2015.10.28

国際情報 2014 年アメリカにおけるハーブサプリメント売上

翻訳:金田 俊介

(原題:Herbal Dietary Supplement Sales in US Rise 6.8% in 2014、HerbalGram 2015年秋号掲載)

アメリカにおける2014年のハーブサプリメント売上高に関する記事が今年もニュートリションビジネス誌で掲載された。それによると総売上は約64億ドル(対前年比6.8%増)であり、これで2004年から11年連続のプラス成長となった。これは昨年の7.9%増に引き続き、大幅な売上増だ。

ハーブサプリメント総売上のうち、主要な販売ルートであるスーパーマーケットやドラッグストアなどのマスマーケットでの売上は対前年比で5.0%増加していた。マスマーケットでの売上がハーブの一般的な人気を示していると言われており、この販売ルートでの売上データが重要視されている。2014年の内訳をハーブの種類別に売上の多い順でランキング化すると、第一位は昨年に引き続きホアハウンドであった。ホアハウンドはアメリカで親しまれているのど飴にいくつかのハーブとブレンドされて配合されており、高い売上を誇る。以下、クランベリー、エキナシア、ブラックコホシュ、フラックス、バレリアンと日本でもおなじみのハーブが続く。(トップ20を下表に掲載)

ちなみにトップ40にランクインしたハーブのうち、昨年から大幅に売上を増やしたハーブとして、アイビー(注:キヅタ。ヘデラとも呼ばれる植物で、ツタとは別物。果実は有毒。)がある。アイビーの葉は、ヨーロッパで呼吸器の炎症に対して使われてきた。また、ココナツオイルも昨年ほどの伸びはないものの、ブームに支えられ引き続き売上を増やしている。

また、自然食品専門店での売上は、対前年比で5.2%上昇しており、相変わらずウコンが大きな売上を誇っている。

2011年より見られる傾向として、何種類かのハーブを混合した製品の売上増(対前年比6.6%増)があげられる。単体のハーブも毎年売上を伸ばし続けているが、混合ハーブの伸び率のほうが大きいのがここ数年続いている。

これまで11年にも渡り売上増が続いているハーブサプリメントだが、2015年は少し状況が変わるかもしれない。というのも、2015年2月のNYAGによる報告(一部のスーパーマーケットで販売されているハーブ含有サプリメントを抜き打ち検査したところ、ラベルに表示されているハーブのDNAが検出されないものが多くあったという報告)が影響するかもしれないと考えられているからだ。とは言え、2015年7月中旬までの集計では昨年よりも売上は増加している。2015年は動向が特に注目される。

(翻訳:金田俊介)