2012.4.4

海外薬用植物園見学会 訪問場所紹介⑥クナイプ

日本メディカルハーブ協会副理事長

紹介文:降矢英成

<バートウェーリスホーヘン>
バートウェーリスホーヘンはドイツに60数ヶ所あるクナイプ保養地の「中心保養地」です!
この地にはクナイプ療法の創始者であるクナイプ神父が所属していた教会があり、クナイプ療法のまさに中心地となっています。この街全体がクナイプ保養地として整備されています。ミュンヘンからほど近いこの小さな街には、クナイプ療法を実践・体験できるすべてが揃っているといっても過言ではありません。他の観光地とはまったく違った素晴らしい植物療法、および癒しの体験をすることができるでしょう。

<見学会の内容>
①クナイプ治療院(セバスチャニウム)
クナイプ療法の大学病院的な位置づけの施設です。治療院の名前はクナイプ神父の名前(セバスチャン)にちなんでつけられていています。入所して療養ができ、クナイプ療法士の育成もしています。珍しい水療法の設備のほか、ゆったりとした中庭も見事です。
②クナイプ博物館
クナイプ療法を開発したクナイプ神父の足跡がわかるほか、当時の治療風景の写真や、使っていた器具や衣服なども展示され、発展期に協働した医師との出会いなども詳しく紹介されています。
③クアパーク(保養公園)
ドイツの保養地には必ず保養のための散策用の公園(クアパーク)があります。バートウェーリスホーヘンのクアパークには、森林療法的な気分を味わえる散策路とクナイプ療法のハーブティーに用いられるハーブ園も見学することができます。

<その他の見どころ>
○クアハウス
日本では、温泉施設の代名詞になっている言葉ですが、本場ドイツでは「保養地案内センター」という意味であり、マップなどを始め、保養地全体の情報を得ることができます。大きな保養地のクアハウスには劇場も併設されています。
○ホテルでのクナイプ療法体験
バートウェーリスホーヘンのホテルには、クナイプ療法を体験できるホテルもあります。もっとも特徴的なものは「水療法」ですので、水着と着替えを持参するといいでしょう。また、クナイプ療法には「完全食」と呼ばれる健康を目的とした食事療法があり、こちらも体験できるでしょう。
○森林療法散策路
ドイツの保養地の多くは、森林をウォーキングできるようになっています。中心のクアパークから繋がっていますので、余裕のある方は前日のクアパーク見学時に調べておき、翌日の早朝に森林散策にお出かけになるとよいでしょう。
○街の薬局
ドイツは街中の薬局がとても充実しています。ここバートウェーリスホーヘンにもクナイプ治療院(セバスチャニウム)のすぐ横に薬局があり、この薬局はクナイプ製品がとても充実しています。ぜひ立ち寄ってみて下さい。

この街のたたずまいそのものが保養・癒しにつながっています。繰り返しますが、朝早く起きてクアパークから続いている森林療法用の小道を森へ向かって散策されることをお勧めします。クナイプ神父は、朝もやのついた芝生の上を裸足で歩くことを「秩序療法」として勧めていました。

(紹介文:降矢英成)