなど)、タンニン類、フェノール類(ロスマリン酸、カフェ酸)などで構成され、精神の高ぶりを鎮めたり、頭痛や腹痛などをやわらげたりする働きがあります。最近は、ロスマリン酸が認知症改善に効果があることがわかり、注目されています。

【作用】精神安定、消化促進、抗菌・抗ウィルスなど
【適応】不安、ストレス、認知症予防、頭痛、発熱、単純ヘルペスなど

*食品としての適正摂取は安全だが、妊娠中や授乳中の経口摂取は控えたほうが安全。高濃度での使用は肌への刺激がある場合があり、敏感肌の人は注意が必要である。

初出:特定非営利活動法人日本メディカルハーブ協会会報誌『 MEDICAL HERB』第40号 2017年6月