Billberry

ビルベリー

Vaccinium myrtillus

科名:ツツジ科 / 使用部位:果実

ビルベリーはブルーベリーのなかで、ヨーロッパ産の小さなブルーベリーのことを言う。ビルベリーの標準化エキスを配合したサプリメントは、米国の主要な小売市場にあるハーブのなかでも上位にランキングされ、とても人気がある。ビルベリーの標準化エキスは、主に視覚障害や微小循環及び血管に関連した疾病の予防やケアに用いられている。ビルベリーの葉のエキスは(果実ではなく)、インスリンが用いられるようになる以前に糖尿病のケアに用いられていたという歴史がある。そのため現在では、ビルベリー葉エキスは糖尿病でインスリン治療を行っている場合には相互作用を起こす可能性が考えられている。

【適応】

網膜症・高血圧・糖尿病・末梢血管系疾患・血管紫斑症・静脈不全・拡張蛇行静脈
毛細血管脆弱症・腎毛細血管脆弱症・下痢(標準化エキスではなく果実)

【作用】

収斂・抗血小板凝集・コラーゲン安定化活性・傷害関連性血管透過性軽減の各作用

【主な使用法】

内服

状態により1日に160-480mgを服用する。効果の発現については摂取後4-8週間で観察されることが多い。

  • 標準化エキス(乾燥・25%アントシアニジン含有):80-160mgを1日に3回服用する。
  • 乾燥果実:1日に20-60gを、1回4-8gに分けて数回。水で服用する。
  • 浸剤・煎剤:1日に20-60gを服用。
  • 冷浸剤:1日に20-60gを服用。
  • うがい:10%煎剤を含む液でマウスウオッシュ。
  • 液性エキス:2-4ml(1:1 g/ml)を1日に3回服用する。
  • 標準化されていない粗エキス:下痢の症状改善に3-4日以内で服用する。

【禁忌】

  • 知られていない。
  • 妊娠及び授乳期間での禁忌はない。

【副作用】

推奨されている用量での副作用、有害作用は報告されていない。

【薬物相互作用】

著しい高用量(一日170mgアントシアニジンを30~60日間)を服用した場合に、ワルファリン、その他の抗血小板薬との相互作用がみられる可能性があることが示唆されている。剤型は定まっていないが、ビルベリーがインスリンの必要量を低減する可能性があるとの報告があるため、通常の抗糖尿病薬での治療中の場合には緻密にモニターして用量を調整する必要がある。

【臨床的展望】

被験者総数694名となるビルベリーに関する臨床試験15報をレビューした。1報を除いて、夜盲症と昼盲症、網膜症を含む種々の視覚状態および静脈不全、微小および末梢循環血管状態を含む血管の状態に対して改善の結果が得られた。網膜症に対して行われた2件の二重盲検対照比較試験(以下DB,PCと記す)では、以前に報告された2件の試験の結果を確認し、夜盲症に関する1件のDB,PCは、以前に報告された5件の試験の結果を確認した。近年実施されたDB,PCクロスオーバー試験では、ビルベリーエキス(アントシアノシド25%含有)は、夜盲症に効果を示さなかった。末梢血管障害に対して1件のDB,PCでレイノー病に対して改善効果を示した。慢性月経困難症に関する1件のDB,PCで改善効果を認めた。被験者60名を対象にした静脈不全に対しての単盲検対照比較試験(以下SB,PC)では、2件の試験および2件の妊婦を対象にした同様の試験の結果を支持するものであった。SB,PCで検討された出血に関する試験では、ビルベリーは手術中および手術後の出血を減らすと共にその後の出血も予防した。尿道内器具と関連する出血に関して検討した試験もある。

2010年3月発行
編集:特定非営利活動法人 日本メディカルハーブ協会・学術調査委員会
提供:アメリカン・ボタニカル・カウンシルこのモノグラフはAmerican Botanical Councilにより2003年に発行されたThe ABC Clinical Guide to Herbs, Mark Blumenthal (senior editor), © を翻訳したものです.Translated from The ABC Clinical Guide to Herbs, Mark Blumenthal (senior editor), © 2003 by the American Botanical Council (www.herbalgram.org). Courtesy of American Botanical Council.